
日本山岳耐久レース⛰ハセツネ(31回2023年)
トレイルランニングの大会の中で最も歴史のあるハセツネcup(距離71km累積標高4582m)に出て、完走できました。
来年も走りたい!と思ったので、それ用のメモとして書いていきます。
前半はレースレポ
後半が準備、持ち物や試走などです。
天気予報(東京都檜原村)
駆け抜ける山々の山頂の最低気温は6〜7℃かな?と予想しました。1〜2ミリ程度の雨予報はあまり気にしませんでした。これは人によるかな?
夜間ジャケットは必要そうです。スタートからアームカバーをしました。

当日のコアタイム

長谷川恒男CUPで通称ハセツネ
ハセツネは初めての参加だったので不安要素がたくさんありました。50kmの大会や練習はしたことがあっても70kmは走ったことがありません。
初めてフルマラソンに出る時のような「そんなに走ったら、どうなっちゃうんだろう」という【期待 < 不安】です。
いろんなところから情報を検索しました。友達にもたくさん教わりました。自然相手のトレイルランニングは下調べ、準備がとても大切です。
同じように模索している方の役に立てれば幸いです。
まずは結果


40代女性は78人くらいいました
レース本番
エリートグループの次、第1グループに入れてもらえました。春に行われたハセツネ30kで女子50番以内に入れたことで、本戦の出場権を貰えたからです。
ハセツネの71kmを【4つの山場】と考えることにしました。
①浅間峠まで(22km)
②三頭山(36km)
③御前山(46km)
④大岳山(53km)
①浅間峠までは22km。
トップ選手のインタビューで「1番キツいのは浅間峠までです」と言ってました。友達も同じことを言うので覚悟を決めました。
小さなピークがたくさんあって、ノコギリ状にアップダウンを激しく繰り返して、脚を消耗します。
スタートから間もないために元気いっぱい!勢いがすごくて、ほとんどの人がペースを上げ過ぎる区間です。
私の対策は
スタートダッシュのロードでキロ5分切りに付き合わない。キロ6分くらいでちょうど良い、と。
豪徳寺や今熊神社から先はシングルトレイル(1人がギリギリ進める道)なので、必ず渋滞する。ただその流れに身を任せて着いて行く。

この計画通りに進みました。
ムリに先を急ぐ人に対しては、どうぞどうぞと先を譲り、ザックやウエアの色を記憶するようにしました。
先を急ぐこの人は後でバテる。だから大丈夫。
この服装の色合いを見つけたらハッ!として元気になるちょっとした布石です。
醍醐丸の応援が盛大でとても元気をもらえました。
噂には聞いていましたが、想像の3倍くらい賑やかでした。
カウベルのカン!カン!という音や、たくさんの声援が聞こえると込み上げて泣きそうになりました。本当にありがとうございます。
浅間峠には約4時間、暗くなる前に着きました。
概ね順調。
ザックを下ろし、ベンチに腰をかけ、ゴアテックスのジャケットを羽織りました。ヘッドライトを付け夜間装備は完了。
浅間峠からポールが使えるので喜んで出しました。私をスキーに連れてって世代。10代の頃はスキー場で働いていたのでポールには慣れてます。
もののけ姫のヤックルみたいに四つ足で走れる!というイメトレもバッチリしてました。
②三頭山
ここが一番キツかったかもしれません。闇夜を手探りで走る感じでした。
試走はしてました。
試走では浅間峠からスタートしていたので疲れていない元気な脚で走ったコースと、本番で浅間峠を超えクタクタ、ヘロヘロになった脚で走るコースは全く別物でした。
すでに脚が売り切れか?いや20%くらいは残ってるだろ?と自問自答をくりかえしました。
前情報通り、奥多摩湖の水分と気温が下がったので霧が発生しました。
ウォームライト(後述)はガスっていても快適でした。
霧雨も降ってましたが、雨は余り気にならない程度です。
頭はバフで汗を抑えてオシャレにする予定で購入しましたが、天気予報が雨だったのでサロモンの超軽量サンバイザーにして正解でした。顔に当たる雨を防ぐことができました。
③御前山
イメージ通りでサクッと通り抜けました。ラクではないけど予定通り。というより、印象に残ってない所。一番調子が良かったのかもしれません。
人に抜かされることがほとんどなく、足を止めてる人を抜かして通り過ぎる区間でした。

④大岳山
普段練習している高尾山周辺にはない岩場の多いコースです。
鎖場があって鎖を掴んで引っ張って進むところもあります。足よりも腕。岩場を掴んでよじ登る、身体を引き上げる。ポールが邪魔に感じる区間です。
試走をしながらポールしまうタイミングを決めておくと良いのかもしれません。
来年はそうします!


