まちづくり×アート(韓国・釜山編)
*2020年7月WALLSHAREのサービスはWALLSHARE株式会社に移行いたしました。
世界にはアートの力でまちづくりが成功した事例が多数あります。
皆さんも海外に行った際に壁に描かれているアートと一緒に写真を撮ったりした経験はありませんでしょうか?
今回は圧倒的なアートの数でまちおこしに成功している、
韓国の釜山にある甘川文化村を紹介いたします。
↓釜山の警察署にある電話ボックス
気づきましたか?
よく見ると耳元に電話があります。
日本では見れないユーモアな光景ですよね(笑)
甘川文化村
甘川文化村は釜山の金海国際空港から電車で1時間程、
繁華街エリアの西面/서면( ソミョン)からも40分程でいける場所になります。
小高い山にあるので最寄りの土城(トソン)駅からはタクシーを利用して向かいます。
甘川文化村は1950~53年におきた朝鮮戦争の難民が山岸に集まりできた集落ですが、
今では年間30万人を超える観光客が訪れる場所になりました。
2009年に韓国で『パブリック・アートプロジェクト』が推進され、
その中でもひと際目立ったのが甘川文化村です。
プロのアーティストはもちろん、住民の方々も参加をしてアートでまちを彩りはじめました。
今では数えきれないほどのアートがまちに点在します。
↑マンホールを利用した地面へのアート。
まさにまちの美術館ですね。
同時期にSNSも普及し若い人たちも多く訪れることから、
おしゃれな雑貨屋さんやカフェも増えてきています。
またご年配の方がガイドを務めるケースもあり、雇用にも繋がっている点が素晴らしいです。
まちには昔から住まいを持たれている方も変わらず過ごされてるので、
立ち入りができない通路など多少の規制はありますが、
1~2時間では回り切れないほどの範囲にアートが点在しています。
↑カラフルが目立つ中、ここの建物の隙間は青色一色の風景。
きっとディレクションをされた方の意図だと思います。
見れば見るほど発見が多いです。
まちおこしと歴史
日本でも今では観光地となっている広島の原爆ドームやイタリアのコロッセオなど、
戦争や紛争という歴史がありながらも、乗り越えている背景があります。
アートにあるひとつの要素として、社会などへのメッセージや想いを表現するというものがあります。
甘川文化村も戦争という、あってはならない出来事によって創られたまちですが、
暗い歴史に対して問い、ネガティブな歴史を払拭をするかのようにアートが溢れるまちづくり。
すごく大きな規模なので、中には反対意見もあったかと思いますが、様々な人の思いが交わり今に至ります。
アートに正解はないとはよく言いますが、
まち全体がアートそのもので人々に問いをかけているようにも感じました。
ビジュアルとしても楽しみながら、歴史にも目を向けるとさらに深く楽しめるという面でも良い事例です。
私は2時間ほど滞在しましたが、回り切れませんでした。。
次回はもっとスケジュールを確保して臨みたいと思います。
是非皆さんも機会があれば足を運んでみてください!