対魔人・アキ ◆型殺陣orトリート!ハロウィン仮装幻魔を討て!◆ 4
「テロだ!!オオメダマビル!何か爆発した!!」無線機に叫ぶ警官「シダ!現在位置だけ報告しとけばいい!避難誘導重点だついて来い!」二人の警官は逃げまどう人々をかき分け、オオメダマビルに向かって走り出した。仮装一般参加者は右往左往し、混乱し、右も左もなくバラバラに逃げまどっている。まさに恐慌状態!危険だ!
何を優先してやる?人々に落ち着いて行動するよう呼びかけるか?・・・・NO。では避難誘導に徹するか?・・・・YES。いや、もう一つある。「ーーー付近に、でハシダさんと!避難誘導重点!オーバー!」「終わったかシダ!オオメダマビルに行くぞ!」「ナンデ!」「状況判断だ!」「了解!」
ハシダ警官はその瞬間を視界の端に捉えていた。閃光めいた何かがオオメダマビルに打ち込まれるのを、そしてそれは鳥でも飛行機でもなく確かに人型をしていた、あれは・・・・「ハシダさん!爆弾テロならもう一回あるかも!」
「ボムじゃねぇ、幻魔だ。対魔課に居たからワカル!」「ナニソレ!?ハシダさn」「無駄口ッコラーッ!」「いッ!」ハシダは走りながら状況の整理を終えていた。①これは幻魔の攻撃であり、幻魔抗争の可能性が高い。②衝撃波により爆心地が不明瞭になり、群衆がバラバラの方向に逃げ惑って危険。③幻魔が攻撃を仕掛けたオオメダマビルを中心に、戦場が出現する可能性が大いにある・・・・10年前のように
「シダ、もう一度本署に連絡しろ、魔災害警報を発令要請」
◆
火災警報やら地震警報やらが鳴り響く。壁、床、天井、物品、森羅万象が破片となって散乱するここは、オオメダマビル二階大フロア、だった場所。今は一階から三階までが吹き抜けとなり、非常に風通しが良い
対魔人アキの協力者、レオの必殺型殺陣(カラテ)レールガンキックはジャックオランタンに命中した。斃したか否か、ビル内に人影は一つも見えない・・・・
・・・・
・・・・・・・・
・・・・「出て来いよ」瓦礫から身を起こしたのはレオ、衣服は衝撃波と熱で破損し、さながら廃墟カーテンめいてボロボロだ「殺しそこなったのは詫びなきゃなぁ・・・・痛ぇだろ?なあ」そう語るレオの右足は針金めいて折れ曲がり、ふくらはぎの脇からは骨が露出している。ナムサン、なんたるやせ我慢か
ZGHHHUUUM!崩落した天井をひっくり返し現れたのは血塗れの幻魔。その右手には古代の農民武器、ハルパーが握られており左手は肘から先が消失している「イッポン取られたヨ、警戒はしてたが・・・芸術的なアンブッシュ(不意打ち)だ・・・・これではどっちがテロリストかわからんネ。ドーモ、ジャックオランタンです」「ドーモ、レオです。メインディッシュを最初に喰らって満足かもしれねぇが、デザートまで喰ってもらうぜ・・・・来いよ」構えるレオ、右足がギシギシとあまり聞きたくない音を立てる。
「行かないヨ。仕事があるんでね、それよりキミの相棒はキミの攻撃で吹っ飛ばされたかがれきの下だ。ちゃんと打ち合わせしたのかね?」「余計なお世話だ、来ないならこっちから行くぜ!オリアーッ!」片足での跳躍12メートル!トビウオめいてジャックオランタンに襲い掛かり空中正拳突きを繰り出す!「ソイアーッ!」ジャックオランタンはバク宙でコレを躱し、そのまま表通りに向けて走り出した!「ヤロウ!」ジャックオランタンは別の形でテロを続行するすもりだ!「アキぃ!!」「イヤーッ!」レオの叫びに呼応するように底の抜けた一階から鋭利な鉄筋が飛来!!「ソイアーッ!」ジャックオランタンはハルパーで弾く!
