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#361 あなたがいたから僕は今でも飲食を続けていられる

人生の道しるべとなる「恩師」という存在。僕が今もなお飲食業界で夢を追い続けていられるのは、間違いなく一人の恩師のおかげです。彼との出会いがなければ、今の僕は存在しなかったでしょう。今日はその恩師に感謝の意を込めて、彼との思い出を振り返ります。
#思い出

初めてのカルボナーラとイタリアンの魔法

僕が初めて飲食業界に足を踏み入れたのは、20歳の頃でした。そのとき出会った地元で有名なイタリアンのシェフ、彼が僕の最初の恩師です。彼は厳格で、毎日のように叱られました。しかし、彼の料理に対する情熱と技術は比類なきものでした。

それまで僕が食べたパスタといえば、缶詰のミートソースばかりでした。本格的なパスタを初めて食べる機会を与えてくれたのが恩師でした。ある日、彼が作ってくれたカルボナーラを初めて食べたとき、その味に衝撃を受けました。濃厚でクリーミーなソース、アルデンテに仕上げられたパスタ。その一皿には、彼のすべての愛情と技術が込められていました。その瞬間、僕は料理の魔法にかかり、料理に対する情熱が芽生えました。

彼の教えは単なる技術に留まらず、料理を通じて人々に喜びを提供する大切さを教えてくれました。例えば、素材の選び方から火加減の調整、盛り付けの美しさまで、すべてに細心の注意を払うことの重要性を教えられました。彼の言葉は今も僕の心の中で生き続け、僕が飲食という仕事に込める思いに影響を与え続けています。
#カルボナーラの魔法

忘れられない夜

ある冬の夜、僕が仕事で大きな失敗をして落ち込んでいたときのことです。恩師は僕を厨房に呼び出し、黙って料理を始めました。彼の手際よい動きに見とれながら、僕は徐々に自分の失敗について話し始めました。恩師は黙って僕の話を聞き続け、その間も手を休めることはありませんでした。

料理が完成すると、恩師は僕に一皿のプッタネスカを差し出しました。「食べてみろ」と言われ、一口食べるとその味が心に染み渡りました。彼の作るプッタネスカは、どんな言葉よりも僕を慰めてくれるものでした。その夜、僕は彼の言葉と料理に救われました。彼の優しさとプロフェッショナリズムが、僕にとってどれほど大きな支えになっていたかを改めて実感しました。
#背中で語る

恩師との別れとその後


僕がドイツにいたとき、恩師が他界したという知らせを友人から受け取りました。その瞬間、僕は放心状態に陥り、ドイツの街中で涙が止まりませんでした。周囲の喧騒はすべて遠く感じられ、ただ彼のことだけを考えていました。彼の教えがなければ、僕はこの道を歩んでいなかったでしょう。彼の思い出とともに、僕は飲食に対する情熱を再確認しました。

恩師が好きだったパスタはプッタネスカでした。今でもそのパスタの名前を聞くと、当時の彼との思い出が鮮明に蘇ります。彼の笑顔、彼の叱責、彼の温かさ。すべてが僕の心に深く刻まれています。今の僕が当時の恩師と同じくらいの年齢になり、彼がどれだけの経験と知識を持っていたかを改めて感じます。僕が今まで学んできたことや経験してきたことを彼に伝え、一緒に新たな料理を作り出せたらどんなに素晴らしいことかと、時折考えます。そして、ふとした瞬間に彼のことを思い出し、そのたびに心が温かくなります。

恩師が亡くなってからもう10数年が経ちますが、その教えは今も僕の中で生き続けています。
#色褪せない記憶

感謝の気持ちを込めて

恩師から学んだことは、僕の人生に深い影響を与えました。彼から受けた教えや感じたことは、今も僕の心に生き続けています。カルボナーラの魔法を通じて、僕は自分の人生を変える勇気を持つことができました。

恩師の存在に感謝を忘れず、彼の教えを次代に継承し、飲食業の未来に貢献していきたいと思います。例えば、後輩たちに彼から学んだ技術や心構えを伝え、彼らが成長していく姿を見るのは僕にとって大きな喜びです。恩師の教えを胸に、これからも飲食業界で新たな夢に向かって歩み続けます。

ありがとう、恩師。あなたのおかげで、僕の人生は豊かで充実しています。そして、僕もまた後輩たちにとっての良き恩師でありたいと願っています。
#ありがとうございます

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