上りも大変ですか、下りはもっとリスキーです。岩場でコケて怪我をしたくない。
怪我ってゴールできないどころか、仕事や周りの人に心配かけるので、趣味の域を超えてしまいます。
スピードよりも絶対安全を心掛けて進みました。

①浅間峠まで(22km)
②三頭山(36km)
③御前山(46km)
④大岳山(53km)
この4区間が終わったらあとは下り基調。
上りもありますが、走れるところ。
3〜4人の集団でトレインしました。
ゆっくりに感じましたが迷いたくないのと、走ったことのない距離で飛ばし過ぎてバテては本末転倒です。ウサギとカメのウサギになりたくない一心で安定の4人トレインに引っ張ってもらいました。

月曜の2:36にゴール
目標は15時間切りだったので13時間36分で大満足のフィニッシュ。
雨は降ってましたが路面が荒れる前だったので滑って尻をつくのも1回だけで済み、ドブに浸かったみたいにはなりませんでした。
もちろんそれなりに汚れてます!汚れは勲章です🎖️
ここから先はどんな準備をしたのか書いておきます。長くはなりますが、noteは目次がありますので、そちらからチョイスしてください👉
試走は2回、夜間走は1回
試走1回目はコース後半、綾広の滝を確認
武蔵五日市駅→都民の森までバス移動
→中間地点の鞘口峠(さいぐちとうげ)
→ゴールの五日市会館。
顔馴染みの友達と3人で楽しく走れました。
この日の1番のミッションが水汲み場である「綾広の滝」の確認でした。

かなり冷えてておいしい水
ハセツネはエイドステーションが第二関門(42km)の1カ所しかなく、そこで水かポカリを3本(1500cc)だけもらえます。
その先の2〜3カ所で水を汲める所があるらしいのですが、コースのすぐ脇で汲めるのがこの綾広の滝。他の水場はルートから少し離れてしまいます。
水切れが怖かったので、場所を知ってとても安心しました。
試走2回目はコース中盤
武蔵五日市駅→上川乗バス停下車
→浅間峠(22km地点・第一関門)
→大ダワから鋸山→奥多摩駅。
ハセツネの2週間前、友達にお誘いしてもらいベテラン集団に食らいつくようなキツめの練習でした。初めましての人たちにご迷惑をかけるわけにはいかない!と思うと、実はハセツネ本番より緊張しました。

トイレあります(後ろの建物)
試走前半はしませんでした。
コース前半は大渋滞が起こると聞いていました。急いでも、急がなくても渋滞に着いて行くしかない。渋滞に巻き込まれながらオーバーペースを予防する作戦。
この作戦がハマりました。
男性の方がロードのスピードが圧倒的なので、たくさんの人に抜き去られました。でも我慢。ウサギとカメなら喜んでカメになろう!の精神で。
夜間走は高尾のマンモストレイル(41km)


ナイトランは危ないのでしなくてもいいという方も多いのですが、滅多に使わないヘッドライトの電池がどれくらいもつのか?真っ暗な森の恐怖心ハンパね〜という怯えた気持ちを知るためにも決行しました。一人夜間走。
たくさんの方にヘンタイだと思われました😅
片耳にイヤフォンを入れて音楽を聴きながらだと、茂みからザザザといった怖い音に敏感にならず進めたのでよかったです。夜間走にイヤホンはおすすめします。暗闇でへたっぴな歌も歌いました。熊鈴もじゃんじゃん鳴らしました。
ルートは何度も入ったことのあるコースをつなぎ合わせて40km超え。

何も写ってなかったです
タヌキかハクビシンかな??
結果的に自前のヘッドライトの電池の持ちが3〜4時間だと分かり、新しいものを購入することにしました。後ほど詳細を書きますが、新しいヘッドライトを買ったのは大正解でした。
水はどれくらい?
「どれくらい水を持って行くの?」という話をハセツネに出る予定の方とは挨拶のように話しましたが、試走して、当日の予想気温(割と低め)と照らし合わせて決めたのが2200ccでした。
正確には背中のハイドレーションに水1750cc。胸元のソフトフラスクに470?くらいのレッドブルを入れました。
ちなみに私は152㎝で体重が48kgくらい、痩せてないけど小柄な女性です。
月夜見のエイド(42km地点)の30分くらい前に水切れしました。もう少し多くても良かったかも知れません。同じコンディションなら2500ですね。
水切れした理由は脚がピクピク攣りそうになる前兆があり、塩をたくさん舐め、それを流し込むために水を飲んだからです。足攣りには水分もミネラルも両方必要ですね。
試走と本番ではペースが違うので汗も大量に出るし、筋肉へのダメージも大きいんだなって知りました。
補給食は?胃腸も鍛えた

