ストレスが呼吸を浅くする意外な理由
前回の記事でも紹介しましたが、負の感情は筋肉を硬く緊張させると耐えることができます。
そのためストレスを受けたとき人は、無意識のうちに筋肉をこわばらせています。
*緊張すると肩に力が入ります。
*怒りに耐えるときは拳をぎゅっと握りしめます。
*悔しいときは奥歯をギリギリ噛み締めます。
こわばらせるのは、肩であったり拳であったりアゴであったり、感情によって違ったりします。また人によって力を入れやすい部位も違います。
しかし、どんな感情に対しても共通してこわばらせる硬めやすい部分があります。
それが横隔膜、つまり呼吸です。
緊張したときは肩に力が入るのと同時に、呼吸も浅く速くなります。
そのため深呼吸をして緊張を和らげます。
拳を握りしめると、お腹にも力が入って腹式呼吸でのお腹の動きが制限され呼吸が浅くなります。呼吸は胸式呼吸になりやすくなって交感神経が優位になります。
やってみるとわかるのですが、奥歯を噛み締めると意識しても深い呼吸をすることができなくなります。
詰めていた息をフーと吐き出してしまうと、それまで必死で我慢していたのに、ポロっと涙がこぼれてしまいます。
横隔膜は焼肉で言えばハラミです。
膜と付いていますが、みぞおちの奥にあるしっかりした筋肉です。
横隔膜は息を吸うとき(力を入れたとき)縮んで、緩むと息が吐かれます。
そのため負の感情に耐えるときは、縮みっぱなし(吸ったまま)で息を吐かなくなります。過度のストレスによる過呼吸の状態です。
マインドフルネスや坐禅では、息を長く吐き切るように指導されます。
息を吐ききることで横隔膜がゆるみ、そこに溜まった負の感情も一緒に吐き出されていきます。