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貪ると貧しいは似ている。

ふと漢字が似ているな、と思ったこの日頃。

私が人生最大の体重になったのは大学3年生の4月だった。当時は新しく始めたカフェバイトが上手くいかず、恋人と別れ家族とも折り合いが悪かった。朝からカレーを食べてはカツ丼大盛りランチの後に別腹でデパ地下のケーキを買ってはデザートを食べ、バイト帰りは遅くにビールとつまみを買って家でやけ食い。その間におやつとしてスナック菓子を一度に数袋あけて絶えず食べる生活が続いた。その頃は食べる事がわたしにとっての最大の癒しで、幸せを感じ続けるために、起きている時は文字通り間髪入れずに食べ続けていた。そうしてお腹を満たしたら、眠気で一層気分が良くなる。食べて食べてたべる事だけがわたしの存在を感じる事ができる瞬間だった。お腹いっぱいになって温かいベッドで寝ることは最大で身近な幸せかもしれない。けれど、それが毎日続いたらこれはもう大変だ。みるみるうちに体重が1ヶ月半で約8㎏、大学入学からおよそ10kgも増えてしまったのだった。

** 世界仰天ニュース?**

これはいけない、と目が覚めたのだが空回りした食欲は止められない。たくさん食べて幸せを感じる方法で且つ太らない方法、それは食べ吐き

よくテレビ番組で特集されてるやつだ、と鶴瓶と中居の顔が頭に浮かんだが増えていく体重の恐怖に抗えなかった。すぐネットで方法を調べ実行してみた。
酒飲みの多いサークルに属していると飲み会の時の嘔吐もサクッと自らできると言った友人もいたが、わたしはとても苦労した。アルコールは耐性があるようで、今まで限界まで飲むことは稀だったから。そうして限界まで胃を満たしてはトイレに駆け込む日々だった。

幸いにも当時住んでいた家は一階にも二階にもトイレがあった。なので二階のダイニングで食事を済ませ、一階にある自室に戻るフリをし胃の中のものを出していたことは家族にはバレていなかった。まさか娘が(今思えば)病的な過食だと知られることはとっても怖かったし、いくら父と確執があると言っても心配されると思った。

** 満腹、だけが食事じゃない!**

今思い返せば人生最大デブだったわたしが満たしたかったものはお腹ではなく、心であった。貧しかった心が満足感を得るためにわたしは貪り食べた。しかし食べてもたべても根本的な悩みは解決せずただただ急激に太るばかりで肉割れだけが出来たのだった。

そういえば恋人との別れ際「もっと頼って欲しかった」と言っていた。もしかして友人にも打ち明けていたら、こうにはなっていなかったかもしれない。それからというものの、デザートやご馳走は人と一緒に食べるように自分でルールを作った。人前だとブレーキをきかせる事ができるし、一緒に食べる相手がいるおかげで少ない量でも心を満たす事が出来るからだ。

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