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おれはデモンズソウルリメイクが、もはや自撮りが楽しくて仕方がないアプリとしか思えなくなってきている。

<ラトリアの石を見上げる筆者>

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塔のラトリア
「かつて女王の一族が建設した象牙の塔。しかし、ある老人の復讐によって女王の一族は囚われの身となり、塔は魔物の巣窟と化している。」

今日は塔のラトリア2層「塔のラトリア上部」を攻略した。

腐れ谷もたいていひどいが、塔のラトリアも相当な鬱マップだ。

まず、第1層が「希望の牢」という名の、薄暗い牢獄から始まる。廊下を進んでいくと、頭がタコみたいな看守が問答無用で魔法をぶっ放して、Newbieをぶっ殺しにかかってくるし、牢獄にとらわれている連中も、哀れなやつかと思いきや、ほとんどのやつは既にソウルを失っていて、牢を開けてあげても隙を見せたら襲い掛かってくる始末。とかく油断がならないのである。どちらかというと絶望のほうが多い。

<塔上部でなんらかのソウル的なものを供給している奴隷さんと>

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なんか敵対しているソルジャーとか、完全に人間じゃなさそうなやつとかを倒すのは、あんまり気にならないんだが、希望の牢にとらわれている感じの敵キャラは、ちょうど人間扱いしていいかどうか微妙な存在で、地味にプレイヤーの神経を削ってくる。1層はそんなステージだった。

そんな鬱マップラトリアの第2層「ラトリア上部」は、希望の牢ほどメンタルにグイグイ来るわけでは無いが、上部というだけあって、落下の危険を常に考えながら進まなければならないダンジョンとなっている。

<眺めはいい。眺めだけは>

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デモンズソウルは、というかソウル的なゲームはだいたいそうだと思うが、アクションRPGのくせに、マリオ式リスタートをさせられるという特徴がある。つまり、死ぬとエリアのスタート地点からやり直しになるのだ。敵もほとんどが再配置される。

そんな中、敵の数が多い、とか、敵が強い、というやつと同等以上にプレイヤーに圧を感じさせるのが、落ちると死ぬ、というパターンである。

視点の近いTPS、FPSゲーにありがちなシステムとして、標的ロックオンがある。3Dのゲームは、自キャラ操作とカメラ操作の両方を適切に行わないと、敵に攻撃を加えたり、敵のモーションを見て攻撃をよけたりといったことが難しくなる。

視点が固定されている2Dのゲーム・・・例えば、横スクロールや方角固定の見下ろし・・・の場合、方向指定キーの入力はプレイヤーが見ている画面の縦横とほとんどの場合同じである。しかし、3Dゲームの場合は、カメラ方向との相対関係でキー入力と移動方向が定まるケースがほとんど(そうじゃないと直感的に操作しずらいと思う)であり、3D空間を適切に移動しようと思うと、現在のカメラ方向に応じてキャラへの移動指示をうまくコントロールしてやらなければならない。

<背後から圧を感じる筆者>

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そうなると、アクションが複雑であると、カメラワークにまでリソースを配分するのは結構難易度が高い。単純に移動するだけではなく、敵のモーションを観察し、攻撃を回避したり、こちらの攻撃が加えられるように間合いや方向を調節する必要もあるため、戦闘を行う場合の自キャラ位置の調整はかなり繊細だからである。そのプレイヤー負担を軽減するために考案され、広く用いられているのが標的ロックオンシステムである。

概ね、標的ロックオンといった場合、ターゲットしているオブジェクトというか敵を画面正面にとらえるように、カメラ位置が自動調整されるシステムを言う。広い平面で戦闘する場合、このシステムにより、プレイヤーは、敵キャラクターとのじゃんけん的な駆け引きに集中できる。前後方向は敵との距離、左右方向は敵を中心とした円移動となり、カメラワークという一つのタスクをほとんど無視できるわけだ。

