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「ただ見てるだけ」から抜け出そう。~セクハラ裁判に見る、第三者の行動の必要性~

noteの投稿予定日を大幅に超えて遅れての登場🔥今回の書き手はスズカです🙋‍♀️ちょい長めですが、頑張ったので読んでください☺️

遡ること30年前。
日本で初めて”セクハラ裁判”が全面勝訴しました。

平成元年、福岡で初めてセクハラを争点にした裁判が起こされ、「セクシャル・ハラスメント」はこの年の流行語大賞新語部門の金賞を受賞。社会で「セクハラ」という言葉が浸透し始めていきました。

とはいえ、30年経つ今でも、”セクハラ”は絶えません。さて、”セクハラの種”はどこに眠っているのでしょうか。

今日は、他人ごとではないセクハラが生まれる環境を知り、今からできる自分の行動を見直してみましょう。

そういえば、”セクハラ”ってなに?

率直に、”セクハラ”ってどんなシチュエーションが思いつきますか?

個人的には、男性上司が女性社員に冗談交じりに性的な発言をする・・・みたいなのがパッと出ます。これを読んでいる人の中にも、男性上司⇒女性社員の構図は、容易に想像できるかもしれません。

でも、厚生労働省によれば、”セクハラ”の行為者(セクハラをする側)の範囲は非常に広くあります。

セクシュアルハラスメントの行為者とは?
事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、患者、学校における生徒なども行為者になり得ます。男性も女性も、行為者にも被害者にもなり得ます。
また、異性に対するものだけでなく、同性に対する性的な言動もセクシュアルハラスメントになります。
被害者の性的指向や性自認に関わらず、性的な言動はセクシュアルハラスメントに該当します。

厚生労働省 あかるい職場応援団 「ハラスメントの定義」より

セクハラは「誰(どんな立場の人)」というよりは、『性的な言動』をしたのか否かが問題になります。要するに、人よりも言動が着眼点

例えば、学校内で、教師→生徒、生徒→生徒、生徒→教師、これらにおいて「性的な言動」があれば、それはどの関係性であってもセクハラになりうるといえます。

セクハラは禁止されていない?

とはいえ、実は日本では、セクシュアルハラスメントを明確に禁止する法律がないそう。

男女雇用機会均等法によれば、事業主の雇用管理上の措置義務として

●雇用主の方針の明確化 その周知・啓発
●相談窓口設置など適切に対応するために必要な体制作り
●セクハラに関わる事後の迅速かつ適切な対応

を求めているそう。けれど、よくよく考えるとセクハラ行為自体を規制する規定がないとのこと。

だから、仮にセクハラを争点に裁判を起こしても、セクハラ自体が禁止されていないので、禁止される行為、違法な行為の定義というのも、もちろんないんですね。

しかも、日本は海外に後れを取って採用していないという現状が。

NHK福祉情報サイト ハートネット 「特集セクハラ(2)日本ではセクハラが法律で禁止されていない?! 世界の中の日本」より

法整備がないからってセクハラをしていいわけでは決してありませんが、整備が進んでいないことはセクハラを生み出しやすくなる可能性がありますよね。

詳しくは、NHK福祉情報サイト ハートネットをご覧ください。

「お前、女々しいぞ」はセクハラ?

とはいえ、定義はなくても「性的な言動」と言われれば、不必要に体を触る、スリーサイズを聞く、などいわゆる”性的”とされる言動はよろしくないとはいえると思われます。

しかし、実は、それだけが”性的な言動”ではありません。

厚生労働省によれば、”性的な言動”には以下の原因があるとのこと。

「男らしい」「女らしい」など、固定的な性別役割分担意識に基づいた言動は、セクシュアルハラスメントの原因や背景になってしまう可能性があります。

つまり、定義はなくても、国の機関が”性的な言動”の原因を古典的なジェンダー規範にあるという可能性を認めているのです。

だからこそ、千葉県の教育委員会では、以下の具体的な事案に基づいて、セクハラを防止のために研修をすることを呼びかけています。

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千葉県教育委員会「教職員と幼児・児童・生徒,保護者との間におけるセクシュアルハラスメント防止についての指針」

これらはあくまでも、セクハラ防止のための事例ですが、呼びかける範囲の広さに驚きます。なぜなら、「女々しいぞ」という「女らしさ」や「男らしさ」にまつわる発言がセクハラの温床になる認識は低いのではかと思われます。

そう考えると、セクハラって日常に潜んでいて、ニュースで見るような卑劣な行為は氷山の一角にすぎないのだと、思わされますよね。

筆者も、身近で「女の子だから○○はできない」「男の子は○○だからしょうがない」などの発言を耳にしたことはあります。しかし、言われても仕方がないと飲み込んでいたことは、許されなかったことのだと気が付きました。

