静止衛星の高度を求めてみた
静止衛星は地球の自転と同じ角速度で周回している。すなわち、地表と相対的に静止しているため、静止衛星と呼ばれる。静止衛星が周回している軌道は静止軌道(GEO : Geosynchronous Earth Orbit)と呼ばれ、通信と地球全体の観測に最適であり、通信・放送・気象観測など様々な分野の衛星が周回している。
<考え方>
静止衛星の周期は地球自転周期と同じであることを利用する。
地球半径を$${R=6.378\times10^3\ \mathrm{km}}$$、地表での重力加速度を$${g=9.806\ \mathrm{m/s}}$$とした時の第1宇宙速度及び第2宇宙速度を導出していく。ただし、万有引力定数を$${G}$$、地球質量を$${M}$$、運動する物体の質量を$${m}$$とする。
<参考文献>
・地球半径 ・重力加速度 閲覧日 : 2022/02/18
半径$${r}$$の円軌道をえがく、衛星の速度$${v}$$を求める(角速度$${\omega}$$)。
$$
\begin{align*}
m\frac{v^2}{r} &= G\frac{Mm}{r^2} \\ v^2 &= \frac{GM}{r} \\ v &= R\sqrt{\frac{g}{r}} \\ (\because mg = G\frac{Mm}{R^2} &\rightarrow GM = gR^2)
\end{align*}
$$
上式より、衛星の周期$${T}$$を求める。
$$
T = \frac{2\pi}{\omega} = \frac{2\pi r}{v} = \frac{2\pi r}{R}\sqrt{\frac{r}{g}}
\tag{1}
$$
地球自転周期(静止衛星の周期)を$${T=60\cdot 60 \cdot 24=86400\ \mathrm{s}}$$とする。(1)式より、
$$
\begin{align*}
r^3 &= \frac{T^2 R^2 g}{4 {\pi}^2}\\
\therefore r &= {\left(\frac{T^2 R^2 g}{4 {\pi}^2}\right)}^\frac{1}{3}
\end{align*}
$$
地球半径と重力加速度に数値を代入すると、$${r=4.226\times 10^4\ \mathrm{km}}$$となる。静止衛星の(地球表面からの)高度は$${r}$$から地球半径$${R}$$を引けばよい。従って、答えは$${3.588\times 10^4\ \mathrm{km}}$$である。
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