Resoniteの自作アバター制作メモ
どうも、萬朶櫻です。
去年の10月からResoniteを毎日やってゐて、チュートリアルワールドで見かけたフリーアバターの結月ゆかりをずっと使ってゐました。
いつしか、オリジナルのアバターを作って着てみたいと思ふやうになり、今年の2月頃から作り始めて、4月の下旬に完成しました。
折角なので、制作メモを殘しておきます。
作品づくりに關する前提
筆者スペック
3DCG
Blender使用。blender系YouTuberのびび氏の講座で基本操作は覺えてゐる
小物類は作つたことがある
人物は作つたことがない
イラスト
CLIP STUDIO PAINT・Photoshop使へる
畫力はこれくらゐ
出來たもの
制作期間:2024年2月12日~2024年4月28日 約2ヶ月
Blender工程で參考にしたもの
mmCGチャンネル animetic(YouTube)
人物は初めてなので、大いに參考になつた。バージョンが異なる(筆者は4.1以降)が、操作感に違ひは感じなかつた。以下所感。
參考になる
モデリング
UV・テクスチャ關係
ウエイト關係
參考にならない
シェーダー
リギング
【參考になると思つた所】
モデリングは、一般的な女性型アバターであれば、基本的に動畫の通りに作ればよい。動畫では、參照畫像がアニメのスクリーンショットしか無く、平均的な人體構造からの推測に頼ってモデリングしてゐるが、最初から繪が描ける者であれば、この勞を免れ得るだらう。
衣裳に關しては、自分のアバターがセーラー服風で、動畫の作例と似てゐたため、ある程度參考になつた。ブレザーや和服など、作例と異なる衣裳を志向するなら、別の動畫を探さう。
UVは、シームの入れ方が參考になつたが、最終的には市販アバターのシームを取り入れた。
テクスチャは、動畫ではBlender内のペイント機能で塗ってゐたが、自分でイラストが描けるなら、UV配置を畫像出力して、それを基にCLIP STUDIOなどで濟ませるとよい。
ウエイト關係は、自動ウエイト・データ轉送・ウエイトペイントなど、知見が得られた。
【參考にならないと思つた所】
シェーダー・マテリアルは、Resonite側で設定できるので、飛ばしてよいと思ふ。
特にボーンに關しては、動畫で紹介されてゐる作り方と、Resoniteで要求される仕樣とが異なるため、全くの徒勞に終はり、數日分の作業がふりだしに戻るハメになる(1敗)。詳しくは後述。
他にも物理演算などは、Resonite側で設定可能なので、Blender側で設定しなくてよい。
ふさこ / 3D自習室
主にシェイプキーで參考にした。他にはドロワーズ(かぼちゃパンツ)のモデリングで參考にした。
その他
人物アバターの全體的な參考として、時に以下を分解研究した。
ヒダのあるスカートのモデリング
襟の部分のウエイト。塗りに關しては參考になったが、納得できる動きは得られなかつた。
氣づいたところ・躓いたところ
頭と身體との分離
VRSNS界隈では、アバター改變の一環として、異なるアバターの頭をすげ替へることがあるらしい。
そのため、頭と身體とはメッシュ・UVともに分離しておいた方がよい。これは參考のため購入したモデルを觀察して氣づいたことである。上述のmmCGチャンネルではこれらを統合してゐた。
今囘制作のアバターは自分專用とするつもりなので統合してもよかったが、折角なので分けておいた。今後頒布するなら必須であらう。
髮や服のソリッド化(厚み付け)は基本的に不要
3Dモデルは、ポリゴンの裏面は基本的に描畫されない。そのため、普通にモデリングした場合、袖やスカートの内側は透明になる。
Blenderのモディファイア「ソリッド化」等で裏面も作りたくなるが、Resonite側のマテリアル設定(Culling)にて「裏面も描畫」が可能である。
ゆゑに厚手のコートなど、よほどの場合を除いて裏面まで氣にしなくてよい。以下、參考記事。
髮も同樣だが、今囘は表面と裏面とで色が異なるデザインのため、兩面をモデリングした。
ボーン關係(いちばんヤバかった)
Resoniteでは、ボーン名に決まりがある(ある程度の表記搖れは許容される)
Resoniteでは、ボーン階層に決まりがある
Resoniteでは、コンストレイントが非對應である
このため、前述のYouTube講座でそれを知らずにリギングを最後まで行なってしまひ、Resoniteに入れる段になって以下のエラーに遭遇した。
結果的にリギングをやり直すハメになった。
そのため、ボーン作成の手順や、メッシュとアーマチュアを親子化する方法など、原理原則の所だけを見るに留めるべきである。
なほ、Resoniteで要求されるボーンの仕樣(ボーン名や階層構造)は、以下の公式Wikiを見よ。