しかし、足場が悪いとなってくるとまた話は別である。落下の危険のある狭い通路で敵と対峙する場合、例えば、敵の攻撃を回避するために、すばやく後ろに下がる、という動作が命取りとなる可能性がある。常に周囲に安全なスペースがあるかどうかを考えて行動しなければならない。その場合、標的ロックオンの自動的なカメラ移動が、むしろフィールドの状況を把握するうえで、枷となってしまうケースがある。

ラトリア上部は、足場が狭いという特徴により、敵動作へのフォーカスと、足場をはじめとする周囲の環境の把握という2つのタスクを良いバランスで解決することをプレイヤーに求めるマップだ。なお、たちの悪いことに、狭い橋のような場所で出てくる敵は、大抵飛ぶのだ。素早く飛翔する奴を手動のカメラで追うのは、ゲーム慣れしていても結構難しい。ロックオンに頼りたくなる。しかし、そうして上を見てしまうと、足元が全然見えないのだ。そして、足元ばっかりを見ていて敵を見失うと、思わぬところから攻撃を受け、ノックバックにより落下死する。というわけだ。

<クッソ狭い足場>

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その分、ラトリア上部の敵の攻撃はさほど複雑ではなく、このゲームで言えば回避や防御は容易なほうである。要するに、そんなに敵に集中してなくても何とかなるけど、その分、足場とか立ち位置とかに気を使ってくださいね、ということだ。絶妙なレベルデザインと言えるだろう。

ただ、敵の攻撃は、防御によりダメージを軽減し、回復アイテムを使用して挽回するなど、いくらか対処のしようというものがある。しかし、落下死は、アッーと思った時にはもうゲームオーバーである。この緊張感はやはり侮りがたい。落ちなくても、ヒヤリとする瞬間が多数あることが、徐々にプレイヤーの平常心を奪ってくるのだ。自キャラ、カメラ以上に、メンタルのコントロールが重要。そんなマップだとも言える。

<飛ぶ石像に勝利し、ソウルを頂戴する筆者>

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ちなみに、ラトリア2層のボス、マンイーターは、みためはサルだが、狭い橋の上で戦う上に、ノックバックつきの素早い突進、飛翔による移動、魔法による遠隔攻撃に加え、時間経過により2号が登場し、複数の敵を相手にしなければならなくなるためスピードも要求される、などと、プレイヤーの判断力の限界を攻め立ててくる凶悪な敵となっている。さいあくだ。

<飛翔するサル、マンイーター。魔術も使う>

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そんなタフなラトリアであるが、PS5のグラにより、見ごたえの面でもなかなかのMAPとなっている。やはり、風景という面では、洞窟とかよりは開けた空間のほうが断然良いのだ。昨今のゲームに搭載されがちなフォトモード。何それおいしいの?と、自分も昔は思っていたが、グラフィックの水準がここまでくると、やってみると非常に楽しいものだ。

<塔の根元はやたらとジメジメしている>

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映える画になれた現代人にとって、フォトジェニックな瞬間をとらえ、共有するという楽しみは、なかなか抗いがたいものがある。自分も、隙あらば今日の最高の一枚を探すことに相当な時間を使ってしまっている。

<得体のしれない肉塊と>

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そうやって集めた写真をプレイ後に振り返ってみると、こんなシビアなコンディションで、おまえ、なに自撮りとか楽しんじゃってんの?という風情になっていて、これはこれで面白い。なんかこの辺はキャラデザとか、フォトモードに搭載された無駄なポージング機能とか、そういうものが悪さをしているようにも思うが、結果的に、なんかこの主人公わきまえてなくね?といった感じで、なかなかシュールな仕上がりとなってしまうのが、なんとも言えず、良いのだ。

<なぜこんなところにオシャレなランプを>

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PS5は、そういったスクリーンショットやプレイ動画をいともたやすく保存し、なんならwebに投げたりといったことも非常に容易だ。これはこれで遊びに新しい幅をもたらしてくれる。緻密にデザインされたゲームであればあるほど、フォトモードやスタイリッシュな動画の生成は、ゲームに魅力をプラスする要素として重要になってくるだろう。

そんなことを考えながら、プレイの結構な時間を自撮りに費やしてしまう昨今である。楽しい。

<都合3回ほどやり直したが、マンイーターを打倒した>

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