見出し画像

昨年最後の散歩は麻布台でした

大晦日は年越しまでずっと記事を書いていました。今年公開した最初の2本の記事(築地川)は、本当は昨年のうちに終わらせたかったのですが、予想以上に時間がかかったので年越しとなりました。

昨年の大晦日は築地に最後の取材に行き、そのあと六本木の東京ミッドタウンに行った後、麻布台ヒルズまで歩いて散歩してから帰ってきました。見出し画像はその時麻布台ヒルズで撮影したものです。(書いていた当時は新年ぽくて良かったのに、もう1月が終わってしまうではないですか。)
ここに寄ったのはショップに用があるのではなく、レジデンスBの進捗状況確認です。

麻布台ヒルズ、いつもに比べたら少なかったですが
それでも人はたくさんいました
工事が遅延しているレジデンスB(右側)の状況
やっと当初の計画どおり2棟が同じ背の高さになってきました
レジデンスB棟は六本木一丁目駅と繋がるようで
地下鉄駅出入口の表示が立っていました

ここに来ると、過去の景色を思い出してノスタルジックに浸ります。かつてこの辺で働いていたことが2度あります。1度目は2001年秋から約13か月、六本木ファーストビルにオフィスを構えていた企業でした。このビルは高台に建っていて、六本木一丁目から行くにも神谷町からも行くにも、坂を上る必要がありました。虎ノ門方面の出口に近いところには樹木に囲まれた遊歩道があるのですが、飯倉方面出口の狭い坂道はちょっと独特でした。道路沿いに建っている民家や店舗は、傾斜をうまく利用した古めの建物が多く、かと思えば裏には敷地面積の広い立派な一軒家もあり、道も狭くて袋小路みたいでした。その西側の一帯は谷底で、大中小の建物が多数建っている住宅地でした。

この地域は麻布通り(首都高速の近く)と桜田通り(神谷町駅前の通り)の間に挟まれているのですが、麻布通り側になるほど高く、桜田通り側が谷底の地形で高低差がありました。そこは「我善坊谷」(がぜんぼうだに)といわれている谷だったようです。


飯倉交差点といえば、坂の谷底と丘の頂点になっている地形でちょっとしたパワースポットらしいのです。交差点の桜田通り側は丘の頂点ですが、交差する外苑東通り側では谷底なのです。そんなことからも、この周辺一帯には坂が多く、高低差のある場所が数多く存在することがわかります。

飯倉交差点(2021年時点)
「神谷町&麻布台周辺散歩その2」の見出しで使いました


我善坊谷のwikipediaに出ている写真とほぼ同じ位置で2023年11月に撮った写真です。角度はちょっと違うのですが背景にいくつか同じビルが写っているのがわかると思います。

見えている中央の高いビルはレジデンスA棟
切れている右端が仙石山森タワー
その左隣が六本木ファーストビル
左端で切れているのが森JPタワーです
三年坂の階段は新しくなりました


こうなる前がどんな街並みだったかというとこんな感じでした。これは2009年の写真で、仙石山森タワーができる前です。赤で囲んだのが麻布台ヒルズとして再開発されたエリア。上方中央に斜めに建っているビルが六本木ファーストビル。中央下の建物は麻布郵便局があった飯倉ビルです。その跡地に現在高さ日本一の麻布台ヒルズ森JPタワーが建てられています。

出典:地理院地図Vector
(年代別の写真:2009年を加工)

2014年の写真。六本木ファーストビルの隣に仙石山森タワーが建ち(2012年8月竣工)、周辺の住宅がいくつか無くなって道路や集合住宅に置き換わって変化しています。

出典:地理院地図Vector
(年代別の写真:2014年を加工)

以前ここで働いていた頃に、麻布郵便局のゆうゆう窓口(本局などで時間外に郵便物を受付してくれるサービス)をよく利用していました。高台から麻布郵便局までは行きにくく、坂道を下って一旦桜田通りに出てから、飯倉交差点を経由して坂道を上って行ってました。実は近道があって、それがさきほどの我善坊谷で紹介した場所にあった三年坂の階段だったのでした。当時は南北を結ぶ道路も東西を結ぶ道路もこの辺には少なく、貴重な通路の1つだったと思います。

その約12年後に再びこのへん(麻布台一丁目)の職場で働く事になりました。12年の間に仙石山森タワーが建ち、周辺の道路が整備されていました。とはいえ窪地に建つ住宅や周辺の狭い坂道はそのまま残っていました。次の職場も麻布郵便局が最寄りだったのでいつも使っていました。麻布郵便局は民営化の影響かゆうゆう窓口が無くなっており、見た目は大きい郵便局なのにやっている事は普通の郵便局と変わらなくなっていました。気が付いた時にはこの辺一帯の再開発で飯倉ビルが解体される告知がされ、店舗が移転していました。複雑な思いで解体されていくのを見ていました。

出典:地理院地図Vector
(年代別の写真:2019年を加工)
解体中の写真ですがこうやってみると大規模です

そして数年後、あのごちゃごちゃしていた住宅地も含めた一帯が麻布台ヒルズに生まれ変わってしまいました。偶然とはいえ再開発のタイミングでここにいることに不思議な因縁を感じ、変化を見届けるためにある時から写真に残すようになったのでした。それをまとめたのがnoteを始めて比較的最初に書いた街歩き録の「神谷町&麻布台周辺散歩」シリーズです。
残念ながら完成間際にオフィスが移転することになり、毎日確認することはできなくなりましたが、比較的頻繁に通っていました。麻布台ヒルズ営業中のいまもここに来る目的は買い物客のそれとはちょっと違う目線なのです。

移転した麻布郵便局はしばらく桜田通り沿いにあったのですが、麻布台ヒルズに移転して「麻布台ヒルズ郵便局」になっているそうです。六本木駅のこの5番出口の表示、そろそろ直したほうがいいんじゃないですかね。(これは旧麻布郵便局が解体される前からある表示です。)


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