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正月になると、電車の駅の構内は帰省客でごった返しますね。その風景を見るたびに、僕は「ああ、日本らしいなあ」と感じます。特に目を引くのが、皆が手にしているお土産袋。家族や友人への気遣いを形にしたこの文化、なんとも温かいものです。ところで、飲食業界としてこの流れ、見過ごしていませんか?
#お土産需要

お土産文化の強さ


日本のお土産文化は根強いです。観光地はもちろんですが、駅や空港でもお土産コーナーが賑わう光景はおなじみですよね。なぜこんなにお土産が好まれるのか。それは単に物を渡すだけではなく、気持ちや感謝を伝える手段だからです。

例えば、帰省先で親戚に配るために買うお菓子。あるいは、旅行先で職場の同僚に渡す小さなお土産。これらは相手を思う心の表れであり、単なる商品以上の価値を持っています。飲食店としては、ここに商機が潜んでいると僕は思うのです。
#日本独自の文化

飲食店が狙うべきお土産商品


では、飲食店としてどうこの需要に応えるべきか。ポイントは三つあると思います。

①長持ちすること

お土産として選ばれる商品は、保存がきくことが重要です。例えば、日持ちのする焼き菓子や、真空パックされた食品などは非常に人気です。正月に購入されたお土産が相手先で楽しめるタイミングは、数日後かもしれません。

②地域性があること

「ここでしか買えない」ものが、お土産としての価値を高めます。その土地ならではの食材を使った商品や、地元の伝統的なレシピを活かしたものなど、地域性を強調することで魅力が増します。オンライン販売が当たり前の時代だからこそ、現地限定商品は希少価値を高める強力な武器となります。

③パッケージが魅力的であること

お土産は渡すときのインパクトも大事です。包装やデザインに気を配ることで、商品自体の価値を高めることができます。シンプルで洗練されたデザインや、受け取った人が喜ぶ工夫を取り入れると良いと思います。

成功事例から学ぶ


例えば、北海道の「白い恋人」や東京の「東京ばな奈」は、その土地を代表するお土産として圧倒的な支持を得ています。これらの商品には、上記のポイントが見事に組み込まれています。長持ちすること、地域性、そしてパッケージの魅力。この三拍子が揃うことで、長年愛され続けているのです。

また、最近では「SNS映え」を意識したお土産も増えてきました。色鮮やかなスイーツや、ユニークな形をしたお菓子など、手に取るだけで写真に撮りたくなる商品は特に人気です。このようなトレンドも、商品開発の参考になりますね。

さらに、季節限定商品というアプローチも効果的です。例えば、正月なら縁起物を取り入れたパッケージや、限定フレーバーを採用することで特別感を演出できます。これが購買意欲を大きく刺激します。
#地域性

僕が考える理想のお土産商品


僕自身が考える理想のお土産商品は、「驚き」と「安心感」を両立させたものです。例えば、見た目は普通のクッキーだけど、中に地元の特産品を使ったフィリングが入っているとか。食べて初めてわかる驚きがありながら、どこかほっとする味わいがある。こうした商品は、きっと受け取る人の記憶に残るのではないでしょうか。
#品質が悪ければリピートはない

飲食店の取り組み次第で変わる未来


正月のような特需のタイミングに、飲食店が本気でお土産需要を狙えば、新たな顧客層を取り込むチャンスが生まれます。特に、帰省客や観光客をターゲットにした商品開発は、その後のリピーター獲得にもつながります。

また、単に商品を売るだけでなく、お土産を通じてその土地や店の魅力を発信する役割も果たせます。これが飲食店のブランド力を高め、長期的な利益にも寄与するのです。

さらに、オンライン販売が難しい現地限定商品は、その土地を訪れる動機づけにもなります。わざわざ現地に足を運ばないと手に入らない特別な商品。それこそが、その土地の観光資源としても力を発揮します。
#お土産文化

まとめ


お土産は単なる「物」ではなく、「心」を伝えるツールです。この文化を活かし、飲食店として魅力的な商品を提供することは、大きな可能性を秘めています。正月の帰省ラッシュの中、手に取られる商品を作る。そのためには、地域性、保存性、そしてデザイン性を意識しながら商品開発を進めていくと良いと思います。

来年の正月には、僕の考えたお土産が多くの人に選ばれている…そんな光景を想像すると、なんだかワクワクしてきます。そんなことを考えた今年の正月でした。
#毎日飲食のことを考えてる

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菅野 大輔 (ワインテイスター/食クリエーター:かんの だいすけ)
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