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これからの学校教育、どう変わる?【後編】 次の学習指導要領見すえ、文科省会議で意見交換
これからの教育課程や学習指導、学習評価などの在り方を議論する有識者会議が、文部科学省にて先日開かれました。
【前編】はこちら。
【後編】では、学習指導要領について委員より出された意見を紹介します。
学習指導要領、最新版には初の「前文」付帯
約10年ごとに改訂される学習指導要領。
現行の学習指導要領は、幼稚園および小中学校が2017年、高等学校が2018年に改訂されたものです。
また、現行の学習指導要領より
その理念を明文化した「前文」が付帯されるようになりました。
そこには
「1人ひとりの児童が、自分のよさや可能性を認識するとともに
あらゆる他者を価値のある存在として尊重し
多様な人々と協働しながら、様々な社会的変化を乗り越え
豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる
ことができるようにすることが、求められる」
等の文言が書き込まれています(小学校の学習指導要領前文より抜粋)。
「理念を評価」の声多数。課題は「周知&実践」
現行の学習指導要領に対しては
「前文と総則は大変よくできている」
「学習指導要領の哲学(理念、育成を目指す資質・能力)は評価している」
など、好意的な見方が大半でした。
その上で
「《社会に開かれた教育課程》
《教科横断的な視点を重視したカリキュラム・マネジメント》
《主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善》
などの優れたコンセプトを、絵に描いた餅で終わらせるのではなく、着実に定着させていくことが肝要」
「哲学は評価できるものの、問題は、その普及や理解が十分ではないこと」
「指導要領の趣旨を再確認して徹底し、充実させることがポイント」
といった意見が挙がりました。
学習指導要領をめぐる当面の課題は、その着実な実施というのが共通認識のようです。
更に、20年代後半と見られる次期改訂に向けては
「学習指導要領の基本的なコンセプトを変えるのではなく、それを実装するためにはどうすればよいのか、を考えるべき」
「理念のような大枠を変える必要はない。精緻化して、充実させるのが大切」
といった方向性が出されました。
内容の追加・削減…その根拠はどこ?
また、ある委員は次の学習指導要領の改訂に向けて
「内容の追加と削減を巡る問題が、議論の中心になるだろう」
と予想。その上で
「議論の“仕方”が気になっている」
と問題提起しました。
「(これまでの改訂に向けた議論では)根拠やデータなしに、内容の追加と削減が決められることが多々あった気がする」
「根拠を、どこに求めればいいか。1つは、発達科学などの科学的知見にある程度根拠があるなら、それに基づいて議論を進めるべきだろう」
「ただし、そうは言っても(簡単ではない)。
ある1つの科学的知見だけで(学習指導要領の内容の追加・削減の是非を)決められるものではない」
「これまでの教育効果の検証も必要だ。
『新しい内容を入れたわりに、効果がなかった』など歴史的蓄積があるだろうから、そういったものを検証しつつ内容の追加・削減を検討していくといいと思う」
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
最後に紹介した、「学習指導要領の内容の追加・削減に際して、根拠を踏まえて検討していこう」という趣旨の問題提起はとても重要だと思います。
…というか正直、これまでは根拠なしに決定していたんだ…と少し驚きました^^;
何につけても「エビデンス、データを示せ」という昨今の風潮に、必ずしも同意するわけではないし、数値化できないものにこそ大事なことがあるということもまた真理だとは思うけれど
特定の個々人の主観で、広く一般市民に関わることが決まってしまう側面があるのだとしたら、改めていく必要があると感じます。
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