Hims & Hers アマゾン進出で大幅下落。その時私はこう思った。
11月14~15日に、Tele Healthを手掛ける$HIMSの株式が約25%下落しました。
下落の原因は、AmazonがHIMSの展開する薄毛治療、減量薬、勃起不全治療薬といった領域に進出するというニュースが流れたことです。
私も週末を利用して、$HIMSホルダーとしてさまざまなリサーチを行いました。その中で思い浮かんだのが、かつてAmazonがPrimeや動画ストリーミング事業に参入すると報じられた際のNetflixのケースです。
歴史を振り返ると、NetflixはAmazonの脅威に屈することなく業績を伸ばしてきました。
これは、Amazonが動画事業に経営資源を大きく投じたのではなく、Prime会員の価値を高める程度の努力にとどまったこと、そしてNetflixが独自コンテンツに注力し、**「Netflixでしか見られない質の高い作品」**という強力な価値を生み出したことが要因だと考えられます。
つまり、Netflixは長期的な投資によって堀(Moat)を築き上げてきたのです。
一方で、HIMSが展開するテレヘルス事業はどうなるのでしょうか?
HIMSは、セクシャルヘルスに悩む患者にオンライン診療を提供し、処方薬を配送するサービスを展開しています。
オンライン診療のユーザーインターフェースや、患者データを活用した個人最適化ソリューションの提供といった強みがあるかもしれません。しかし、最終的に提供する薬は他社から仕入れるものであり、配送においてもAmazonには及びません(もっとも、定期購読の薬であるため速達性はあまり求められませんが)。
こうした点から、Netflixのように強固なMoatを築くのは難しいのではないかと感じ始めました。
ただし、「Moatがない」と頭で考えても、サービスの使いやすさなどの些細な違いが顧客の選択に影響することもあります。一方で、Amazonが大規模なディスカウントを仕掛けた場合、顧客を奪われる可能性も否定できません。さまざまな思いが頭を巡りました。
そして最終的には、「ここまでMoatについて悩むような銘柄を保有するべきなのか?」と考えるに至りました。
結果として、次の決算を見て、売上、EPSの成長率、ユーザー数の推移などを確認してから判断することにしました。
現在、HIMSは驚異的な業績の成長を見せており、利益も出始めています。
株価変動の激しいグロース株において、「Amazonが参入するから売ろう」といったニュースに動揺していては、投資を続けることは難しいでしょう。今後も、これまでと同様に数字をもとに判断するべきだと考えています。
同様に、最近下落している$NUについても同じです。この銘柄は長らく「バフェット銘柄」として有名でしたが、最近バフェットがポジションを減らしたことで大きく下落しました。
しかし、$NUはブラジル、コロンビア、メキシコで圧倒的な成長を見せるデジタルバンク最大手です。これらの地域ではGDPの成長も期待されており、$NUが築いている地位は大きなポテンシャルを秘めています。
「バフェットが売ったから私も売る」という理由で行動していては、投資は成り立ちません。数字が素晴らしい限り、その成長ポテンシャルを信じてホールドしていきたいと考えています。
以上、駄文ながら、最近考えていたことを共有させていただきました。