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データセンターの領域から投資先を探る
世界のデータセンター市場は堅調な成長を遂げています。
2024年から2032年にかけて、クラウド、AIの大きな需要を受け約11%の複合年間成長率(CAGR)で拡大すると予測されています。
特にハイパースケールデータセンターは、クラウドベースのアプリケーション(セールスフォースやサービスナウなど)、メディアコンテンツ配信(Youtubeやネットフリックスなど)、スケーラブルなインフラストラクチャの増加により、年間13%の成長率で拡大すると予想されています。
中でもアメリカのデータセンターの成長は顕著で世界の他の国のデータセンターの総和を超えています。
There are more data centers in the US than in all other major countries combined! pic.twitter.com/ruhSPgtPU4
— Shyam Sankar (@ssankar) December 6, 2024
データセンターの拡大と共に恩恵を受ける分野
データセンターの増加と共に恩恵を受ける分野はどこでしょうか?
ゴールドラッシュの時にツルハシやジーンズが売れたようにデータセンターの拡大とともに恩恵を受ける企業を探ってみたいと思います。
1. データセンターのインフラ
まずはデータセンターのインフラです。ここにはサーバーに加え、計算能力の増加とともに熱を発生させるサーバーを液冷で冷やす冷却システム、データセンターが24/365止まらずに稼働するようにするためのバックアップ電源ソリューションなどがあります。
主な構成要素: サーバー、冷却システム、電源分配ユニット、バックアップ電源ソリューション
主要企業:
サーバー: Dell Technologies、Hewlett Packard Enterprise (HPE)、Lenovo、SuperMicroComputer
電源ソリューション: Eaton(アイルランド本社の米国企業)、Schneider Electric(フランス企業)、Vertiv
冷却システム: Vertiv、Stulz、Schneider Electric、Dover
この分野でサーバーは競争が激しく、MOATが低いと私は思っています。
冷却システムも同じです。一方、データセンターの電力マネジメントの分野では主要プレイヤーが少なくEatonとSchneider(フランス企業)がありますが、Eatonは米国企業で良い位置にいます。
データセンターが増えれば増えるほど需要があり、電力を使えば使うほど電力マネジメントが求められます。Vertivも注目です。
私はEatonのホルダーです。ちょっと割高感がありますが今後大きく下げることがあれば買い増したい企業です。大きなトレンドの中にいるので長期的な成長が見込めます。
2. 半導体およびAIチップ
データセンター関連で一番活況なエリアです。AIを活用すると様々なことができますが、私が”これは”と思ったのは
Googleの社内のコードの1/4はAIが既に書いています。内訳はAIがコードを提案し、人間が承認するという感じだそうです。Google、Metaの従業員数は数年間右肩上がりでしたが、今は減少しています。
その他デジタルツインも含めとにかく人、作業の無駄、シミュレーションなどあらゆるところで工数を削減、質の向上が見込め、企業の構造を根本から変え業績にとんでもない影響を与えると私は期待しています。
主な構成要素: データ処理用のCPU、GPU、アクセラレーター
恩恵を受ける企業: 高性能プロセッサーを製造する半導体メーカー
主要企業:
AIチップ: Nvidia、AMD、Intel
メモリ: Samsung、Micron、SK Hynix
Nvidiaの成長は誰もが知るところですがクラインド企業はNvidia依存を避けるためAMDも使っています。ただ、Nvidiaのチップの方が高いですが計算能力は5倍あると言われており結果としてNvidiaを買った方が安いとも言われておりAMDはNvidiaと肩を並べるほどの競合ではないことは事実です。
またデータセンター向けのCPUにARMベースのチップも多く採用されています。企業がARMと同じ設計を自社で行おうとすれば設計部隊を作り数年研究が必要です。ARMの設計図を購入すると1枚あたり数円〜数十円の支払いで最新で省電力の設計図を手に入れられCPU全体の開発期間を短縮できます。ARMにも投資妙味があります。
メモリについてはGPUについてくるものであり需要はGPUに連動するものです。私はメモリではなく需要のど真ん中のGPUに投資をすれば良いかなと思っています。
私はNVDA、AMD、ARMはホルダーです。
3. クラウドおよびソフトウェアサービス
主な構成要素: クラウドプラットフォーム、仮想化、データ分析ソフトウェア
恩恵を受ける企業: クラウドプロバイダーやSaaS企業
主要企業:
クラウドサービス: Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)
巨大テックは自社、またはクラウドサービスを通じて他社にAI、クラウドサービスを提供しています。
Amazon,Microsoft,Googleそれぞれホルダーです。
4. ネットワーキングと接続性
主な構成要素: ネットワーク機器、光ファイバー、通信技術
恩恵を受ける企業: ネットワーク機器メーカーや通信事業者
主要企業:
ネットワーク: Cisco Systems、Juniper Networks、Arista Networks
光ファイバー: Corning、Ciena、Nokia
Arista Networksなんかは気になりますが正直概要を調べきれずデータセンター関連は十分銘柄を保有しているので、この分野の株は保有していません。
5. セキュリティソリューション
主な構成要素: サイバーセキュリティソフトウェア、ハードウェアセキュリティモジュール、物理的セキュリティシステム
恩恵を受ける企業: データの整合性やコンプライアンスを保護する企業
主要企業:
サイバーセキュリティ: Palo Alto Networks、Fortinet、CrowdStrike
物理的セキュリティ: Johnson Controls、Honeywell
データがクラウドに置かれれば置かれるほどサイバーセキュリティ投資は増えていきます。セキュリティー投資が下がることはないと思います。
私は、CrowdStrikeには投資しています。Palo Altoとセットで保有しておくのも良いと思います。
その他、不動産、エネルギーなどがありますが、MOATがある企業は少なく投資妙味はないとみています。