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中国の気球を撃墜すべきか否か

アメリカが自国領空内に侵入した中国が開発したと見られる気球を撃墜しました。撃墜したのは世界でも最高の高高度性能をもつ、つまり高いところでも性能を発揮するF-22という戦闘機でした。これは気球が高度18kmというかなり高い高度で飛行していたためです。

そして中国の気球が飛行しているのはアメリカだけでなく、5大陸40カ国以上の上空を飛行している、もしくは飛行していたと見られています。もちろん日本の領土上空や周辺の公海上でも発見されています。例えば、令和2年6月には仙台市、令和3年9月には青森県八戸市の上空で飛行物体が確認されました。

導入はこれぐらいにして、そろそろ今日の本題に入りましょう。今日のテーマは「(技術的・法律的に可能かどうかはさておき)日本もアメリカのように中国の気球を撃墜すべきか否か」です。

私は「中国の気球を撃墜するべきではない」と思います。

なぜなら、中国の気球は本質的に人工衛星と同じであり、もし気球を撃墜しなければいけないとしたら、人工衛星も撃墜しなければいけなくなるからです。気球と人工衛星は飛んでいる高度や軌道こそ違いますが、どちらもやっていることに大きな違いはないと思います。

例えば、極軌道を航行する地球観測衛星は地球表面をくまなく観察しているし、SpaceXは(スターリンクという衛星通信サービスのために)超小型通信衛星を数千機以上打ち上げており、もちろん日本の上空も飛んでいます。

中国の気球も他国を上空から観測したり、電波の傍受などをしているかもしれませんが、それは人工衛星でも可能であり、日本上空には沢山の人工衛星が飛んでいます。

たしかに中国の気球が自分の上を飛んでいるのは良い気分ではありませんが、気球の影響を心配するのならば、人工衛星のことも考慮しなければいけないでしょう。

そして、気球を撃墜したら中国との関係が悪化することは明白であり、中国との貿易や観光業に大きな打撃を与えるのは間違いないと思います。だからこそ、民間航空機の飛行経路を邪魔せず、攻撃の意図がない限りは、中国の気球を撃墜すべきではないのです。

やるべきことがあるとすれば、軍事施設や研究施設を(気球や人工衛星に)上空から観測されることを前提に設計することではないでしょうか。現実的に考えて、日本上空の気球と人工衛星を全て撃墜するのは不可能であり、またそうすべきではないと思います。

「中国の気球は撃墜することには反対で、むしろ上空から観測されることを前提に考えるべき」というのが私の意見です。

以上、わんこふの日記でした🐾

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