インドの本当の旅は帰国後にはじまる。
この前、ずっと行きたかったインド旅行に行ってきた。
なんでインドなの?って色んな人に言われたけど、『日本と真逆の国』って言われるインドに人生で一度は行ってみたかった。
でも、行ってみたら思ってたよりそんなに衝撃はなかった。
街中に牛はわんさかいるし、ガンジス川には死体が流れていたけど、思ってたほどではなかった。
初めてのインド旅行だったけど、お腹を壊すこともなく、途中日本に帰りたいと思うこともなくけっこう楽しめた。
(たまたま運が良かっただけかな..?)
でも帰国後、ずっと脳裏を離れない。
早朝まだ暗い中、ガンジス川に向かう途中に近寄ってきた物乞いの女の子。
小学校低学年くらいかな。
ずっと近くについてきて何か言ってた。
ヒンドゥー語で全く何を言ってるかわからないけど、私の腕をずっと掴んで離さない。
お金か食べ物をくださいって言ってたんだと思う。
途中、チャイが飲みたくてお店に立ち寄った。
その子もお店までついてきたけど、お店の人がその女の子を追い払った。まるで犬を追い払うみたいに。
その子も負けじと何か言い返してたけど、結局お店の人に追い出されてどこかへ行った。
その後姿は見えなかった。
ガンジス川でボートに乗ったり、タージマハルに行って写真を撮ったり、本場のカレーを食べたりして、念願だったインド旅行はあっという間に終わった。
旅行中、あの女の子を思い出すことはなかった。
でも日本に帰国後、何度も何度も夢に出てきて、脳裏から離れない。
暗い街の中で、じっとこっちを見つめる女の子。
あの時、あの子が何を言っていたのかも、チャイの店員とどんな言葉が交わされてたのかはまるでわからないけど、私はあの子の強さとインドでの生活のハードさ、そして真っ直ぐに人生を生きている人々の力を感じた。
インドでは、物乞いビジネスなるものが横行しているらしく、あの子もそういった組織の一因かもしれないし、本当にお金がなくて困っているのかもわからない。普段どんな生活をしてるのか、これからどんな未来があるのかもわからない。
とにかく、もっともっとインドについて、インドの人々について知りたくなった。
人生に一回行けば充分だろうと思ってたインドだったけど、また行きたくなったし、できるならまたあの子に会いたいと思った。
『インドの本当の旅は帰国後にはじまる。』
誰かがそんなような事言ってた気がするけど、本当だった。