固形物は小さなおにぎりとコッペパン
ハセツネに出れることになって、最初に心配したのが補給食でした。胃腸がやられて、食べ物が受け付けなくなる、ジェルも摂れない、動けなくなる・・・という人の話をたくさん聞いたので。
それで普段のランニング中にもウイダーインのようなジェルではなく、パンを食べたり、トレイルに入っても羊羹、パン、おにぎりなどの固形物を食べて走るようにしてました。
夏の暑い時はガリガリくんも食べましたけどねw
それで分かったことは山頂でしっかり固形物を食べると下りの衝撃、上下動で気持ち悪くなる。消化にも良くないですね。
逆に上る前、上っている時はスピードも出ないし衝撃が少ない。お腹が揺れないのでおにぎりやサンドイッチ系の固形物もしっかり食べることができました。
つい山頂でいい景色を眺めてたくさん食べがちだけど、山頂は消化に優しいジェルや水分補給がいいような気がしました。
夏の間は自分の胃腸の取り扱い説明書を作るような補給練習ができたので、その作戦がハマって良かったです。
ヘッドライト、ハンドライト
今回2つ購入しました。
ハンドライトはこれ。トレイルランナーのブログなどでおすすめレビューが多かったので買いましたが、友達も持っていました。
GENTOS(ジェントス) LED 懐中電灯 閃シリーズ 【明るさ200-480ルーメン/実用点灯4-11時間/耐塵/防滴】 ANSI規格準拠
実際のハセツネでは予備として持っていきましたが、使いませんでした。
練習の夜間走(高尾)で使ってみて、とても良かったので持っているだけで安心感はあります。
私はポールを使うのでハンドライトは予備です。
もう一つ、コレを買いました。
電池が後ろに付いてて大容量なので使いたい光量(2番目/4段中の強さ)で10時間は持ちそう。これがヘッドライトの主役になりました。
↑上りの時、足元だけを照らせばいいときは4段階の1番暗い光量
下りや遠くまで見通したい時は2番目の光量と切り替えて使いました。
13h36でゴールしてますが、14時間かかったらハンドライトを使ったかも知れません。ギリギリでした。
心配な方はバッテリーの別売りがあった方がいいです。
マイルストーンのヘッドライト↓は前から使っていて、これは白いLEDではなくウォームライトなので霧が出ても見やすい利点があります。今回は腰につけて、霧が気になる時だけ点けました。
ただ電池は4〜5時間で交換したくなる暗さになります(アルカリ電池の場合)それで上記のMS-i1 を奮発しました。12000円くらいだったかな。
ポール(ストック)大活躍
ブラックダイヤモンドのポールを愛用しているのですが、買ったのが15年以上前のものです。軽くてグリップもスッキリしてて好きです。
私をスキーに連れてって世代なので慣れているのかも知れません。
ポールは上る時に使うといい!という方が多いのですが、私は下りでも使います。古傷の膝(十字靭帯)を保護するために、体重をかけないように杖のように使います。
そして下りのポールが使えると高速で駆け降りて、とてもいい気分です。
今回も金毘羅尾根はポールで駆け降りました。
私のポールはベルトを付け替えてます。
マスクの紐に使われているゴムを少し長めにつけています。ベルトだとグローブが必要ですが、マスク紐は肌に優しく伸び縮みするのでグローブなしでも手を傷つけません。
それに少し長い紐なのでグリップよりも下のシャフトのところを握れます。
ポールを短くして使うと上る力も少なくて済みますよ。
これはいろんな人にオススメしているのですが、誰も既製品のベルトを切ったりしませんね〜絶対良いと思うんだけどなぁ
ボランティアさん
応援の方々に感謝
印象深かったのはスムーズな運営です。たくさんの目印テープや赤灯、各所での案内も雨の中、寒さの中で一晩中やってくださってると思うと頭が下がります。
各所での応援もとてもチカラになりました。
30回のトライアンドエラーを繰り返してのスムーズな運営なのでしょうね。皆様にとても感謝します。
心からありがとうございました!