生活保護への現物支給制の導入について

「生活保護のお金がギャンブルやアルコールに使われないよう、生活困窮者には現金ではなく、食料券(酒類を除く食品と日用品以外は購入できない金券)を配るべきだ。そして医療費だけでなく家賃や学費も国から直接支払い、本人にはできるだけ現金を渡さないほうが良い。」

という意見がありますが、私は反対です。
なぜなら、人には愚行権があり、また政府によって購入品を決めることは市場の自由競争を侵害する行為だと思うからです。

愚行権とは周りから見て愚かな行為だとしても、他者への危害を引き起こさない限り、何をするかは自己決定に委ねられるという権利です。アルコールの摂取は健康を害する行為であり、お酒を飲まない人からしたら愚かな行為かもしれませんが、だからといってお酒の摂取を禁止することはできないはずです。

そして、それは生活困窮者も同じであり、ギャンブルやアルコールにお金を使うことも(愚かな行為に見えたとしても)認めるべきだと思います。アルコールは医療費の増大に繋がるかもしれませんが、それを言い出したら、カップラーメンも清涼飲料水も購入禁止にしなければいけなくなるかもしれません。

また、過度に消費の対象を抑制されれば、万引きの増加などの治安の悪化にも繋がるでしょう。

そして政府によってお金を使う対象を制限するということは、特定の供給者だけを優遇することになるので、自由な市場による競争を侵害することになると思います。どういうことかというと、企業は自社製品の質の向上やマーケティングに力を入れるのではなく、政府が決定する対象商品に選ばれる努力をするようになるかもしれないということです。

これは社会全体の資源配分をゆがませ、国民全体の利益に反する行為だと思います。

以上の理由から、少なくとも自分で意思決定ができる成人の生活困窮者には、生活保護を現物で渡さない方が良いと思います。

以上、わんこふの日記でした🐾

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