
太古の記憶が志を目覚めさせる!聞心追求の旅は心の遺跡巡り|めぐ
人が能力を開花させるきっかけはさまざまです。順風満帆な人生のなかで、努力の結果辿り着く能力もあれば、生まれながらに持ち合わせた人との違いがきっかけに開く能力もあります。今回、お話を聞かせていただいた「めぐ」こと森田めぐみさんは、筆者から見れば後者のタイプです。
ご自身でも自分の人生は「平々凡々だった」と話されていたものの、掘り下げて聞くと私が思う「普通」とはかけ離れたものでした。ただ、明らかに彼女の歴史の積み重ねが今の能力開花につながっていると確信しています。
わもんの聞くを突き詰めた「聞心」の第一人者でもある彼女は、どうやってその領域にたどり着いたのか、どんな人生を歩んできたのか詳しくお話を聞きました。
哺乳瓶で飲んでいることも覚えている抜群の記憶力
昔の言い方だと長州、山口県で生まれ育っためぐは、親族全員が山口県にルーツを持つ根っからの長州人です。長州と言えば明治維新の立役者でもあり、今でも有力な政治家を輩出している土地です。大阪在住の筆者にはわからない事情が多くある土地なのだろうと推察します。
平々凡々に生きて来たというめぐには、わもん創始者のやぶ三も驚く力を持っています。
「尋常な記憶力の持ち主だったと言われました。確かに哺乳瓶で飲んでいた記憶もあるし、姉の通う幼稚園に付き添って歩いて行ったのも鮮明に覚えています。自分もこの幼稚園に通うと思っていたのに、別の幼稚園に入れられて…制服が微妙だったなと今でも映像で覚えていますね」(めぐ)
幼稚園に入ると、彼女はとても園児とは思えないしっかりした姿を見せるのです。
「幼稚園に通うために8時半のバスを使っていました。母と祖母は朝ドラに夢中だったので、自分で準備して着替えて2人が見終わるのを待ってましたね」(めぐ)
手がかからなかったのは生まれてからだったようで、あまり泣くことなくずっと寝ている子だったそうです。
めぐの記憶力エピソードはまだ続きます。小学校の入学式の様子も鮮明に覚えていて、式が終わって教室に行くと自分の机に名前が書いてあり、担任の先生が話をしている場面も映像で出てくるそうだ。
「脳について調べてみると、記憶が消えない人が数%いることを知りました。その人たちの状況について読んでいると、自分が似ているって感じたんです」(めぐ)
筆者も記憶力が良いと人からいわれることがあるものの、めぐには遠く及ばないと感じた次第です。
本当に平々凡々?と思わず聞き返した人生
ここまでの話を聞いて、てっきり平和で仲の良い家族のイメージを抱いたのですが、詳しく聞いてみると全く違っていました。
「家族全員の仲はよくありませんでした。毎日、祖母と母が喧嘩していたり、母と姉が言い合いをしていたり。祖父は口数が少なく、家族から関与されない状態でした。息子からは実家に行くことを「参勤交代」と言われるほどだったのですが、ごはんが美味しかったから平気でしたね」(めぐ)
ごはんが美味しいだけで、この環境を平凡と呼べる胆力がすごいと感服しました。もしかしたら、右耳が聴こえないことで、不和の音が入ってこなかった側面があるのではないかと筆者は推測しました。
「右耳は国立病院の診断では生まれながらのものだと診断されました。ただ、何かが欠けていると、それを補うために人は成長するとわもんの仲間である常ちゃんからは言われましたね」(めぐ)
めぐの察する力はかなり優れていると筆者は感じています。その力は聴こえない右耳と、家庭環境によってもたらされた能力かもしれないと私は思うのです。
抜群の記憶力や人並外れた察する能力は息子さんも体感しています。
「絵本の読み聞かせを10年やっていました。最近、次男とその話になり『上手いを通り越して尋常じゃない』って言われたんですよ。なのでそこで読み聞かせをやったら、次男が泣き出して…」(めぐ)
映像の中に入り込んで洞察力を発揮すると、まるでその世界にいるかのように読み聞かせができるのでしょう。昔の「日本昔ばなし」のようです。
見合いと突然の出会いを天秤にかけて
それなりに成績はよかったものの、勉強は好きじゃなかっためぐ。家族からも高卒で働いて家にいればいいと言われていたそうです。
「父が養子だったこともあり、跡取りが求められていたようです。ただ、私と姉の娘二人だったので、どちらかが跡取りを迎えないとと言われてました。姉が既に家をでていたので、それもあって家にいるように言われてました」(めぐ)
高校を卒業してめぐが選んだのは、当時の求人で一番給料の良い職場でした。その職場はめぐの父が勤めている会社でもあったのです。
「製薬会社に勤めることになったのですが、その工場で父は有名人だったんです。1700人も人がいたんですけど『あの中山さんの娘さん?』とどこに行っても言われましたね。それもあって箱入り娘のように扱われていました」(めぐ)
就職後は以前からの憧れだった海外旅行を楽しみます。
「小学校の頃に『世界ふしぎ発見!』を見て、エジプトに行かなきゃと思ったんです。それ以外にも海外に行きたいところがたくさんあって。最初は上司に海外に行きたいと伝えたら、仕事の内容的に長期の休みは無理だと断られました。それでもあきらめきらず、組合の仕事だと言ってアメリカに行きました」(めぐ)
