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【オルタナティブスクール訪問記/兵庫・丹波篠山③】 ~『好き』に夢中になった経験が、人生を支える~
「ここ10年を振り返るだけでも、iPhoneのように思いがけない発明が登場したり
生き方や働き方、価値観が変化したりと
社会は目まぐるしく変わっている。
こんなに先の読めない時代に、『どういう教育なら良い』ということは言いづらい。
でも、子どもたち1人ひとりが自分に自信をもつことができたら
それぞれが自分の花を咲かせられると思う」
まめの木代表の西村源さんが、教育に対する自身の考え方を話してくれた。
その、『自分に自信をもつ』ために大切な要素の1つが
「好きなことに夢中になった経験」。
だからまめの木には、様々な『好き』を深掘りできる環境がある。
とはいえ、「何もない真っ白い箱に、子どもたちを放つ」ような形だと
自分から動くのが難しい子にとっては、ちょっと厳しいかもしれない。
『好き』に気づくきっかけが、なかなか得られない場合だってあるだろう。
――そんな風に考えるようになり、最近では
きっかけづくりとして参加自由のワークショップを開催するなどしているという。
これまで開いたのは、プロのカメラマンによる写真講座や陶芸体験など。
「『これが好きだな』『これには興味がないな』と選べるのは、そもそも選択肢があることを知っているから。
以前は(子どもたちを)見守ることに徹していたけれど、今はいろいろ提示してみるようにしています」(西村さん)
実際にまめの木は、『好き』への手掛かりがそこかしこにある、と思った。
なぜ??『毎日通学』ではなく『単発利用が』多い理由
やがて珍獣ズは工作室に立て籠もった。
6畳くらい??の小部屋に、ダンボールや空き箱などのあらゆる廃材、絵の具、ペン、糸…と豊富な材料が収納してあり
自由に使えるシステムだ。
特に珍獣(兄)が、工作が大好きなので
我が家でもダンボール一箱分の廃材を常に用意しているけれど
種類もボリュームも桁違い。( ゚д゚)
これだけで、工作教室が開けるんじゃないか??と思うほどだった。
早速、珍獣(兄)は工作に打ち込み
珍獣(妹)も、仲良くなった1歳上の女の子、西村家の奥さんと一緒に
足や手の指にカラーテープを巻きつけ、指輪に見立てて喜んでいた。
でも。
しばらくすると、珍獣(兄)がぐずり始めた。
「つまんない」「帰りたい」
(´д`)オイオイオイオイ
帰るって。
片道5時間半やで。
ぐずりの原因ははっきりしていた。
初めての風景やモノに触れ、大興奮つづきだったことの反動もあるけれど
一番の理由は、同じくらいの年代の子が、その時のまめの木にほとんどいなかったからだ。
見学時点で、まめの木に登録している子どもたちの数は約30人。
その多くが毎日の通学ではなく、単発的に利用するスタイルだった。
なぜ、毎日通う子が少ないのだろう??
我が家は基本的に毎日の通学前提で、オルタナティブスクール探しをしていたので
素直に疑問を持った。
そして西村さんに、開校してから試行錯誤してきた経緯を伺う中で
『不登校』や『オルタナティブスクール』に対する世間一般の認識の一端を、わたしは知ることになった。
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