人体の構成元素
人体の大部分は水(H2O)で構成されており、男性で約60~65%、女性で約50~60%を占める。そして体の重量のうち約96%は酸素、炭素、水素、窒素で構成されている。残りの約4%は主に歯や骨にミネラル(Ca,Mg,P)として、または血液や細胞外液に主要な電解質(Na,K,Cl)として存在する。以下の表にこれらの元素の働きをまとめた。
上記の元素以外にも微量元素が存在する。微量元素は身体の適切な成長、発達、生理のために極めて少量(0.01%未満)しか必要とされない元素である。微量元素が少なすぎると、病気になり、さらには罹患や死に至る。以下の表に微量元素の働きをまとめた。
これらの微量元素が欠乏すると様々な症状が起こる。例えば、鉄が欠乏すると貧血になり、銅が欠乏すると白髪の早期発生に繋がる。他にもボロン欠乏によって骨粗鬆症になり、ヨウ素欠乏で甲状腺肥大が引き起こされたりする。しかし量が多過ぎても問題が起きる。例えば過剰なニッケル・クロム・コバルトは接触皮膚炎や内臓疾患を引き起こす。以下の表に微量元素が欠乏もしくは過剰摂取した場合の症状をまとめた。
参考文献:Qizhi Chen & George Thouas,「Biomaterials A Basic Introduction」,CRC Press,(2014).