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オーディオとレコードの思い出話2

前回は自宅にあったビクター製据え置き型家庭用ステレオの話が中心でした。親元を離れ上京した後にどうなったかというと、オーディオ機器難民になりました。姉が先に上京していたので狭いアパートに居候させてもらったのですが、姉が持っていたオーディオ機器はモノラルのラジカセ1つ。テレビも10インチくらいのポータブルタイプ(アンテナが付いてていちおうチャンネルを受信できるけど画質は微妙、取っ手があって持ち運べるけどちょっと重い)。たしかこのテレビ、父母の部屋にあったものだった気が。モノラルラジカセも実家にあった物で、姉の上京時に持たせられた。そんなとりあえず観られればいい、聴ければいいという環境しかなかった姉の部屋。自分にもお金がなかったし学生のうちはオーディオ機器の購入は我慢して、レコードを買ってもすぐには聴けない環境で3年くらい過ごしました。(考えてみたらよく耐えられた、すごいな。)その間どうやってレコードを聴いていたのかといえば、叔母さんの家に顔見せがてらダビングさせてもらいに通っていたのです。なので2ヶ月に1回くらいの割合で行っていたと思います。

上京してすぐ、TOTOとクイーンが新譜を出しました。TOTOは来日直前の4月に「IV(聖なる剣)」をリリースします。来日記念盤が2000円で売られていました。クイーンは5月に「ホット・スペース」をリリースします。同年秋にクイーンも来日しています。
TOTOの新譜については、高校時代の友人が同じく上京して割と近くに住んでいたこともあり友人を頼りました。私が彼女のアパートまでレコードとカセットテープを持参してダビングさせてもらったのです。友人が持っていたのはトリオのROXYでした。でも、この状況はなんとなく微妙でした。友人も自分の物を好き勝手触られるのは嫌だろうし、かといってまだ使い始めたばかりで操作がいまいちわかっていない。友人はきっと、自分が力になれる事以外に、ちょっと自慢したいのもあって了承してくれたんだろう。私は彼女がTOTOを好きだという話は聞いたことがなかったから、早く終わらないかなと思いながら時を過ごしました。レコードを借りるならまだしも、レコード持参で録音再生機器を借りるというのは、するほうもされるほうも微妙でしたね。友人には感謝しつつ、その1回だけで終わりにしました。それ以降は横浜の叔母を頼りました。(実際は叔父さんのオーディオです。)

レコードからのダビングって、メディアの再生時間そのまんま必要でしたよね。書きながら記憶が蘇りました。今はPCにデータダウンロードし、必要に応じてプレイリストを作れば終了。なんて時間のかからないタイパな時代になったんでしょう。

さて、私が初めて自分のコンポーネントステレオを買ったのは1985年だったと思います。買ったのはパイオニアのプライベートシリーズでした。当時明菜ちゃんがCMしてた頃ですね。買ったのはそんなに高いやつではないですけど。レコードプレーヤーは当時の流行りだったリニアトラッキング方式でした。トーンアームじゃなくてまっすぐ横に進むやつ。最初のうちは問題なかったけれど、そのうち徐々に曲の頭出しが失敗するようになって、アームが進まなくなって、故障して買い換えたと思います。買った時期がRATTの「Invasion Of Your Privacy」のリリース手前で、最初に再生した新譜のアルバムはこれでした。

その後1987年にCDプレーヤーを導入します。XL-V501だっだと思います。型番で覚えているのは自社(V社)製品だからです。社員は社員販売というか営業担当から何掛けだかで買えたのですが、この機種はFM雑誌などの誌上チェックでも評価が高く、これなら買ってもいいかなと思ったのです。CDプレーヤーを買おうと思ったきっかけは、当時通っていた美容院の美容師さんの影響。音楽の話ができる担当さんで、話をしているうちに「CDは音がいいよ~」と強くオススメされ、興味をそそられてしまいました。そして購入を決めてしまったのです。

しかしよく考えるとウチにはCDがない。CDプレーヤーが来るのにCDの再生を試せないなんて、、、と思い、当時一緒に住んでいた姉妹たちには1人1枚欲しいCDを買ってくる命令が言い渡されました(出したの私か?)。

