職場のメンタルヘルス対応 その1
会社の従業員が心身の不調を訴えた際、対応できる基礎知識やスキルはありますか?
今日と明日の2回にわたってその学びを広げる投稿をしたいと思います。
(投稿内容は石川県産業保健センター主催の研修で学んだものになります)
私は会社の衛生管理者です。
従業員が不調を訴えた際、まずヒアリングをし解決策を講じる手伝いをします。
一口に【ヒアリング】といってもお友達のお悩み相談とは異なりますから、しっかりした知識・スキルがほしいです。
まずは根本思想として持っておきたい考え方があります。
それがOODAループです。
【OODA(ウーダ)ループ】
O…Observe(観察) 現状把握
O…Orient(状況判断、方向づけ) 課題抽出、目標設定・共有
D…Decide(意思決定) 方策の選択
A…Act(実行) 実行
従業員のメンタルヘルス対応が必要になる時は急に発生する場合が多いです。
そういった臨機応変な対応が求められる際によく使われる考え方でOODAループが有効です。
似たような言葉でPDCAというのものがありますが、PDCAが「自分の計画」から始まるのに対し、OODAループは「相手の観察」から始まるところが異なります。
OODAループを高速で繰り返しながら、都度調整を加えていくことができるようになれば、素早く適切な決断を下す能力が高まり、変化に対して臨機応変な対応が可能になるため、結果、現場の問題解決能力が向上する、という仕掛けになっているのです。
根本的な思考方法を理解したら、次に従業員対応に必要な知識・スキルを紹介します。
① 傾聴
② アサーション
③ フィードバックとフィードフォワード ← 今日はここまで
④ 認知のクセ
⑤ 世代間ギャップ
【傾聴】…カウンセリングの際の基本中の基本になりますが、実際にどう対応することが傾聴かと言われて答えられる方も少ないのではないかと思います(私もそうでした)。
1つずつご紹介します。
傾聴の極意
・相手の話をさえぎらない、否定しない
・相手を理解するための時間であることを念頭に置く
・穏やかな態度・話し方に努め、早口に気をつける
・相槌、うなずきで「聴いている」を表現し伝える
これらは傾聴の基本のキです。
2つ目の相手を理解するための時間であることを念頭に置くというものですが、
何かしてあげなくちゃいけないと感じると自分の話が多くなりがちです。なのでこの思考が大事になります。
また、さらに傾聴のスキルをアップする方法として
傾聴の極意 その2
・相手の態度にも目を向け(視線は緩やかに)、多面的理解に努める
・話の内容について、『①事実』『②感情・思い』『③意図・目的』を整理しながら聴く
・自分が理解したことが正しいか、適宜相手に確認する
・相手の話をこちらから改めて言葉にし、「受けとめた」を表現し伝える
・質問の際には、相手に配慮しかつ率直な表現に努める
・自分の考えや思いを伝える際は、Iメッセージを取り入れる
があります。
特に2つ目の、話の内容について、『①事実』『②感情・思い』『③意図・目的』を整理しながら聴くというのが大切で、従業員が感情的に話してしまうような場面があってもこちらは傾聴しつつ冷静に内容を整理していくことが大切です。
【アサーション】…アサーション(assertion)」とは、「自己主張」という意味の単語で、相手と対等な立場に立って自己主張をするためのコミュニケーションスキルのことです。
相手の主張を否定したり、強い口調で無理に押し込めるのではなく、お互いの価値観を尊重しつつ、自分の意見を的確に言葉にするための方法です。
従業員との信頼関係を構築できる効果があります。
私はこういった考え方があるのだと勉強になったのですが、特に上司と部下の関係性の場合、こういったアサーティブな対応ではなく攻撃的なコミュニケーションになりがちですが、互いを認め合うという姿勢のある上司の部下なら幸せだなと思いませんか?
【フィードバックとフィードフォワード】…フィードバックは仕事上でよく耳にすることがありますが、フィードフォワードはあまり耳にする機会が少ないのではないでしょうか?従業員対応の際は以下のように考えます。
フィードバック→従業員が行ったことの結果を伝える
・許可を得る
・事実を伝える
・具体的に伝える
・ネガティブなことは1対1で伝える
フィードフォワード→見えてきた課題に対してどうしていくかを考える
・何をすれば解決か
・どんな結果を得たいか
・具体的に何をするか
従業員の今の悩み・問題に対して聴くだけでは解決しません。
その悩みに対してこの先にどういう対応が必要か、具体的に何をするのかというのを話すのがフィードバックとフィードフォワードです。
本日はここまでになります。
明日は『認知のクセ』『世代間ギャップ』についてを追記しまとめさせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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