初めてのオーロラ
長い付き合いの高橋編集長から「オーロラを撮りに行ってください!」と、
言われて一瞬固まりましたが、撮影依頼だからすぐに行くことを決めました。
それも雪の中でのフィルム撮影を要求されてしまったのです。
オーロラなんて撮ったこともないし、途方に暮れたけれど、
NIKON F5とF100、予備にバッテリーがなくても動くF2と、
D200を持って空路カナダへ向かいました。
バンクーバー → エドモントン → イエローナイフと
カナダ国内で2度乗り換えて、何時間飛んだか分からないうちに
最初の宿泊地イエローナイフに着いたのが夜、そのままホテルのベッドへGO!
で、起きたと思ったら、次は氷上プロペラ機に乗せられて、
湖が凍ったブラッチフォード・レイク・ロッジへ連れて行かれてしまいました。
で、前夜はオーロラを観る時間は全くなかったから、
今夜が本番ですが、オーロラまで時間はたっぷりあったので、
初めての銀世界を堪能しました。
そんな感じでまったりしていたら、
いつのまにか窓の外には黄昏の雰囲気が漂ってきました。
でも、まだ時間があったので、カナダ名産の甘いアイスワインをいただきました。
グラスを重ねているうちに窓の外は宵闇の世界、
空気が冷たくて乾燥しているから、闇のグラデーションが綺麗でした。
そして、ロッジの中に目を移すと従業員とお客さんが、
なにやら話していたけれど、言葉も聴こえないし、
聴こえたとしても意味はわからないから、その光景だけを楽しみました。
そんな感じで過ごしていると、とうとうオーロラの時間が到来。
2台のフィルムカメラと1台のデジタルカメラを持って雪原へ突進、
幸いなことに僅かな時間で目的を達成することができました。
「案ずるより産むが易し」と言いますが、
難しいオーロラを撮れたことで、
ロッジに戻った時のストーブがより暖かく感じられました。
撮影機材:NIKON D200 17~35mm F2.8 20mm F2.8 60mm F2.8
撮影年月:2007年3月23日
掲載誌:一個人 2007年12月号