正しく歩ける体は腰痛にならない体
地球上でもっとも繁栄している動物は人間
進化論で有名なダーウィンは、「生き残る種とは、最も強いものではない。もっとも知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである」という有名な言葉を残しました。
ライオンやキリンはアフリカ、シロクマはホッキョククマと呼ばれるくらいなので北極に、カンガルーはオーストラリアにというように、動物の生息地は動物ごとに限られています。動物の体は生息地や食べ物などに対応して進化しているため、適していない地域では繁栄しづらいのです。
しかし、人間は赤道直下から北極周辺まで世界中に住んでいます。
個体数も多く、これほど繁栄した動物は他にはいません。
寒ければ服を着ますし、火をたいて温まります。
また、暑ければ馬など一部の動物しか持っていない汗をかくという能力で体温調節をおこなうことができます。
食べ物が無ければ、農業や牧畜をし自ら作り出します。また貯蔵し、季節外れのも食べることもします。
人は変化に最もよく対応した動物ということができます。
直立二足歩行で腰痛になった
人がこれだけ地球上に繁栄できているのは、他の動物よりも著しく脳みそが発達したことが原因です。簡単に言えば、他の動物よりも頭がいいということです。
人は直立二足歩行をするようになり、腕が自由になり脳みそが発達したと言われますが、一方で、直立二足歩行をするようになったから、腰痛に悩まされるようになったとも言われます。
人は300万年前から直立二足歩行を始めた
直立二足歩行は人だけがおこなう移動方法です。
体のつくりも直立二足歩行に適応して進化してきました。
土踏まず、背骨のS字カーブなど、直立二足歩行のための機能は、他の動物に無い独自の形をしています。
変化に最もよく適応した結果として、直立二足歩行が今の人類に残っているのです。
もし二本脚で歩くことが変化に適応していないのなら、他の動物と同じように四足歩行に戻るなり他の移動方法をとっているはずです。
また、自然界で腰痛で動けなくなっていたとしたら、食べ物を得ることもできないし、肉食獣に襲われて命を落としてしまっているはずです。
そう考えると、大昔の人類には腰痛自体が無かったのか、腰痛があったとしても、直立二足歩行をすることに大きなメリットがあったと考えることができます。
慢性腰痛の人は、歩くための機能が落ちてしまっています。
慢性腰痛を持っている人は、直立二足歩行という体をまっすぐに立てて、二本足で歩くという歩き方ができません。
姿勢は猫背だったり反り腰だったりと、背骨のS字カーブが崩れています。
足元も扁平足になっていたり、外反母趾であったり、小指の爪が可愛そうなくらいに小さくなっていたりします。足の指も動かせずにグーチョキパーをすると筋肉がつってしまう人もいます。
背骨のS字カーブの崩れは姿勢の崩れです。
崩れた姿勢だと、2本脚で立てていたとしても、それは直立ではありません。
歩くということは、片足立ちの繰り返しです。
扁平足や外反母趾など、足元の機能の衰えは、片足立ちできないことに繋がります。
歩ける体が腰痛の無い体
しっかり歩ける体というのは、300万年前から人類が適応してきた体です。
姿勢が崩れ、片足で安定して立てないことは、歩けてはいるけれども、人が持っている歩く機能を考えると満足できるレベルでは無いと私は考えます。
整体で腰痛を改善するときにも、背骨のカーブを整えてS字カーブを復活させること、足元を安定させて立てるようにすることで、歩ける体を復活させることを意識しています。