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有名な人の意見でも疑ってみるべき from エジソンズ・ゲーム

おはようございます、わんこふです。
昨日は映画「エジソンズ・ゲーム」を見ました。

エジソンズ・ゲームはアメリカで1800年代後半に起きた、電力送電システムの違いによる対立、いわゆる電流戦争をテーマにした映画です。

かの有名なトーマス・エジソンは直流送電派、ジョージ・ウェスティングハウスという人は交流送電派でした。どちらが理論的に有利かというと、間違いなくウェスティングハウスの方が有利でした。

なぜなら、交流送電は相互誘導によって比較的簡単に電圧を上げたり下げたりできるため、長い距離でも効率よく電気を運ぶことができたからです。

なぜ長い距離でも効率よく電気を運ぶことができたかというと、まず前提として電圧が高い状態の方が電気を運ぶ途中での損失が少ないので長い距離を送電できます。

ですが、高圧の状態では普通の電化製品に使うことができません。そのため、家庭や工場に届く前には降圧する必要があるのですが、交流送電であればそれが可能なのです(もちろん昇圧して高圧にすることもできます)。

ところが直流送電では交流送電のように簡単に電圧を上げ下げすることはできないので、高圧で送電することができず、短い距離しか送電できませんでした。

しかし、エジソンは白熱電球や蓄音機を発明した功績によって、かなりの名声を獲得しており、直流送電システムによる発電所もたくさん作っていました。

ウェスティングハウスは鉄道車両の空気ブレーキを発明した人で、この人もかなり凄いんですが、エジソンほどの名声は持っていませんでした。

エジソンは強力に直流送電システムを推し進め、交流電流で動物を殺したり、処刑に交流電流による電気いすを採用するように働きかけて、交流送電システムの危険性をアピールしました。いわゆる、ネガティブキャンペーンです。

確かに高圧の電流は危険ですが、十分に注意して扱えば、交流送電システムによる利点の方が遥かに大きいのは間違いありません。しかし、ウェスティングハウスには一つ心配の種がありました。

それは交流電流で動くモーターがないということです。普段モーターはあまり見ないかもしれませんが、実は世界電力消費量の40%~55%はモーターによるものです。それほどモーターの需要が大きいのです。

しかし、ニコラ・テスラという人が交流モーターを発明しており、この特許の権利を買い取ることで、ウェスティングハウスの交流送電システムは完成します。実はテスラは元々エジソンの会社で働いていたのですが、エジソンがテスラの発明を軽んじて認めようとしなかったので決別していたのです。

このような経緯があり、最終的には交流送電システムが世の中に普及することになります。つまり、エジソンは電流戦争に負けたのです。

ウェスティングハウスよりもエジソンの方が有名でしたが、だからと言ってエジソンの方が(送電システムにおいては)正しいわけではありませんでした。

有名な人や権威のある人の言葉はつい盲目的に信じてしまいがちですが、本当にそれは正しいことなのか、一度疑ってみることをおすすめします。

以上、わんこふの日記でした🐾

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