【オルタナティブスクール訪問記/山口④ ~自分の〝内側〟とつながるために。~】
午前中のけいどろ(海釣り、山遊びをしてきた子たちもいた)を経て、
てらこやの午後が始まった。
皆で掃除した後
また、それぞれがやりたいことを選んでやる時間だ。
襖を締め切り、奥の部屋で百人一首に興じるグループ。
UNOで遊ぶグループ。
台所で、スタッフとお菓子づくりをする女の子たち。
手芸する女の子たち+珍獣ズ。←紛れてるやん
段ボールで工作を始めた、男の子2人組。
外の濡れ縁では、木材に釘をトンカチで打ち込み、1人で何やら作っている男の子もいた。
まさに、各人各様の過ごし方だった。
それぞれが、やりたいことを選んでやる時間。
特別なことではなく、ごく当たり前にそうした時間を過ごすみんなの姿を
午前中から見続けて、伝わってくるものがあった。
それは、〝満たされている〟感じ。
思い思いに楽しんでいるのだけど、変に盛り上がって大騒ぎすることはなく
皆の心が、安定しているのが見て取れた。
言葉にすると、ちょっと陳腐に聞こえてしまうかもしれないが
素の笑顔で、生き生きとしていて
目の澄んだ子たちだ、と思った。
放課後の時間も終わった夕方、スタッフさんたちがわざわざ時間を割いて
聞きたがりおばさんのために(´°‐°`)←聞きたがりおばさん
てらこやについて、お話ししてくださった。
あるスタッフさんは、子どもたちに
「『自分自身の気持ち』と、つながれる人になってほしい」と願っているという。
「外から評価されることが当たり前になると
どうしても、外向きになって
内(=自分の内側)を向く時間が、取れなくなってしまいがち。
でも
今、わたしは何がしたい?
今、わたしはどんな気持ち?
――そんな風に、自分の内側に目を向けられる人になってほしい。
なぜなら、内側にこそ、すべてがあると思うから。
特に、これからの時代は
子どもたちが、それぞれ持って生まれてきたものに、キズや外からの価値観が変に付かず
〝そのままの自分〟でいられたら
まるで、パズルのピースがピタリとはまるように
世界が成立するはずだと思う」
――という趣旨の話を、してくれた。
けいどろ、百人一首、工作、UNO、お菓子作り。
どれもささやかだけれど、その「今、したいこと」たちは、まさに
自分の〝内側〟と向き合い、そこから出てきたものが行動として表れた事々
――に思える。
その、「今したいこと」の日常的な積み重ねが
心の安定につながって、
いつでも「自分は大丈夫」と思える〝土台〟が、つくられていくのかな。
そんなふうに感じた。