動きを音に変換して指導する
自分が上達したいなら、人に教えることが最も学びになり、最も近道になると感じています。自分が理解していないことは人に教えることができないからです。
本を読むにしても、ただ自分の学びのために読むのと、人に教えることを前提として読むのでは、学びの質がまったく変わります。
スポーツであれば、選手同士で教えあうと、人との感覚の違いに驚くことがあります。
また、怪我をして満足なトレーニングができない選手に指導させれば、カラダは動かせなくても上達できるメリットがあります。
感覚を音にする
競技を教えるときに難しいのが、ちょっとしたコツや細かい感覚を伝えることです。
手とり足取りで教えられればいいのですが、ボート競技のように離れたところからしか指導できない競技は、言葉に変換して伝えることになります。
〇〇のような感じで・・・とか、〇〇をするように・・・とか、感覚を伝えることはとても難しいものです。
そんなときに有効なのが、動作を音で表現する方法です。
力の入れ方を表現するとき、一瞬で力を込めたければ「グッ」っとだし、長く持続的に入れたければ「ぐーーーー」っとなります。
手を離すのであれば「パっと」なのか「ふわっと」なのか。
バシッとバシーン、ギュッ、ギュゥーーー、ギュゥーーーウッ、
語尾を上げるのか、下げるのかでも変わります。
オールを水に入れるとき初心者は「バシャン」とか共通はしているのですが、上達してくると選手によって「バシッ」「ペチャ」「ガッ」など感覚のち外が音に出ます。
料理が上手か下手かも、包丁使いの音で表現できます。
きゅうりの輪切りであれば、上手い人は貧乏ゆすりをしているときのように一定のリズムで「トントントントン・・・・」です。下手な人は音が途切れながらリズムも不安定で「トン・・・、トン・・・・・・、トン・・・」です。
包丁使いを「リズムが大事なんだよ」と教わったのなら、ピアノをやっている人はトントントン・・・ではなく、頭の中はメトロノームのカチッ、カチッ、カチッ・・・かもしれません。