「イヤーッ!」次いで飛来したのは、藤色ボディスーツの美少年!斬魔刀でのヤイバ斬撃を繰り出す!ハヤイ!「ソイアーッ!」「・・・!」ジャックオランタンは反撃も回避もせず、むき出しの鉄骨を蹴りウネメストリートへと身を躍らせた!斬撃は・・・・ジャックオランタンの左二の腕を斬り飛ばすにとどまった!「シマッタ!」脱出を・・・・許した!!
「アキぃ!!ヤツの心臓を打てェ!!」レオが叫ぶのが早いか、アキは通りへ飛び降りていた。レオは察していた、レールガンキックはヤツに致命傷に限りなく近い外傷を与えている。そして確信した、ヤツが最初に気にしたのがアキの存在である事、テロの遂行という大目的を最優先にした事、その為に手負いのレオと格下のアキを始末しに来なかった事・・・・ヤツは今、取捨選択を迫られるほど切迫した傷を負っている。そう、今ならば、倒せる!
◆
「・・・・ミクさん!どこ!カイさん!カイ!ダイジョブか!耳、聞こえないの?・・・・お、おれもか」周りを見渡した・・・・何人か倒れている、あの混乱で転んだ人たちか、おれ自身もパニックを起こした民衆が逃げ惑う際に転倒し、しこたま踏まれた。そして耳鳴りがひどい。が、それだけに鼓膜は無事なのかもしれない。「タキさん、ヨシオさん、コミセンパイ・・・・み、みんなバラバラに逃げたのか・・・・」
一体何だったのか・・・・突如水面に叩きつけられたかのような爆音。辺りには夥しいガラスが散乱し、ハロウィンライトアップが反射して綺麗だ・・・ガラスを浴びたのか血塗れの人もいる。ネットニュースで見覚えがある「これって、テロじゃないの?」そう呟いた数秒後、おれは血の気が引いた「ミクさーーーん!!」ネットで見て知っている!爆弾テロは時間差で爆発させ被害を増やすんだ!はぐれた友人たちを探さなければ!おれは立ち上がり、取りあえずは大通りの中ほどへ歩いた。そして辺りを見渡す、ひどい光景だ、こんな事をしてないで救急車を呼ぶべきでは?いや、これだけの事態だ、たぶん呼ばなくても来るだろう・・・・自分は友人たちの捜索に専念すべきだ・・・・((特にミクさんが心配だ、こういうイベントはあまり得意ではなかったのに、おれが無理に誘ったんだ。何かあったらおれのせいだ、こんなことになるなんて!))今まで体験のない未知のインシデント、これほど頭の回転が速くなったのも経験がない、これからどうする?
((そうだ、人に聞こう。ウィッチ・リーティのコスをしてたのは見る限りミクさんだけだった))近くをフラフラとあるくゾンビーコスがいる、あの人に聞こう「スミマセン、ウィッチ・リーティコスの・・・・」「ア、アー・・・・アバー・・・・」「あ、アノ、チョット?」「アー」さながら本物のゾンビーだ、この事態に際し未だイベント気分か?それとも事態を飲み込めずパニックした結果の錯乱ムーブか?「あの、エ?」振り向いたゾンビーコスの顔面からは無数の花が生えていた・・・・メイクにしては、いささか・・・・「アー・・・・」絶句するおれをよそに、ゾンビーコスは明後日の方を見ながら6、7歩歩き、倒れて動かなくなった。
死んだ
「ダイジョブですか?ダイジョブですか!チョット!」駆け寄り声をかけ、肩をたたき、身体を揺らし、仰向けにし頬を張っても起きない。死んでいる。なぜか直感的にそう思えた、この人・・・・死んだんだ
「ナンデ・・・・」「毒です」「ファッ!?」振り向くと20メートルほど離れて男が立っていた。「彼の顔から生えてるのはトリカブトです。トリカブトの根には毒があります」チェックのハオリめいたコート、右手に鎌めいた奇妙な武器を持ち、左は二の腕から先がない、そして、ジャックオランタンを模った仮装オメン・・・・「ドーモ、ジャックオランタンです」
◆
