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アルゼンチンのSDGs達成度
アルゼンチンのSDGs達成状況を日本とも比較しながらまとめたいと思います。
アルゼンチン 2022年 54位
世界各国のSDGs達成度ランキングはアメリカのコロンビア大学の経済学者・ジェフリー・サックス教授が代表であるSDSN(持続可能な開発ソリューションネットワーク)が毎年発表しています。国連・研究機関の統計資料をもとに、世界各国のSDGsの取り組みを100点満点で点数化したSDGs達成度をランキングにしています。この報告書には世界各国のデータがとても細かく載っています。
https://s3.amazonaws.com/sustainabledevelopment.report/2022/2022-sustainable-development-report.pdf
2022年のSDGs達成度第1位はフィンランド(86.5)、なんと2年連続トップです。2位がデンマーク(85.6)、3位がスウェーデン(85.2)と、北欧の国々が上位にランクインしています。日本は19位、点数は79.6。そしてアルゼンチンは54位で点数は72.8でした。
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緑「達成済み」、黄色「課題が残る」、オレンジ「重要な課題がある」、赤「深刻な課題がある」
アルゼンチンの各ゴールの達成状況を見ていくと、ゴール4「質の高い教育をみんなに」、ゴール5「ジェンダーの平等を実現しよう」が達成済みとなっています。
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この2つのゴールをさらに細かく見てみます。特に2020年の国会議員における女性の割合は40.9%であり、10人に4人が女性となり、非常に高い割合であるといえます。また、女性の教育を受けた年数や雇用されている割合も高い水準を記録しています。こちらに来て周囲から「アルゼンチンは女性と子どもに優しい国だ」とよくいわれます。それとSDGsの達成度合いの数値は関係があるようにも思えてきます。
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一方で、ゴール8「働きがいも経済成長も」、ゴール10「人や国の不平等をなくそう」は厳しい結果になっています。これは2022年の失業率が10.6%であることや、ジニ係数(係数が1に近づくほど所得格差が拡大しており、係数が0に近づくほど所得格差が小さくなっている)は42.9となっていることが影響しています。
またアルゼンチンは現在、ハイパーインフレの真っ只中におり、インフレ率100%であるというニュースも出ていました。
日本 2022年 19位 との比較
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日本の達成状況を見ていいくと、ゴール4「質の高い教育をみんなに」、ゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、ゴール16「平和と公正をすべての人に」が達成済みとなっています。
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ゴール9とゴール16を図る指標はたくさんあるのですが、日本はそのすべてで高い数字を叩き出していて、まとめると社会インフラが整った、治安のよく、平和な国であるということがわかります。
それは、アルゼンチンに滞在する中でも特に実感しています。日本では街を歩いているときや、人混みで周囲を警戒する必要もないです。公共の場の整備は行き届いていて、周囲の環境のことだけを考えてどっちが住みやすいかと聞かれれば断然日本と答えると思います。もちろん、私がこちらに来たばかりというのは大いにあるかと思いますが。
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一方で、深刻な課題として7つのゴールが挙げられています。中でもゴール5「ジェンダーの平等を実現しよう」は日本の中でもかなり深刻な課題ではないでしょうか。特にこの統計資料の中の「国会議員における女性の割合」は9.9%です。国会議員10人のうち、1人しか女性がおらず、女性の意見が反映されにくい現状があるのではないかと思います。
また、これは点である指摘なのですが、ゴール12「つくる責任、使う責任」の項目の中に「プラスチックゴミの輸出量」という項目があります。これに関して日本は「一人当たり8.2kg」と非常に高い数字を出しています。日本はアジアなどにプラスチックゴミを輸出しており、それが問題になっているのです。ちなみにアルゼンチンは「一人当たり0.1kg」でした。ひ、低い。
こういった数字を見ていて、この国のゴミのプラスチックゴミのリサイクル事情や取り扱いはどうなっているんだろう、と疑問が残ります。
まとめ
今回はSDGsの達成状況という点におけるアルゼンチンと日本を比較してみました。お互いがお互いに学ぶことがあるのかと思います。まずは私自身がアルゼンチンのことをもっと知ることで、何か日本に還元することはできないかを考えたいです。ひとまず、今回は報告書からわかることを書いてみました。また、こちらの事情に詳しくなって、アルゼンチンのSDGsに関することを加筆したいと思います。
そのためにはまずはスペイン語をもっと勉強しなければ。ここまで読んでいただき、Muchas gracias!