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人工歯根とはなんなのか徹底解説!
1.使用目的
虫歯や歯周病によって永久歯が失われた場合、そのままでは咀嚼に支障をきたしてしまう。また、歯の移動により隙間ができるなど不都合が多い。なので、それを防ぐために人工歯根を使用する。
2.使用方法
歯の欠落した場所の歯槽骨に人工歯根を埋め、その上に義歯を立てる。
3.使われている材料
純チタンやチタン合金からできている。また、ハイドロキシアパタイトを表面に被覆して骨との結合性を高めた人工歯根やフッ素コーディングする事により石灰化などを惹起することで治癒を早めることを目的とした人工歯根がある。
※ハイドロキシアパタイトはリン酸カルシウムの一種で歯と骨の主成分。
4.使われている材料の使用理由
チタンは生体親和性に優れ、骨と直接強固に結合する性質を持っている。また、アレルギーが起きにくく、生体内で長期的に安定しているためチタンが使用されている。
5.他の治療法との比較
永久歯を失った場合には、失われた歯の両隣の歯を支えにしてブリッジと呼ばれる補綴物を設置する治療や入れ歯が利用されてきた。しかし、ブリッジでは両隣の健康な歯まで削りクラウン(歯冠)を被せたりするので本来は好ましい方法ではない。また、入れ歯では本来の歯とは噛み方が変わって周囲の歯に負担をかけることや異物感があること、取り外してのケアが必要なことなど課題が多かった。このような不都合を解決するために人工歯根が利用されている。
6.人工歯根のメリット
天然の歯のような審美性と噛み心地で取り外しの必要がなく異物感が少ない。そして周囲の歯に負担がかからない。
7.人工歯根の課題
高価であり、病原菌からの感染防止に課題がある。
参考文献:堀内孝,村林俊,「医用材料工学」,コロナ社,(2006).