海外のデジタルノマドたちが日本に長期滞在することによって起こること
日本政府が「デジタルノマド」と呼ばれる人々に長期滞在してもらうための専用ビザの発行を検討しているそうです。ノマド(nomad)というのは英語で「遊牧民」という意味で、その中でも「デジタルノマド」というのは、パソコンやスマホがあれば場所に関わらず働けるような仕事をしながら、世界各地を遊牧民のように渡り歩いている人たちのことです。具体的な職業としては、プログラマーやイラストレーター、オンライン教師、YouTuberなどが挙げられます。このデジタルノマドたちに長期滞在用のビザを発行することを検討している、というのが今回のニュースですが、僕は長期滞在用ビザの発行に大賛成です。
なぜなら、海外のデジタルノマドたちが日本に長期滞在することによって
「日本にお金を落としてくれるから」
「日本の良さを海外に発信してくれるから」
「技術や知識の移転が進むから」
です。
日本にお金を落としてくれるから
デジタルノマドが日本に長期滞在するということは、宿泊費用はもちろんのこと、飲食費、交通費をはじめとしたお金を継続して払ってくれるということです。せっかく日本に来ているわけですから、日本各地の観光地へ繰り出すことも多いでしょうし、高価格帯の料理やサービスも購入してくれる可能性が高いと思います。デジタルノマドの長期滞在による経済効果は大きく、特に地方都市において、新たな消費者としての役割を果たすようになるんじゃないでしょうか。
日本の良さを海外に発信してくれるから
短期的に旅行にくる観光客とは違い、長期滞在するデジタルノマドたちは日本のディープな良さに気がつく機会が多いと思います。ディープな良さというのは、例えば地方の祭りであったり、B級グルメだったり、スナックなどのことです。こういった、あまり発掘されていない日本の良さを、自分の母国語で発信してくれることにより、「日本に来たい!」と思う層がかなり増えると思います。
技術や知識の移転が進むから
デジタルノマドたちが日本に来て働くといっても、オフィスに行って働くとか、毎日ずっと家で働くということは少ないでしょう。おそらく、近所のカフェとか、コワーキングスペースで働くということも多いと思います。そんな時に地元の人と交流が生まれ、デジタルノマドたちにとっては日本への理解が深まる機会になるだろうし、地元の人たちにとっては働き方や、どんなテクノロジー・ビジネスモデルの仕事をしているかという点で、大きな刺激を受けるのではないでしょうか。
ただし課題もある、、
ここまで海外のデジタルノマドたちが日本に滞在するメリットを書いてきましたが、もちろん課題もあります。僕が思う重要な課題は「日本のインフラを使うのに、インフラ整備のためのお金を徴収できない」という点です。
デジタルノマドたちから消費税は徴収できるでしょうが、所得税や住民税を徴収するのは難しいと思います。つまり、水や道路、公共施設などは使うのに、その整備代は十分に徴収できないのです。これを解決するために、宿泊費用に応じた「宿泊税」を徴収したらいいと思います。現在でも観光資源の整備などを目的として、数百円の宿泊税を取られることがありますが、海外から来た人たちに対しては、宿泊費用に比例した宿泊税を取った方が良いと思います。例えば2万円の宿なら、その1割の2千円を宿泊税として取るというイメージです。これを地元の観光資源やインフラの整備に充てることで、持続可能で魅力的な日本になると僕は思います。今日は以上です。