夢ってなんでしたっけ【勝手にリレーエッセイ2023冬】
ありがたく参加させていただきました「勝手にリレーエッセイ2023冬」。
勝手に尊敬しているおもしろエッセイ生命保険外交員イケメン(たぶん)「イトーダーキ」さんの企画です。
なんで僕がこの企画に参加したかといいますと、ダーキさんの「アゴラ」を作りたいという思いに共感したからです。
アゴラについてはコチラ。「古代ギリシャの自由に議論できるコミュニティ」ということで合ってますかね?笑
僕は情報の出し手の中で働いている一方で、情報の受け手でもあります。情報を受けること、発信すること。この2つも大事なんですが、「交信」はもっと大事だと思っています。1つの情報にはいろんな考え方がある。なのに、一部の声の大きい人たちによって、その考えの交信が難しくなっているんじゃないかなと。
僕を含め、何者でもないからこそ情報を元に交信する。そうやって価値観を育めるコミュニティが欲しいな〜と思っています。
あ、すいません。めっちゃ脱線しました(笑)。本題に戻ります。
テーマ:夢の見つけ方、あきらめ方
リレーエッセイということで、恐れ多くもバトンを受け取りました。私は第3走者ということで、第2走者の楓さんから。
楓さんは広告会社に勤務されているということで、ちょっと同業なので勝手に親近感を覚えています(笑)。とても優しい言葉遣いの文章を書かれているんですが、芯が通っている力強さを同時に感じます。
楓さんの好きな記事はコチラ
日記は「記録できる地図」という内容もさることながら、タイトルが秀逸。めっちゃいいコピーです。
そして、今回受け取った記事はコチラ。
特に印象に残ったのが、
という1文。
大きな将来像よりも、目の前のものをよくしたいという衝動。そして好奇心。楓さんの人間性が見えてきます。
対する僕は、読んでいて「割と近い考えのようなそうでもないような・・・」と思いました(なんやねんそれ!)。
ちょっと昔の話をします。結構重い話なので苦手な方はスルーしてください。
僕は2011年のあの大災害で津波の被害を受けました。当時は高校1年生。当日の朝まで普通に暮らしていた家は津波で流され、好きだったペットたちはみんないなくなりました。幸いにも家族の被害はありませんでしたが、周囲は壊滅状態。もう何がなんだかわからず、翌日は津波の爪痕を見て泣くのみでした。
高校1年生というこれから「夢」を考え始めるような時期に、こんな経験をしてしまった僕は「人生はこんなにも一瞬で変わるのか」と。誰も責めることができないし、抗うこともできない。「どうしようもない」ことがただ目の前にありました。
それからは、何か使命感のようなものを抱きながら、地元の大学に進学して、災害について学び続けました。学外では災害ボランティアで同じ境遇にある人の傾聴をするというボランティアに熱中して「自分が災害後の地元」に対してできることを常に考えていました。卒論も災害に関すること。「被災と復興」というテーマで4年間を過ごしました。
その使命感は変わることなく、就職先も地元の新聞社に。「災害後の情報発信と現地でのイベント開催」ができると思って入社しましたが、配属は希望とは異なりました。これがよくもあり悪くもあったんですが、被災地と直接関わる機会が減ったと同時に復興が進んだことによって、被災地に対する意識が薄れてきました。仕事で忙しいというのもあって、実家跡に行くのは3月11日ぐらい。
結局「あれ、自分何がしたいんだっけ?」となっているのが僕の現在地です(笑)。
これを書いていて初めて認識しましたが、僕は「自分主体の夢」を持ったことがないんだなと。
1人の被災者として勝手に「被災地への使命感」を持って生きてきたけど、遠ざかってみるとその使命感が薄れてきた。その使命感がなくなってきたときに、夢とか目標とか、初めて考えるようになってきたのがここ最近です。
使命感そのものを夢と言えるかもしれないんですけど、そういう認識は自分にはなくて。「やらないといけない」と、自己暗示をかけていたような気がします。でも、その自己暗示が解けてしまった。解けたのは幸せなのか不幸なのかどうなんだろうか。
だから、非常に申し訳ないんですが「夢の見つけ方」も「夢のあきらめ方」もさっぱりわかりません(笑)。見つけたこともなければ、ある時点であきらめたこともない、どっちつかずさんです。逆に教えて欲しい!というのが正直なところだったりします。
でも、今現在夢を持つ人を羨んだり、あきらめた人を責めたりすることはありません。
たぶん、僕の根底には「人生にはどうしようもないことがある」というマインドがこびりついているからです。だから、目の前の変化に戸惑わされることはあまりありません。「どうしようもないからこそ、自分が今したいことをする」という考え方です。まあ、肝心の夢は見つけられていないんですが。
遠くの、大きな夢に向かって進むよりも、今したいことをする。多分、これは自己防衛の面もあると思っています。長年積み上げてきた愛着や感情が自然の力で一瞬にして消滅したから。
遠い夢を見て頑張ったとして、一瞬で壊滅したら嫌なんだと思います。そんなの誰でも嫌だとは思うんですけど、「2回目」はもうこりごりなんですよね。
だから今は、目の前の日々に対して、自分が何をしたいのかを見つめ直しています。途方もないですけど、あるはずだった使命感が薄れたいまこれをやっていくしかない状況です。
・・・はい!ごめんなさい長くなりましたし本末転倒なリレーですみません!!
次回走者は「潮永三七萌」さん。
リレーエッセイのテーマが発表された際に潮永さんが書かれたこの記事、めちゃくちゃ好きです。こんなに自分を深く見つめられる人なかなかいないよな・・・と思っています。
そしてその面に甘えて僕も正直な思いを書かせてもらいました。受け取りづらいかもしれませんけど、4×100mリレー日本代表のバトンパス並みに声がけだけはちゃんとします!「ハイッ!」
応援いただけると嬉しいです!