他にも、髮の毛やスカートなどの搖れ物の搖らし方は、以下を參考にした。
書き出し時にアーマチュア以外のモディファイアを全て適用しておく
忘れがち。
Resonite側でシェイプキーを認識させる方法
Resonite側での作業。インスペクターを開き、シェイプキーを付けたメッシュ全てをROOT直下に出しておく。
デフォルトでは、ほぼ全てのメッシュがアーマチュア内に格納されてゐる。かうしないと表情セットアップツールがシェイプキーを認識しない。逆にシェイプキーに關係ないメッシュは、恐らくアーマチュア内に入れてもよい。
次回改善したいところ
今囘の制作では、とにかく完成させることに主眼をおいてゐたため、幾つかの妥協と多くの課題が得られた。次囘では克服したい。
モデリング・メッシュ篇
【表情全般】
頬染めや汗など、他にもハート目などの特殊な表情も實裝したい。
【目について】
瞼。造形が雜。市販モデルの研究を要す。上瞼本體は、斷面圖が四角形になるやうに造形したが、三角形の方が良ささう。
また、瞼の上部と側部、および撥ね毛の部分は分離した方が良い。
分離しておくと、トポロジーが單純化できる上にシェイプキーの設定が用意になると思はれる。
【口】
口の分割はもう少し細かくすべきか。(シェイプキーで口角の上げ下げがしづらかつた)(それとも細分化適用後に調整すべきか)
【身體】
ヘソはメッシュで作るべき。テクスチャで何とかなると思ったが、完成してみると平面的で退屈感があった。
うなじの生え際は、今囘は餘裕が無くて作らなかった。普段はここに住んでゐるので、次囘は作りたい。
首はもう少し短くても良かった(?)。Blenderの表示では丁度良かったが、Resoniteでは長すぎるやうに見えた。
その他、リギングの工程を意識したトポロジー作りを心がけたい。
UV・テクスチャ篇
【爪】
市販アバターでは、爪はUVで分離されてゐた。恐らく爪の色を簡單に變更するためと思はれる。次囘はこれに倣ふ。
【ミラーとUV・テクスチャ】
ミラーモディファイアの適用點時については、この記事を參考に、最終盤のシェイプキーの工程まで保持し續けてゐた。
しかし(作業の手間が増大することと引き換へに)表現の幅が擴がるので、身體・衣裳いづれもUV展開前に適用してしまった方が良ささうに思はれた。
たとへば衣裳について、今囘の制作では、非對稱の柄を想定してゐたにも拘らず、ミラーモディファイア未適用で作業を進めたため、いくつかのデザインで妥協せざるを得なくなつた。
身體にしても、たとへば片腕だけに刺青を入れるとか、太腿に任意の漢字を書き込むとか、さういふ表現を考へるならモディファイアを適用しておいた方が良い。
また、Blender内では問題ないが、出力するとミラーの反轉面やシームの切れ目に白い筋が見えることがある。後者はともかく、前者はUV前にミラーモディファイアを適用すると避けられると思はれる。
【髮の毛】
それぞれのUV四角面は、高さが同じになるやうに配置する(また、豫めモデリング時にも四角面のサイズを考慮しておく)。
さうしないと影や光(いはゆる天使の輪)を入れる時にずれるので、その調整に手間がかかる。
【齒】
白い齒が浮いた感じだったので、奧齒に行くほど色がだんだんフェードアウト(口腔の色と同じになる)するやうな表現にする。
リギング・ウエイト篇
【袖のメッシュが肘の部分で突き拔ける】
いちわう補助ボーンを入れるなどしたが、突き拔けが見られた。
肌と布との距離を近めにして作つたので、次囘は距離を空けて作ってみる。
【スカートが足を突き抜ける】
既述の通り、Resoniteではコンストレイントが未對應であること等から、恐らくどうしやうも無い。
Blender側にてリギング・ウエイトを工夫すべきか。たとへば、ボーンで搖らすのを諦めて(=搖れ物ボーンを設定せずに)、足のボーンに追從させる(=太腿(Upper Leg)の頂點グループにウエイトを乘せる)など。
【腋のあたりの襟がカクつく】
對處法は不明。この手の衣裳が好きなのでこのやうな擧動は許しがたい。上記と同じ理由から、解決は不可能か。
シェイプキー篇
【ジト目は最初からジト目でモデリングしておく】
制作開始時には目をパッチリ開いた表情をデフォルトとしてゐたが、途中からジト目をデフォルトにしたくなった。そこで、ジト目のシェイプキー(パッチリ→ジト目)を作って、Resonite内ではそれを最大値にする運用としてゐた。
しかし、それだと瞬きさせた時に破綻することが判った。そのため、目の形(パッチリ目かジト目か、ツリ目かタレ目かなど)は最初からしっかり決めてモデリングするとよい。
あるいは、汎く頒布するなら、それぞれの目の形に應じた瞬きシェイプキーを作るべきかも知れない。
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