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【フェリー乗船記】パタゴニア プンタ・アレーナス〜プエルト・ウィリアムズ

2024年12月にチリのプンタ・アレーナス〜プエルト・ウィリアムズ間のフェリーに乗った記録です。

基本情報

航行ルート

・出発地(出発時刻):チリ、プンタ・アレーナス(18:00)
・到着地(到着時刻):チリ、プエルト・ウィリアムズ(翌々日2:00)

・乗船時間:32時間

・運行会社:TABSA(Transbordadora Austral Broom S.A.)

・料金:
外国人料金 大人1名
Pasajero Asiento Pullman(エコノミー) CLP143,000(約22,200円)
Pasajero Asiento Cama(ビジネス) CLP195,000(約30,300円)

・予約:TABSA公式サイト

乗った日

2024年12月19日〜12月21日

フェリーターミナルまでの行き方

フェリーターミナルはプンタ・アレーナスの中心部から離れたTres Puentesという地区にあり、バスかタクシーで向かう必要があります

町の中心部にもフェリーが発着する埠頭があり、GoogleMapでも「プンタ・アレーナスープエルト・ウィリアムズ」と書かれた航路が表示されていますが、今回紹介するTABSAのフェリーについては、ここではなく上記リンクのターミナルから発着するため注意が必要です。

行き方
⚫︎タクシー
・Uber使用可能、町の中心地からだと13分、800円程

⚫︎路線バス
・フェリーターミナル行きの専用シャトル等は無し
路線バスの2番か5番で乗り換え無しで行けます
・バス路線はGoogleMapで確認可能
・私はバス停「Av. Independencia esq. Jose Nogueira」から乗りました。2、5番以外のバスも停まります。バス正面上部の電光掲示板の左端に路線番号が書いてあります。
・バス停「(Parada Ficticia) Av. Manuel Bulnes esq. Av. Costanera del Estrecho」が最寄りで、そこからターミナルまで徒歩約10分
・町中を大回りするルートのため乗車時間約30分
・料金1人CLP370(約58円)
現金のみ、高額紙幣でなければお釣りも貰えます

・前のドアから乗車し、ドライバーにお金を払い乗車券を貰います。降りるバス停が近づいたら車内のボタンを押します。実際はバス停関係なく、ボタンを押した時点で止まってくれるので、GoogelMapを見ながらターミナルに一番近づいたタイミングで押すと良いかもしれません。

バス停「Av. Independencia esq. Jose Nogueira」
時刻表等は無し
路線バス

フェリーターミナル

チェックインカウンター、待合スペース、無料トイレ、カフェがあります。

乗船の流れ

チェックインは出航2時間前の16時から開始。チェックインカウンターで予約確認書のPDFをスマホで見せると紙のチケットを渡されます。ここではパスポートの掲示は不要でした。

チェックインカウンター

チェックインを終えると、すぐにフェリーへ案内されました。乗客専用の乗船口は無く、車両と同じ入り口から乗り込んでいきます。既に乗船は開始されており、2階の客席へ続く階段前に列ができていました。ここでチケットの確認が行われますが、パスポート等身分証の確認はありませんでした。また、大きな荷物は飛行機のように預けておくことができます。荷物を預けた場合、引換用のチケットを渡されます。

Kaweskar

座席・船内設備

Pasajero Asiento Pullman(エコノミー)の座席

こちらがPasajero Asiento Pullman(エコノミー)の座席。南米の長距離バスの座席と同じ感じで、リクライニングができ、おなじみのあの足置きも付いています。USBの充電ポートがありますが、充電はできません。
エコノミーで窓側に配置されいるのは右舷の4席のみのため、確保したい場合は早めの予約が必要です。

Pasajero Asiento Cama(ビジネス)の座席

Pasajero Asiento Cama(ビジネス)シートは全て左舷窓側に配置されており、ほぼフルフラットになります。

座席からの眺め

通路は広く確保されており、客室エリアは広々とした印象です。各島の最前列は足置きとテーブルが無く、プライベート感も無いため、2列目以降の方が良いと思います。

共用スペース

右舷窓側のエコノミー席の後ろは共用スペースとなっています。

食堂兼共用スペース

客室階の前方中央が食堂で、食事の時間帯以外も自由に使用できます。

充電スペース

各座席で充電ができない代わりに、共用スペースの船首側にUSBポートが大量に設けられています。一部コンセント(チリタイプ)もあります。油断は禁物とはいえ、盗難の心配はほぼ無さそうな雰囲気でした。多くの人がスマホ、中には一眼までも放置している感じでした。

ドリンクバー

乗船中は、水とフルーツジュースが飲み放題です。随時補充されるので、早朝を除いて空になることもありませんでした。紙コップも用意されています。

トイレ・洗面台
トイレ個室

トイレは客席フロア後方にあります。ペーパー、石鹸、ペーパータオル完備で、こまめに清掃され清潔に保たれています。個室の扉は、揺れで暴れるのを防ぐために上部にロックが付いています。

キッズルーム

キッズルームもありました。小さな子供連れの家族も乗船していました。

乗船記録

12/19 16:30 乗船
今回乗った船は、しげ旅さんが乗っていたYaghan号ではなく、Kaweskarという船でした。Yaghan号より大きく、定員は3倍以上はありそうです。Yaghan号も隣に停泊しており、2時間程早く出港していきました。
参考動画:https://youtu.be/stYvz_loJ4A?si=e_JC2VmJ2FkpCOXX

