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木蓮の花開くころ

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ここでは、かっこよくない障害者のぼくの半生を語ります。そこで出逢った友人はかけがえのない財産です。
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#脳性マヒ

春を待つ手紙

 政治に携わる人の演説を聴いて、投票したい気持ちに駆られたことがあまりない。 思想をこえ…

言いわけ、疲れ、ノスタルジー

 ほぼ毎日、つづけていたnoteへの投稿が一日あいてしまった。 文章の長短にはかかわりな…

たんぽぽサラダ

 その焼き肉屋に店名はなかった。    夏の夕方だった。  役所での会議の帰り、たまらなく…

記憶を拾う(三才~五才)

タンスにつかまり立ちをして、洋服をひっぱり出していた。 それでも、𠮟られることはなかった…

ねぇちゃん乱入

  普段、ぼくは姉を「ねぇちゃん」と呼んでいる。 六十歳を過ぎたのに、まだ「ねぇちゃん」…

なんでもない午後の風景

 いつだっただろうか。引きこもりはじめたころのありふれた午後だった。ラジオも音楽も聴かず…

窓越しの別れ

 その朝、祖母は五歳のぼくに大芝居を打たせようとしていた。 「お昼からお医者さんが来はるんや。おかあちゃんが診てもらわはるんやけど、熱があることにしておくさかい、このお布団で寝ててほしいんや。おかあちゃんに聞かれたら、【しんどいねん】ってお芝居してな」  ぼくは事の重大さを察して、祖母の頼みを引き受けた。昼過ぎに母が奥座敷へ入って来たけれど、子どもながらに気合の入った演技でなんなく切り抜けた。  しばらくして、ベレー帽を被った白衣の先生が入ってきた。母は診察を受けざるをえな