シン・仮面ライダーの感想
当然この記事にはネタバレが書いてある。読む前におまえはさっさと映画館へ行ってシン・仮面ライダーを見てこい
◆
「仮面ライダー初見だけどシンゴジの監督だしちょうどいいや見てみよー!」
◆
そうゆうミーハーは冒頭5分で庵野の駆るサイクロンに轢き殺されて死ぬ。致死量スレスレの仮面ライダー成分が含まれていてオーバードーズは免れない
終始庵野が観客の口をこじ開け仮面ライダーを容赦なくねじ込んでくる
正直なところ他の「シン」シリーズと違ってわかり易い面白さは無かった。だが駄作では決してないという事はワカル
冒頭10分間の映像で「カルピスだよ」と言われて糖分が結晶化したかつてカルピスだったであろうペースト状のなんかを飲まされたのがその証拠だ
物語は大型車両から逃げる二人乗りバイクの映像で始まった。
バイクが疾走して、車が爆発して、特撮して、ヒロインがピンチになり、本郷猛が戦闘員を殴り殺し、博士の下に向かいこれまでの経緯を説明される。
おれは思た「あれ?第一話見逃しちゃったかな?」
完全に庵野がやりやがった。奴はギアを5速に入れて発進しやがった。おれは暴走する庵野サイクロン号から振り落とされないよう必死にしがみついた
作中一番デカい感情持ってたのは庵野秀明で間違いない。アオイホノオ冒頭に出てきた無駄に深刻なあの男が作った作品に間違いない
ダメだ、濃すぎる。
特にマジで昭和ライダー始まったのかと思う演出の数々でおれは笑っていた
何故笑うんだい?知るか。あんなもん見せられたら笑うしかないだろ
(昭和SEと共に現れる仮面ライダーとしか言えない仮面ライダーの登場等)
そうこうする間に博士が死に、本郷はクモ男を殺し、公安みたいな奴らが味方に付いた。
Q「ライダーキックで怪人がしぬのはなぜ?」
A「メットの上から頭蓋骨カチ割れるような力を持つやつが全力で放ったキックを受ければ誰だってしぬ」
気持のいいくらいカマセみたいな言動のカマセがいっぱい出て来る。「あ、コイツ死ぬんだろうな」と思った奴は全員しぬ。ただ本郷がしぬとは思わなかったし、地球上で誰一人ライダー1号が死ぬと予想できた奴はいない。
サソリ怪人の娘がモブ機動隊の物量に蹂躙されてしぬ所で興奮した
この映画、キャラが各々抱いている感情のデカさがよくある惑星規模なんだけど中でもわかり易かったのは蜂オーグの女の子。ヒロインに対して「私が泣かせたい」とかゆって色々やるが、結局ヒロインが泣いたのは蜂オーグの死に対してだったのでエモすぎてヤバかった
そして現れるあの男
一文字隼人
奴が主人公だった。
この物語は本郷猛の「生きた」と一文字隼人の「生きる」の物語だった
おれはいったい何を見せられているんだ??という疑問が常に頭に浮かんだが、毎コンマ秒繰り出される「仮面ライダー。」と言うアンサーが常にその疑問をハチの巣にし続けた。はい、おれは仮面ライダーを見ています
一文字隼人がよかった。あいつは真の男であり、仮面ライダーである
総括・シン・仮面ライダーは、仮面ライダーである
マジで仮面ライダーだったという事しか記憶にない。
話は起伏に乏しくバイクで走ってるような感じ。たまにジャンプする。「知識がない方が楽しく見れる」という意見もあるが、ライダー知らない奴が見て面白いかどうかはもうおれには全く分からない。仮面ライダーするためにエンタメすら切り詰めたサイコ野郎・庵野秀明なんだ。
ここまで書いて思ったが、中途半端に知識があるおれみたいなやつが苦しむ映画なんじゃなかろうか
最後に
シン・仮面ライダーは20分40話くらいかけてやれ。たぶんそれが話のボリュームに対する適正希釈割合だ
おまえもシン・仮面ライダーをみて胃潰瘍になれ