対魔人アキ・第2部『新日世界大戦-シンジツ・アポカリプス-』プロローグ
≪親愛なる国民の皆様へ決戦省からの重大発表です。優先してお聞きください≫
日曜日の正午の事。その瞬間全てのメディアが政府からの発信に切り替わった。
≪「ドーモ、私は決戦省の上級官僚幻魔、ストローマンです。新日帝国民20億人全員にお伝えします。今日正午を以って、我が国はアメリカ、イギリス、日本と戦争状態に入りました。」≫
家庭TV、街頭電子広告、ラジオ、個人用情報端末に至るまで全ての媒体が共振する。人々は情報に聞き入る。決して手は止めず。配管を繋ぎながら、テストの採点をしながら、バーガーセットを袋に詰めながら・・・
≪「計、114機の戦果で攻撃は間断なく継続中。戦況報告は以上…全国民傾聴!!」≫純白のメガロシティに木霊する緊張感。彼が来る。
『親愛なる兄弟たちへ、』荘厳なる大兄弟の声は国土の隅々まで染み入った。学校へ、病院へ、刑務所へ、工場へ、商店へ、アリーナへ、自宅へ、そして原発跡地の立ち入り禁止区域へ・・・・
「これが」「ああ、大兄弟の御声さ」ラジオから流れる偉大な指導者の声明を聞く5人の男女が密かに話す。
「計画は6割。行けると思うか?」「まあ、無理だろうな」「でもやる他にないぞ、戦争は始まってしまった。」「だが、こうなるのはある意味想定内ともいえる」ガイガーカウンターがカリカリと身じろぐ中、秘密集会は続く
「アンタはどう思う?」「・・・「成功確率は低い、だがこの機を逃せばそれは0になる」んだとよ」「アキくんも少しはこっちの言葉勉強したら?」
『この混乱期に個人主義的反乱を企てる輩も出て来よう。だが所詮は利己的なエゴの発露にすぎない、国民の冷静さはそれを見抜くだろう』偉大なる兄弟の言が挑戦を煽った
「お呼びだぜ」「そのようだな・・・リーダー」一同は若き反逆者を見る「計画は定刻通り発動する。」反逆者、アレクサンドルは起った。
「必ず取り戻す。俺の祖国を。ロシアをこの手に」
『新日帝国に光あれ』
【続く】