ジャックオランタンがシヅキに近づく。ジャックオランタンの背後には無数の死体が転がっていた、首がなかったり胴体が飴細工のように捻じれていたり盆栽めいて半身が草木に変わっている死体だ。シヅキは呆然とし、ただただ仮面の男を見上げるしかできなかった
「お久しぶりです」幻魔は不気味なほど丁寧な口調で言った・・・・「結局は自分の手でコツコツとやるのが一番なんですネ、簡単な方法は楽ができてコストパフォーマンスもいい、何より分かりやすい。しかし性に合わない。つまらなかった。だからどうでもいい挑発に乗ってアンブッシュを許した・・・・因果応報。反省しなければ」男は仮面を外す・・・シヅキは震え上がった。そこにあったのは紛れもない物の怪の貌。鼻筋の通ったいわゆる男前、しかしその表情は、眼差しは、およそ人の心が通ったものではない。
名状しがたい、根源的な恐怖と不安が腫瘍めいて膨れ上がるのを感じた。気づけばシヅキはしめやかに失禁していた
「このやり方が性に合っている。自分が生き生きとしている、ヤリガイがある。イイコはもっと早く家に帰るべきでしたネ、夜更かしは良くない。そうでしょう?」幻魔はハルパーを掲げる、するとハルパーに血管めいて根が這い、刃から透明なエキスが滴った。おお、禍々しきかな!((ああ・・・・この人は・・・・人間じゃないのか・・・・死ぬのか、おれもあんな風に))
シヅキは思い浮かべた、家で自分の帰りを心配そうに待つ母、苛立つ父、タイムラインで見た魅力的なイベントの呼びかけ、歓喜、勉強漬けの毎日へささやかな仕返しができる。解放だ、10月31日を特別な日にする、同じ思いを共有するあいつらと、できればミクさんも一緒に。仮装して集まる。なかなかキマってるじゃないか、ミクさんもカワイイ・・・・でもこれは、なんだ?爆発?テロ?幻魔だった。シヅキは今、何を考えているのか?彼に自覚はないが、これはソウマトウである。
シヅキは死を実感していたのだ。おお、ナムアミダブツ!シヅキはこのまま殺戮幻魔の犠牲者として短い一生を終えてしまうのか!
フシギ、ジャックオランタンはハルパーを振り下ろさない。どうしたというのか・・・・
「まさか振り切れないとはネ」ジャックオランタンは呟き、オオメダマビルの方向を振り返る。シヅキは見た、そこに立っていたのは藤色のボディスーツに身を包んだ少年。髪は背中まで長く、中性的な貌と体つきは神秘的で艶やかだ。少年は日本刀のような剣を構え、言った
「そのケガでは逃げられない、おれからも、この刃からも」ジャックオランタンは完全に向き直り呟くように言った「・・・・最初はキミも幻魔かと思ったが、そのフィジカル、ギリギリ人間の範疇だ。それでも退魔会の退魔士連中にはあり得ん水準だが・・・」ジャックオランタンもハルパーを・・・構える!「殺す前に聞いておくか、師は誰だ」「教える義理はない」
「なら問答は終わりだ。人間にはハンデとして先手を差し上げます、隙があったらいつでも」アキは動かない。当然だ。今動いていたらペースは完全に向こうが握る。問答や挑発、何気ない会話から相手のスキを見出すのは幻魔の常套手段だ。「お気持ちだけで充分です。どうやらそのケガ、深いようだ、こちらこそハンデを差し上げますよ。怖気づいたのでなければ先手を打たれませ」挑発を返し、アキは精神を集中した。頭の中には数十通りの先攻手と反撃手が浮かんでは消える。「煽るのが下手だな、対魔人」ジャックオランタンの呼吸が浅い。肺腑に深刻なダメージがあるのは明白だ。喀血しないのを見ると応急処置はしたと見るべき。
アキは師匠からのインストラクションを思い出した。(((相手の状況、環境、眼を坐らせてよーく見ろ・・・・おまえは人間だ、どうせ幻魔の動きなんか眼で見切れはしない。銃弾を目視して避けられないのと同じだ、ならばどうする?・・・)))
最初に動いたのは、ジャックオランタン!
