障がいがある人の留学から学ぶ、大切な仲間との出会い
こんにちは。先日、デンマークにある、エグモント・ホイスコーレンという学校に留学をしていた方々のお話会に、娘と一緒に参加しました。
エグモント・ホイスコーレンとは、健常者と障がい者が共に生活をし、学ぶことのできる学校で、デンマークで生まれたフォルケホイスコーレという成人教育機関の一つです。
そこでは、デンマーク人と日本人220名が在籍していて、約4割が何らかの障がいを持っている人で構成されているそうです。
障がいを持っている人はどうやって生活をしているかというと、健常者のヘルパーさんがつくそうです。
そのお話会では、エグモント・ホイスコーレンに留学をした障がいを持っているショウタさんと、健常者のヘルパーとしてショウタさんと生活を共にしていた学生5名で活動している、ドガームというチームの皆さんがそれぞれの視点から話をしてくださいました。
学校では、陶芸やセーリングなど多種多様な70種類の授業があるそうです。
普段の生活、学校での授業も障がいを持った人と健常者が共に過ごします。どうやって生活しているかというと、障がい者の学生がBOSS、健常者の学生がヘルパーとして、雇用で結ばれています。最初は手探りのところはあるけれど、共同生活を送ることで友人のような絆が築かれていくとのことでした。
お互いに対等に話をするため、喧嘩をするなんていうこともあったそうです。
そして、障がいがあっても自分の人生を自ら決定し、障がいがあるから諦めるということがない環境にあるというと言われていたのが印象的でした。
学校生活での写真をたくさん紹介していただき、それぞれの生き生きとした、心から楽しんでいるという状況が伺えました。
学校では、デンマーク人のダウン症の方もいて、その人はとても明るく、いつも踊ったり歌を歌ったりと、ムードメーカーであったと言われていました。
この日は、障がいのある息子さんであるショウタさんを留学させたお母様のお話も聞くことができました。
小さい頃から、健常の子と一緒に過ごさせたいという思いがあったようですが、なかなかそういった環境がなかったことから、色々と調べていくうちに、エグモント・ホイスコーレンに出会ったそうです。
留学は半年間を2回、ショウタさんは日本に帰ってきてから自分がしてほしいことを表現するようになり、ヘルパーの学生さんたちとも交流を持ちながら過ごしているということで、心配はしたけれども留学させてとても良かったと言われていました。
お話会では、デンマークでの障がいを持つ人との接し方についての話が広がりました。
デンマークでは、個性を大事にする環境で、障がいを持っている人に対して冷ややかな目線がなく、受け入れる姿勢があるとのことでした。
ただし、デンマーク中でも、エグモント・ホイスコーレンは特別な場所であり、他の学校が障がいの方と健常の方が一緒に学ぶという環境というわけでははないようです。
これはもしかすると冷たい印象に捉えられるかもしれませんが、助けを求めていないのに助けるというのは余分な配慮という考え方もあり、障がい者自らが助けを求めないと助けてもらえないということも印象に残ったことの一つです。(もちろん明らかに困っている人には手を差し伸べるそうです)
色々お話を聞いていくうちに、私が気になったこと、それは障がいを持つ人に対してどのような点に気をつけて接しているかということ。
お話会のメンバーのお一人に聞いてみました。
すると、一人の人として接するようにしていますという答えが返ってきました。
例えば、パッと人と会った時に、服がかわいいねなど、その個人についての興味が湧くのと同じように、障がいがあるという枠を外して、その人と向き合うことを大切にされているようです。
また、障がいある方は、親と一緒に行動していることも多いですが、障がいのある方と話すときはどんな状況であれ、親ではなく本人に話しかけるようにしていると言われていました。(多くの親は、子どもの代わりに答えてしまうようです。。。私も子どもが大きくなったら気をつけようと思いました)
また、今回のメンバーの方に、どうして障がいを持った人との共同生活を送ろうと思ったのかをお伺いしたところ、小さい頃に仲良くしていた子が障がいを持っていて、当時モヤモヤしていたことがあったから学ぼうと思ったという方、お母様が就労支援の施設に関わっていたことから興味を持つようになったという方もいらっしゃり、障がいを持った人と接することがその人の人生に大きく影響をしているということも知ることができました。
私は、娘に出会うまで障がいを持つ人とほとんど関わることがなく生活をしてきました。今思い返すと、中学の時に障がいがある男の子がいたのですが、クラスも別で当時は関わる機会がありませんでした。
娘が生まれ、障がいを持つ人がどんな場所で学校生活を送っていくのかを見聞きしていくうちに、これから生きていく中で、健常者の方と関わることがあるのだから、できるだけ一緒に過ごせる環境をと思っていました。
今回、お話を聞いてその考えに変化がありました。
健常の方と過ごすことを目的にするのではなく、気の合う仲間、本人がワクワクできる環境で学び、生活できることを大切にし、娘の意向を尊重しながら学校やそれ以降の生活の場を選んでいくということ。
私はあくまでも選択肢を探すだけで、本人がどうしたいかそれを大事にしたいと心に留めることができました。
ドガームのメンバーの方は、とても仲が良く、自分たちが学校で体験してきたことを伝えていきたいという熱意を胸に活動されていることが、お話会を通じて伝わってきました。
新たな視点、気づきをもらった時間で、参加できて本当に良かったです。
ドガームは全国でお話会をされているようです。もし機会があればとてもおすすめです。
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