R4.2.1配信の推敲の類型整理(浦野真彦「3手詰めハンドブック」No.181を素材に)+自己紹介
0 自己紹介
初投稿なので、まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。
かいりゅーになりたい(twitter@forest_season)と申します。
子供のころに将棋のルールを覚えましたが、時を経て社会人になってから将棋の魅力に気づき、勉強をし始めました。指し将棋は現在1級~初段程度です。
詰将棋をちゃんと解き始めるようになったのは約2年前。そして、解いているうちに詰将棋を自分でも作ってみたいと思うようになりまして、昨年の夏から訓練をしております。
1 詰将棋の題材と検討のテーマ
最近は、Mirrativという配信サイトで浦野先生の3手詰めハンドブックを2手逆算する訓練をしたりしています(配信では、ありがたいことに様々な方にコメントをいただいております。内容を問わず、皆さんに感謝しております)。
令和4年2月1日の配信で、下の題材を取り扱いました。
作意は32竜、同金、24桂です。
配信では、43金を消去して、初形の枚数を減らせないかが話題となりました。
また、その方法として、この詰将棋の作意を、32竜、同竜、24桂とするように推敲することを考えることになりました。
★条件1:作意を32竜、同竜、24桂とする。
★条件2:43金や33金は消去。
★条件3:浦野先生の詰将棋をベースにする。
2 32竜を意味付けする(一間竜)
原図の43金は、単純に、初手42竜や52竜を防ぐためのものです。
そこで、42竜や52竜では詰まず、32竜であれば詰むように意味づけをする方法を考えます。
今回は、竜を使った手筋として、一間竜が使えました。
23に竜を置くことで、32竜、22合とされた時に23銀成で詰むようにしています。また、21歩を置くことで、初手42竜や52竜には、22合、同銀成、同歩とされて詰まなくなっています。
21歩は、初手24桂の余詰も消せていますね。
※平行移動も考えられるよ
【案1】で21歩を置いているのは、32竜、22合、同銀成、同竜、23銀成の変同余詰変化別詰を消す意味もあります(22銀成に同歩と取れる)。
この変同余詰変化別詰を消すには3手目22銀成ができなくなればいいので、平行移動をすることも考えられます(どちらの形がいいかは置いといて)。
※17銀だと変長になるので17金に変えています。
3 そもそも42竜を選択肢からなくす
消極的な解決策ですが、そもそも42竜の選択肢をなくして、42竜・52竜の余詰を消す方法がありました。41竜を33飛に変えて、32地点にしか竜(飛)が動けないようにする方法を考えます。
しかし、この形では、24桂、同竜、32飛成、22合、同銀成、同竜、23銀成の余詰が残ります。
ですので、結局、5手目22銀成を消す平行移動をすることになります。
4 2枚の攻方駒を1枚の攻方駒にまとめる方法
攻方14銀・31銀の形だと22・23地点にそれぞれ効いているため、22地点で清算して23銀成で詰む余詰が生じえました。そこで、この2枚の銀を33との1枚にまとめて、攻方の駒の働きを弱くする方法がありました。
この形であれば、32竜、22合に、同とだと、同竜に23銀成(14銀)がありません。2枚の銀を1枚のと金にまとめた効果です。
また、42竜、22合、同と、同竜、24桂に23玉と逃げられるのも、22・23地点をと金1枚で守っている効果です。
いろんな形に応用ができそうな技術だと思いました。
5 条件1を除いてみると?
最初に上げた条件の内、条件1を削除し、43・33金を消去した形を作ろうとしたらどうなるか、ウマノコさんが考えてくださいました。
★条件1:作意を32竜、同竜、24桂とする。
★条件2:43金や33金は消去。
★条件3:浦野先生の詰将棋をベースにする。
絶妙なバランスでなるほどの形。原図からこの形にたどり着くにはかなりの力が必要そうです。すごすぎます。
詰まぬなら 詰ませてみせよう ホトトギス
6 まとめ
1つの3手詰の形を変えるのにこれだけの考え方や手法があることに感動し、自身の理解を整理するためにも、今回ブログにまとめてみました。
普段詰将棋を作ったり観賞したりするときにも、こういう風に理屈を理解してパターンを考えながらできるようになりたいですね。
とはいえ、現状はともかく数をこなして基礎体力を付けたいと思っています。そのうち自然と自分の中で体系化できるといいなぁ。
今後も、ブログに残したくなるようなことがあれば、『余裕があれば』自分のために書こうと思いました(でも書くのに思ったより時間がかかりました。こういうのを毎日書いている人凄い)。
※本ブログの各案は、ご視聴いただいていた方から、ご厚意でアドバイスをいただいて作成しております。特に、この配信では、んほんほんほーさんに、私の思考プロセスを丁寧に誘導していただきました。本ブログにお名前を載せていない方も含めて、皆さんありがとうございました。
※なお、本ブログの各案に対しては、よりよい案や、他のパターンなどもあると存じますが、各案は配信中の限られた時間内で、アイディアとしてご教授いただいたものですので、それを前提にご覧いただきたく存じます。
【修正加筆】
※2章 変同余詰→変化別詰に修正しました。失礼いたしました。
このあたりの用語がまだよくわかっていません。。。