18:11 出航
出航と同時に1回目の食事が提供開始されます。食事はトレーに配膳される給食スタイルで提供されます。乗船率は5〜6割なので、食事の時間でも食堂スペースは満席になることはなく、場所の確保に苦戦するということはありませんでした。内容はメイン、スープ、パン、デザート(果物)で、パンは各自で取り放題です。味は船内で提供されるものとしては十分美味しいと思いました。

配膳の様子
夕食(1回目)

18:55 映画上映
夕食後には客席フロアにたくさん設置されてあるモニターで映画が流れ始めます。南米の多くのバスとは違い、高画質でした。作品は『デューン 砂の惑星 PART2』。

21:40 消灯
客席フロアは消灯されますが、12月のパタゴニアは23時頃までは明るいです。食堂エリアの照明は朝まで点いたままでした。船内は暖房が効いていますが、寝ると寒くなってくるのでブランケットを貰っておいた方が良いです。スタッフに言えば貰えます。

23時前の明るさ

12/20
7:00 起床

熟睡とまではいきませんが、それなりに快適に眠ることができました。朝は外海を航行しており、ルートの中でも最も波が高いタイミングでした。前方のデッキまで波が押し寄せてくる程でしたが、船内はそこまで揺れは感じませんでした。

8:25 朝食
朝食はハムチーズサンドイッチ、ヨーグルト、スナックでした。

朝食

外海を抜けると、再び狭く入り組んだフィヨルドの中を航行していきます。長い航行時間ですが、常に進路の両側に美しい地形を眺めることができます。北欧やスコットランドのような、極地特有の岩肌と雪化粧をした山々は眺めていて飽きることがありません。

12:00 昼食
外の景色を眺める以外にやることは無いので、ご飯は大きなイベントです。だいたい何食分かは余っているようなので、おかわりも可能です。

昼食

14:00 謎の停船
アナウンスが流れ、停船。スペイン語なので、内容は理解できず、他の人達が続々とデッキへ出て行ったので、クジラやイルカが現れたのかと勝手に思い込んでいました。船は30分程停まったままでしたが、見渡す限り生き物の気配はありませんでした。それでも、360度美しい景色が広がっています。

進行方向から別の船が向かってきたので、どうやら停船したのは行き違いのためのようでした。

断続的に雨が降ってきましたが、概ね天気は良い方だったと思います。デッキに出ているととても寒いですが、パタゴニアの島々の景色がとめど無く両側から流れてくるので、なかなか船内に戻ることができません。ダウンの上からレインウェアを重ね着して、できる限りデッキに留まります。

18:00 Romanche氷河を通過
この航路の中でも大きな見どころのRomanche氷河が近づいてきました。しかし、このままだと夕食の時間と丸かぶりしてしまいそうです。予想通り、氷河を通過する直前で夕食の配膳の列ができ始めました。団子より花、夕食より氷河なので、私はカメラを持ってデッキに向かいます。他にも何人かは、この機会を待っていたようでした。

Romanche氷河

18:15 夕食
次の氷河まではまだ少し時間がありそうなので、一度船内へ戻り夕食にします。並ぶのが遅れたからといって、ご飯が食べられないということはありません。この船最後の食事を楽しみます。

夕食(2回目)

18:50 Italia氷河、Frances氷河を通過
夕食後は次の氷河を見るためにすぐにデッキへ戻ります。Italia氷河、Frances氷河が連続して現れます。先程よりも多くの人たちがデッキで景色を楽しんでいました。

Italia氷河
Frances氷河

20:55 Yendegaiaへ寄港
この航路で唯一の寄港地、Yendegaiaへ到着しました。停泊時間は10分ほどで、大きな荷物の積み下ろしも無く、港に駐在している警備隊的な人が船に乗り込み、すぐに降りて行っただけでした。

Yendegaiaへの寄港
Yendegaia

Yendegaiaを出航してすぐに、また人々がデッキへと駆け出していきました。今度ことクジラが見れるのかと期待しましたが、結局何も見つけることはできませんでした。それでも相変わらず周囲の景色は美しいです。

23:00 Ushuaiaを通過
遠くにアルゼンチン側の大きな街、Ushuaiaの灯りが見えます。Ushuaiaへはナバリノ島のハイキング後、ボートで向かいます。

12/21
1:00 Puerto Williams到着

予定より1時間早く、Puerto Williamsへ到着しました。外の気温は2℃で、フェリーターミナルの待合所も無いので、宿に向かうしかありません。

Puerto Williams

今回はHotel Forjadores del Cabo de Hornosに宿泊しました。翌日からの予約でしたが、到着した日から宿泊できました。アーリーチェックイン扱いにならないか期待しましたが、しっかり1泊分の料金を支払いました。1泊約15,000円と高額ですが、朝食用のパンや飲み物が常に食べ放題だったので、物価の高い島ではありがたかったです。Puerto Williamsでは宿の選択肢は限られていますが、AirBnBで探すともう少し安い宿もありました。

Hotel Forjadores del Cabo de Hornos

この宿で3泊滞在後、Dientes de Navarino Circuitを歩きます。

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