SYHHHHHHHHE!アキの足元から突如無数の植物のツタが出現した!それらは淫獣触手めいてアキに絡みつこうとのたうち回る!「イヤーッ!」アキは側転で躱し、勢いに乗ってジャックオランタンとの距離を詰める!幻魔ではないのになんたる業前か!
(((よく見ることだ。引き金が引かれる瞬間の銃口、中の弾はどう見える?まっすぐ正面に見えるか?ならば左右に躱せ。ずれて見えたならその方向に躱せ。もし、見えない程ずれていたら、突っ込め。躱す必要はない。その弾は外れる・・・・)))
追いすがるツタ・テンタクルズ、とても植物とは思えないスピード!コワイ!
幻魔は実(ジツ)という固有の超能力を持つ。これがジャックオランタンの持つ固有の力、ウエキ実だ!触れた物質から植物を創り出し操る!
「イヤーッ!」アキはガラスの破片を蹴り上げると素早いスローイングでジャックオランタンに投げつけた!シュリケン!「ソイアーッ!」ジャックオランタンは難なくそれを掴み手首のスナップだけで投げかえす!それも二枚に割って両目を狙う倍返し!「イヤーッ!」アキ!避けない!それどころか接近速度を上げた!アキとガラスの相対速度180キロ!刹那!
アキは首をフクロウめいて傾げた!ガラスは頬骨と眉尻に容赦なく突き刺さるが目は無傷!「ナニィ!」アキ!怯まず加速!「イヤーッ!」斬魔刀下段横薙ぎ一閃!「ソイアーッ!」ジャックオランタンはジャンプ回避!地面から足が離れるとツタ・テンタクルズは動きを大きく鈍らせた
「イヤーッ!」アキは追撃跳躍!ジャックオランタンの着地予想地点にはシヅキがいた。人質にされてはたまらぬ「ソイアーッ!」ジャックオランタンがハルパーを振るう!「イヤーッ!」KACIHH!アキは斬魔刀で打ち合わせる!ハルパーから火花と透明なエキスが飛び散り、アキの頬をかすめた。アブナイ!おそらくこのハルパーには何らかの植物由来の毒が満ち満ちている!
「フッ」ジャックオランタンがニヤリと嗤う、ハルパーを斬魔刀に絡め封じる気だ!ぜつみょうな角度で絡めたハルパーを捻ればテコの原理で斬魔刀は手元から捻じとられるか、或いはへし折られる!どうするアキ!
「イヤーッ!」アキが念じると斬魔刀は唸りをあげふるえた!「何!」アキが・・・・二人!?
アキは分身実を使えるのか!?驚くジャックオランタン!しかし、否。これは斬魔刀が見せる幻覚。アキの斬魔刀『シラサギ』がその真価を発揮した「イヤーッ!」ジャックオランタンの見せた僅かな隙を逃さず、逆に相手のハルパーをもぎ取らんと力を込めた!「ソイアーッ!」だがジャックオランタンも幻覚に気づき、ハルパーに力を込めなおした!なんたる幻魔状況判断力か!
アキが飛び上がってからここまでわずか0,5秒!空中戦は鍔迫り合いにもつれ込むかと思われたその時!「フ・・・」アキは刀から手を離した!そのまま姿勢は流れるようにセイケン突き体制へと移行する!アキ!勝負に出るか!
二人はへたり込むシヅキの目の前に着地する!「ソイアーッ!」「イヤーッ!」ジャックオランタンが一瞬速い!!ハルパーを打ち捨てるが速いか長槍めいた突きチョップがアキの眉間に放たれた!認知すら間に合わぬほどの幻魔の型殺陣に脳天を撃ち抜かれ、血と脳漿をまき散らすのだ。本来であれば!
アキは紙一重で躱した!ジャックオランタンの消耗いかばかりか!致命の一撃ならず!そして今度はアキのセイケン突きがジャックオランタンの左胸を狙う!クロスカウンター!「グワーッ!」
シヅキは目の前で起こるおぞましい光景を目撃した。ジャックオランタンの左腕のあるはずの場所から茨の鞭が這いだし、アキのセイケン突きを絡めとってそのまま捕らえたのだ!ブキミ!
