ボート選手の肋骨の疲労骨折の予防方法
骨盤を立たせて背骨がS字カーブを描いていれば、腹横筋、腸腰筋、多裂筋が協力して腰椎を安定させるのですが、ボート競技では、骨盤を後傾させて漕ぐため多裂筋を働かせづらくなります。
体としては、腰椎を安定させる3本柱の一本が無くなってしまうので大変です。
そういうとき脳は別の部分を使って不都合が無いように対応します。
両手が荷物で塞がっている時に、足で戸を開けるのと同じようにです。
そこで代わりに働かせるのが、腰椎から指4本分くらい外側にある腰方形筋であったり、脇腹あたりにある腹斜筋です。
腸腰筋、腹横筋、腰方形筋、腹斜筋で腰椎は安定されるようになります。
しかし、腰方形筋や腹斜筋は本来は腰椎を安定させるための筋肉ではないので、負荷が大きくなったり疲労が溜まってくると、そのうち不具合が出てきます。
腰方形筋がガチガチに凝り固まれば腰痛に、腹斜筋が過剰に働けば肋骨の疲労骨折になります。
ボートのパフォーマンスアップには、腰方形筋と腹斜筋の強化だ!とトレーニングすることも大事ではありますが、ボート競技の場合は、本来使われるべき多裂筋の強化や促通をしていくと腰方形筋が緩んで腰痛がかいしょうされたり、腹斜筋が肋骨を刺激しなくなります。
このとき多裂筋を単体でトレーニングするというよりは、ボートを漕いでいない普段の生活の中で、多裂筋が普通に働くような状態になるようにしていくことが大切です。
具体的には、体を設計通り、作り通りに使えるように背骨をS字にすることです。
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