AIの開発は今後も続けるべき
上の記事はイーロン・マスクらが先端AIシステムの開発を6か月間停止するよう呼びかけた事を取り上げたものですが、実はマスクがAIに対して強い危機感を表明するのはこれが初めてではありません。例えば「イーロン・マスク -未来を創る男-」という本の中にはこんな一節があります。
この本の中ではGoogleの創業者ラリー・ペイジがつくるAI軍団に対する不安を語っていますが、今回はOpenAIがつくるAI軍団に強い危機感を抱いているのでしょう。
未来のことを想像して強い危機感を持つというのはマスクの最大の長所であり、「地球温暖化や核戦争によって、もうすぐ地球に住めなくなるんじゃないか」という強い危機感があったからこそテスラやスペースXを立ち上げ、そして素晴らしい製品を作ることができたんだと思います。
ですがAIに対する危機感から先端AIシステムの開発を停止しよう!という今回のマスクの主張には反対です。一度開けてしまったパンドラの箱を元に戻す方法を考えるよりも、AIシステムを発展させるなかで管理方法や活用方法を探る方が現実的だと思います。
そもそもアメリカやアメリカの同盟国の間でAIシステムの開発を禁止したとしても、中国やロシアは開発をやめないでしょう。であれば、AIシステムの開発を今後さらに進めることで人工知能をより深く理解し、制御する方法を学ぶ方が良いように思います。
私はAI自体が脅威になるというよりも、一部の人がAIの活用によって大幅に生産性が上がり、そして社会に価値を提供できない(=生きがいがない)人が続出することの方が心配です。
@わんこふの日記
昨日は「漱石山房記念館」と「印刷博物館」へ行きました。漱石山房記念館は夏目漱石(本名は夏目金之助)の終の住処である漱石山房を再現した展示などがある記念館で、場所は新宿区です。漱石と新宿は縁が深く、生家は新宿区喜久井町の「小倉屋」という現存する酒屋の隣だし、小説中にも神楽坂をはじめとした新宿の地名が多く出てきます。
漱石山房は和洋折衷の平屋建てで、庭の大きな芭蕉(ジャパニーズ・バナナ)の木やモダンなベランダ式回廊が印象深い家です。また漱石の書斎はペルシャ絨毯の上に紫檀の文机があり、文机の周りには本が所狭しと積み上げられているというような状態でした。どのような場所・家に住むか、どんか部屋で作業するかというのは自分のアイデンティティを構築する上で非常に重要だと感じる出来事でした。また、漱石の執筆スタイルも紹介されていたのですが、その展示によると漱石は原稿を書き溜めるのではなく、毎日少しずつ執筆していたようです。村上春樹さんも毎日書く文量を決めて、習慣のようにして執筆しているらしいのですが、文豪と呼ばれるような人は波を作らず毎日淡々と作業をするという共通点があるかもしれないですね。
印刷博物館は凸版印刷という会社の本社ビルの中にあります。凸版印刷を知らない人も多いかと思いますが、実は国内印刷業界2強の一角を占める凄い会社です。そして印刷博物館は想像以上に面白く、例えばグラビア雑誌のもとになったグラビア印刷とはなんぞやとか、凸版と凹版、平版、孔版の違いを知ることができます。
個人的に一番面白かったのはマイクロ本の作り方で、縦横約0.75mmの極小(マイクロ)本の作り方が説明されていたのですが、これを読んでみるとレーザー描写機でフォトマスクを作り、感光剤を塗布した銅版に密着焼付けして、さらに銅版をエッジングする事で凹版を作るらしく、半導体製造と共通するアプローチだったのでとてもワクワクしました。あと「巨人用 進撃の巨人」があってセンスいいなぁと思いました😂
そういえば、おととい行ったアドミュージアムにも昨日行った印刷博物館にも亀倉雄策さんがデザインした1964年のオリンピックポスターがあったのですが、やはり何度見てもカッコいいです!