姉はデュラン・デュランの「NOTORIOUS」、妹はクリムゾン・グローリーのセルフタイトル、そして私は何を思ったか「レッド・ツェッペリンII」の日本盤。当時日本盤CDは3200円~3500円が普通でしたね。で、その数日後に買ったのが「レッド・ツェッペリンIII」です。こちらは輸入盤で、銀座の山野楽器の3階だったかで輸入CDフェアをやっててそこで購入しました。
当時はたしかビートルズのアルバムがCD化されたばかりの頃でそれが目玉だったようなんですが、申し訳ない、実は私はビートルズに一切興味なくて、手に取ることすらしませんでした。

私が買った最初の2枚のCDです(1987年当時)

CDプレーヤーの導入時は感動の嵐でした。ディスクを入れると情報を読み取ってトータルタイムとか曲数が出てくるし、デジタルの音が耳に刺さるほどクリアで、これはすごいって思ったんです。しかしその感動も束の間、1年経たないうちにトラブルに見舞われます。再生中に変なプロペラのような音が聴こえたり、音がモヤっとしてきたり、ディスクを入れても読み取れなかったり。CDプレーヤーは案外すぐに故障しました。

自社のサービスセンターで修理してくれるというのですが、納品時の箱はもう捨ててしまっていて送るにも箱がない。車は運転できないので持っていけないし。結局、次の機種(XL-V511だったかな)の箱が会社にあり譲ってもらえることになったので、そのダンボールを電車で持ち帰りました。CDプレーヤーは修理して一旦直ったのです(ピックアップ部分の故障でした)が、今度はトレイが出てこない不具合が発生。トレイを手で少し下にずらせば出てくるのはわかったのでCD自体は取り出せました。使用期間からもそんなにヘヴィには使っていなかったはず。だから、うちに来たこの機器がハズレだったんだなと思いました。(この機種のことだけではないですが、社内で業務をしていると製品の不具合はよく耳にしました。それに加え、何度修理しても不具合が再発し直らない機器があったことも知っています。)2番目の不具合の時は既にV社は退職していたので、修理するのがめんどくさくなり、トレイのこじ開けで完全に壊してしまって使うのを諦めました。(自力でなんとかならないか、と研究熱心なあまりやりすぎてしまいました。)

なので初めて購入したCDプレーヤーには苦い思い出があります。この機種、好きだったんですけど、次は別のメーカーにしたような気がする。あれ?結局何を買ったんだろう。もしかしたら、しばらくはLD/CDコンパチブルプレーヤーでもCDが再生できたのでそっちで再生してたのかも。コンパチって言葉、もうあまり聞かないですね。いまはそれが当たり前だからなんでしょうか。(Blu-rayディスクプレーヤーでDVDが再生できるように、後発の規格用の機器でそれ以前の規格も再生できるっていうか。)

LD/CD/CDVコンパチっていうのが出てきたついでに。CDV(CDビデオ)という規格を知っていますか?CDの中に映像を収録できるパートがあったCDのことで、音声部分は普通のCDプレーヤーでも再生できるのですが、映像部分はそれを再生できるハードウェアがないと観れなかったんです。そんな普及しなさそうな規格はやはりすぐに廃れます。知らない人も多いのではないですかね。

うちにあった2枚のCDV、のはずが1枚見当たらない。2枚ともチェッカーズ関連だったんですがもう1枚はどこに行ったんだ。(売却も譲渡もした記憶はないんですが、見つからないってことは手放したのかも。)

紙にシミが・・・
キュートビートクラブバンドは
チェッカーズの覆面バンドです

ちなみに収録曲の「7つの海の地球儀」の作曲はMicky Moody(ミッキー・ムーディ)でホワイトスネイクのギタリストだった人でお馴染み。編曲/プロデューサーのTony TavernerはUKのプロデューサー/エンジニア。「NEXT GENERATION」のMichael Kennerは架空の人物で、本当は作詞が秋元康さん、作曲は藤井尚之さんです。

見出し画像は、トリオからケンウッドに称号が変更された後に「ROXY」のCMアーティストに選ばれたチェッカーズの宣材(カードサイズの何かだったんです)。こっちも探したら出てこないので2013年に撮った写真で勘弁を。
何気に、この記事で名前が出ている2つの音響機器メーカーがのちに合併しています。名前が残るだけマシだったなのかな。

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