「グワーッ!」アキの腕が締め上げられる!「本業はこっち(純粋型殺陣)だね?アキさんのあのパンチ、今のワタシには結構ヤバかったが、実がある分やはりワタシが有利。」茨がアキの全身に絡みついてゆく!これは・・・ピンチ!「グ、グワーッ!」「アーイイ・・・キミの外見もそうだが、苦咽もなかなか扇情的だ、でももう仕事にもどる」
「そこのお前!そこの剣を拾え!拾うだけでいい!」アキがシヅキにむかって叫んだ!唐突!「エ?」シヅキがふと我に返る、目の前で繰り広げられる非現実的光景に半ば夢遊状態だった彼は、自分の傍らに見事な刀がある事と気付いた「それだ!触れ!」シヅキは反射的に手を伸ばす!状況はよくわからないが、そうさせる。自信と覚悟。アキの言葉は放心状態にあったシヅキにそれを感じさせた!
なぜアキはそんなことを言ったのか・・・ハッタリか?違う、アキには勝算があった。一般人であるシヅキが斬魔刀を取ることで何が起こるのか?斬魔刀の秘められたギミックか?一体どんな思惑か、ここにいる誰も知らない!そう、アキを除いては!しかし、いずれにしろシヅキがそれをすることは叶わなかった。
「ウワアアアアアアアアア!!」SYHHHHHHHHHHH!!シヅキの真下からアスファルトを突き破り無数のツタが現れシヅキを縛り上げた!!南無阿弥陀仏!アキの思惑潰えたり!!「少し甘いんじゃないかナ?最後の最後で」ジャックオランタンがほくそ笑む、その額には汗が滲んでいた。こちらもギリギリだったのか、しかしこの状況、勝利したのはジャックオランタンであった!
「そう思ってくれて助かるよ」
アキはタンデンから型殺陣を解放した。腹から胸へ、臓から血へ、骨へ、肉へ、型殺陣が全身の細胞をつなぎ、アキの身体に増設された休眠神経をたたき起こす。
ブチブチと音を立て千切れる茨とアキ自身の筋繊維、血圧は300を超え目は真紅に充血する「・・・ィィィ」「ッ!」ジャックオランタンが異常を察知し、限られた手数の中からアキへのとどめを選択したその瞬間、その発動は完了した・・・・
「ソイアーッ!」ジャックオランタンのチョップカラタケワリ!!アキの脳天に薪割めいて振り下ろす!!アキはそれを見るや体幹を軸に時計回りに身をひねり残りの茨を引き千切りながら強制回転!見事半身となりチョップを完璧に躱して見せたではないか!!ゴウランガ!おお、ゴウランガ!!
「ィィィィ」そしてアキの「イイイイイ」渾身のセイケン突きが「イヤアアアアア」ジャックオランタンの左胸を捉えた!!「アアアアアアアッッ!!」「グワアアアアアアアアアーーーッ!!」肺に突き刺さっていたおれた肋骨が心臓まで完全に押し込まれた!「ゴボッ!ガハッ!!」激しく喀血!!「イイヤアアアアアッ!!」そのまま殴り飛ばすアキ!!
「アバーーーッ!!」CRAAAAAAAASHU!!ジャックオランタンは放物線を描き、受身もままならず頭からビルに叩きつけられた!「ハッピー・・・ハロウィン」ジャックオランタンは炎と共に昇華した!「オツカレサマ」鎮魂の言霊を唱えると、アキはその場に膝をついた。幻魔警報の退去サイレンが鳴り始めた中、意識が遠くなっていくのを感じる・・・傾く視界に自分と同じ位の少年が写る、無事でなによりだ。アスファルトは思ったより冷たくない。警官が二人駆け寄ってくる・・・もうダイジョブだ。「アキ」聞き覚えのある声はレオ、警官が銃を構える。「屋上の上着は諦めな、これ以上は持てねぇ」警官に一礼しアキを担ぎ上げる
終わった。ひとまずは、いろいろあったし、これから色々あるだろうが、ひとまずは
アキの意識はそこで途絶えた
『型殺陣orトリート!ハロウィン仮装幻魔を討て!』終
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