一度、海外に行くルートを開拓しためぐは、それ以降は頑張って働いて海外に旅行に行く日々を過ごします。
「ただ、家族からは結婚しろ、跡取りを連れて来いとは言われていました。22歳になるとお見合いを勧められ、どうしたものかと思案してました。その頃に今の夫と出会ったんです。彼はアメリカ留学の経験があり、私が行きたいと思っていた赤い砂漠にも行っていたんです」(めぐ)
2回目に会った時に「結婚を前提に付き合いたい」と言われためぐは
「知らない人と見合いをするよりは、理想のアメリカにも行っていてエジプトが好きだという人のほうがいいと思って、結婚を受け入れました」(めぐ)
病気がちの子どもがきっかけでわもんに出会う
結婚後、長男と次男を授かっためぐは、彼らが病気がちだったこともあり、毎週のように病院に通っていました。そんなある日、めぐはお姉さんから施術家を紹介されます。
「工藤先生の施術を受けるようになりました。施術に行くと先生はわもんの話をよくされていて『やぶちゃんに会うといいよ』と言われたのがわもんに興味を持ったきっかけです」(めぐ)
やぶ三の黒帯心徒塾に参加する前に、わもんの仲間であるわたふが開催していた聞き方教室に参加して、この聞き方が良いなとも感じていたそうです。
「岡山の黒帯に初めて参加した時は、初日に初段に認定され、翌日に二段に認定されました。二日目に認定されたときは、同じ日に参加していたまこちゃんが先に認定されて、その姿を見て真似をしたら認定されました」(めぐ)
わもんの歴史の中でも、初日で初段、翌日に二段に認定される人はめずらしいです。持ち前の洞察力があるからこその結果なのだろうと筆者は思います。
「ただ、三段は狙わずに辞めようと思っていたんです。それでも周南で黒帯が開催されたり、白帯の先発を担当することになったりと、何かしら辞めさせない流れが生じていて。見えない何かに動かされているような感覚でした」(めぐ)
辞めずに続けたことで、めぐには大きな変化があったようです。
「わもんを続けたことで、専業主婦だった自分が自ら収入を得るようになり、結果、自分のためにお金を使うようになりました。今では長男の影響もあるものの、福島県の奥川との縁も広がりました。わもんに出会っていなかったら、これだけの行動にはつながっていなかったでしょうね」(めぐ)
お子さんとの関係にも変化があったそうです。
「元々は教育ママだったんですよね。わもんで聞くを深めたことで、子どもたちの意思を尊重できるようになりました。理系から文系に転じているのですが、昔だったら認められなかったかもしれません」(めぐ)
「自らの輝きを信じ切る力を養う自己修養法」であるわもんを続けると、自分の思いにしたがって行動できるようになり、心の平和が手に入って人を尊重できるようになるということなのでしょう。
聞心は太古のひとたちのコミュニケーション
書籍「聞けば叶う」にはわもんのすべてが詰まっていると言っても過言ではありません。めぐもこの書籍の一節に心を奪われたそうです。
「太古の人たちのコミュニケーションという言葉に惹かれました。このコミュニケーションが聞心なのだと思っているんです」(めぐ)
現在、聞心の習得者として、聞心習得の伴走も彼女は行っています。筆者が思う聞心とは、相手の心の中に見えている映像に入り込んで、その世界観に同居して言葉を発するという聞き方です。これはめぐが絵本を読み聞かせしていた時にやっていたことに似ていると私は考えます。
太古の時代には言葉はなく、音と映像で相手に伝えるしかなかったのでしょう。もしかしたらテレパシーのように映像を共有できていたのかもしれません。このコミュニケーションを現代でもできるようになれば、人と人との争いは減るのではないでしょうか。
「生涯を通して、太古の人たちのコミュニケーションを追求して行きたいと思っています。命ある限り、在り方を磨いてチャレンジしていきたいですね」(めぐ)
ChatGPTなどの生成AIが進化し、当たり前のように使われるようになった今では、人が人のことを考える時間が減っているのではないかと筆者は感じます。実際にAIによって、思考力が低下するという人もいます。だからこそ、人間の奥底の能力を目覚めさせて太古のコミュニケーションを思い出す必要があるのかもしれません。
生涯を通して「聞心」を追求するめぐが辿り着く旅先は、どんな「ふしぎ発見」になるのでしょうか。

私がめぐのことで記憶していることは、やはり、右耳が聞こえにくいと診断を受けて右耳難聴だったにも関わらず目から人の話を聞くことができることです。このことが聞心の直伝に繋がったと思います。
普通、人は、音を耳、鼓膜で聞いて音の処理をしますが、まさかの眼球から音を聞くという世界。これは、なかなかあり得ないと思います。私も幼少期、父親が暴力的だったので、父親をずっと見て、眼球から感情を吸い取っていました。
めぐには、類稀な特殊能力がある、これが聞心直伝に繋がっていると思っております。私が見ている世界、めぐが見ている世界、同じとは思えないのですが、類稀なるこの聞心の力で、世の中を良くしていっていただきたいと思っております。
わもん創始者薮原秀樹・やぶちゃん