(それと、同時にフェミニズムやジェンダーを学ぶことは、はセクハラ防止の一種なんだとも気が付きました。)

第三者こそ動くべき

ここまでで、セクハラが日常に潜んでいるということ、日本にはセクハラ行為自体を規制する規定がないということが分かったかと思います。

被害者の苦痛な声には、

・セクハラがあったと認めてほしい
・謝罪をしてほしい
・再発防止に努めてほしい

といったことが挙げられ、セクハラへの認知の低さがより被害者を苦しめていることがわかります。中には、声をあげた被害者が反対にバッシングされてしまうことも。(例:「セクハラをされるようなことをしたのではないか」など。)

と、ここまで苦しい案件が続きましたが、実はセクハラの抑制には重要な環境づくりがあるのです。

それは、ずばり「第三者の声」。

セクハラの行為者は、セクハラをしているものの自身の暴力が悪いと認知できていないケースがあります。(再発の可能性)

また、被害者も「自分が悪いと思ってしまう」「怖くて何もできない」といったケースも見受けられます。

しかし、第三者はどうでしょう。

実は、Safe Campusという学生団体では、セクハラや性暴力の”傍観者にならない”取り組みをしており、第三者の重要性を説いています。

Safe Campus 佐保田美和さん
「(セクハラや性暴力の)事件について『被害者のほうも悪い』と被害者に責任があるような発言や、『自分もその場にいたかった』と言って笑う人がいました。被害を会話のネタにしてセカンドレイプにあたる発言をし、周りもそれを止めないことに強い違和感と憤りを覚えました。そういうときに物申せる人になりたいと思ったんです」

そのために、Safe Campusでは、「5D」という第三者のアクションを提唱しています。(Safe Campusさんを例を参考に以下の図にまとめました)

「5のDで被害者を守る」

ひとつひとつ見ていくと以下の通りです。

「5つのD」
・Distract 注意をそらす
…知人のふりや、関係のない話をするなど、加害者の注意をそらすことで被害を防ぐ。
・Delegate 第三者に助けを求める
…教員や店舗の責任者、駅員など別の人に助けを求める。
・Direct 直接介入する
…加害者に注意する。加害者の敵意が向く場合もあるので、被害者と介入者の安全が確保されていることが大切。
・Document 証拠を残す
…日時や場所を特定できるよう、映像などを撮影する。安全な距離を保ち、撮影中も被害者から目を離さないこと、撮影したものをどうしたいか被害者に確認をとることが大切。
・Delay 後で対応する
…その場にいなかったときや行動を起こせなかった場合でも、被害者に声をかけ、何かサポートできる方法があるか尋ねるなど、事後に行動する。

NHK「“傍観者”にならない!セクハラ・性暴力 大学生たちの挑戦」より

この5D、めちゃめちゃわかりやすいですよね・・・!

このように、被害者ではなく、第三者こそが行動することが「セクハラの種」を未然に防ぐことができるということがお分かりいただけたかと思います。

私が伝えたいこと

と、ずいぶん長々としたお話になりましたが、伝えたいことは以下です。

①古典的なジェンダー規範に基づく社会問題は身近にある。
②問題解決のためには、被害者が声を上げることではなく、第三者が介入することが大事。
③問題解決のためには、ジェンダーやフェミニズムに関する知識を身に着けることが大切ということ

まぁ、これは「動きたいけど、動く勇気がでない!」という方や新1年生に対して、是非WannaBeMEに参加して一緒に勉強していきましょう!と後押ししたいという下心もありますが(笑)(WannaBeMEは金大生以外の参加もありです♡)

とにかく、誰かの「生きづらさ」を救う手段は、案外身近な行動にある。ということを心に留めていただけたら幸いです。

もし、「おっと、これは”セクハラの種”になるのでは?」と思ったことは、5D(個人的には注意をそらすってやりやすいかもと思ってます)を意識して行動していきましょう!

それでは!

なが~いnoteでしたが、最後まで閲覧ありがとうございます!
もしよければ、スキ・共有をお願いします!!

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そして、今回参考にしたもののおすすめサイト載せますので、詳細は以下からアクセスしてください!

・日本のセクハラ事情に関して
NHK福祉情報サイト ハートネット
日本ではセクハラが法律で禁止されていない?!【特集セクハラ(2)】 - 記事 | NHK ハートネット

・ハラスメントの定義に関して
厚生労働省 あかるい職場応援団
ハラスメントの定義|ハラスメント基本情報|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト- (mhlw.go.jp)

・ハラスメント 裁判例
厚生労働省 あかるい職場応援団
裁判例を検索しよう|裁判例を見てみよう|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト- (mhlw.go.jp)

・慶応義塾大学学生団体「Safe Campus」 HP
Safe Campus ホームページ on Strikingly (mystrikingly.com)


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