卒乳は突然に
3944回。
これは、娘が生まれてから授乳をしたざっくりとした回数だ。
初めての子どもで、右も左も分からない中、授乳することとオムツを交換することを毎日繰り返し、少しずつ慣れてきた。
授乳は、最初の頃は哺乳力が弱く、哺乳瓶の乳首を一番柔らかいものにして、やっと少し飲めるところから始まった。
その後練習を重ね、生後3ヶ月を迎えようとする頃に直母で飲めるようになった。
離乳食がなかなか進まず、夜間授乳も長期間続く中、正直なところいつまで授乳をしていくのかと先が見えないと思ったこともあった。
とはいえ、しっかり食べられないのに、授乳をやめるということは考えられず、2歳頃まで、もしくは歩けるようになるまでは授乳を続けるつもりだった。
少しずつ離乳食を食べる量も増え、1歳3か月が終わろうとする頃に何が起こったのか、食欲が湧いてきたようで、今までの3倍くらいの量を食べるようになった。
それからは、自分でスプーンを持ち、手をお腕の中に持っていくくらい、食べたいという意欲が全面に出ていた。
そうなると、離乳食でお腹は満たされ、食後の授乳も口を離すようになり必要なくなっていっていることが分かった。
とはいえ、夜間の授乳は続けていたが、1歳4ヶ月6日の深夜2時の授乳を最後に卒乳をした。突然のことだった。
深夜2時の次に朝6時頃少し泣いていたのだけど、抱っこしていると少しずつ落ち着き、結局授乳をせずに目を覚まし、7時半に朝ごはん。
その日も盛り盛りご飯を食べて、日中は離乳食のみ。
もしかして、授乳をやめるタイミングにきているのかと感じて、寝る前の授乳をやめてみた。結果寝かしつけるのに1時間かかったが、なしでも寝られることが分かった。夜中は何回か起きたものの、あやしていると自然に寝てくれたし、何より授乳をしていた頃よりも起きる回数が少なかった。
こうしてその次の日が平和に訪れ、今朝の娘の顔は、昨日よりも少し大人びて見えた。
それから、授乳なしでも機嫌よく1日を過ごし、夜もスムーズに寝てくれた。
きっと少し前から、娘はいつやめてもいいくらいの状況だったのだろう。
こうして、私と娘の一つの大切なひとときに終止符が打たれることとなった。
授乳が終わってみて思うことは、時間はもう戻ってこないということ。
卒乳したことが悲しいということではなく、これからもこうやって娘が一歩ずつ自立をしていって、それまで一緒にしていた頃を懐かしむ時間がやってくると実感し、今という時間がどれだけ大切かを考えさせられた出来事だった。
私は1回1回の授乳に愛情を注げていただろうか、集中できていたかというと、毎回できていた。ということは言えないし、もう少しこうしてあげていたらということも数え出したらキリがないように思う。
ただ、思い返してみると、娘の嬉しそうな顔や、寝顔、お腹が空いた時に口をとんがらせる様子など、可愛かった顔が脳裏に焼き付いている。
この気持ちを胸に、ここから娘との新たなステージが始まるのだ。
美味しいご飯を作って、これからは食事の時間をもっと楽しみたいし、コミュニケーションをより大事にしたい。
将来振り返った時に私自身が納得できる過ごし方を積み重ねていくと決意した日になった。