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夢は心のバランスを取る〜夢のトリセツ2

寝ている時にみる夢は、
もう一人のあなた(=無意識)からの手紙で、
あなたの人生を豊かにするメッセージを送ってくれている
ことは、夢のトリセツ1でお話しました。

では、夢はどのような内容を伝えてくれるのでしょうか?
夢の機能は色々とありますが、そのうちの一つは『心のバランスをとる』ことです。

夢にはわたしたちの心の一面的な偏りを「補償」する役割があると考えられています。例えば、冷静で知的な人が、感情豊かな非合理的な夢を見たとします。これは、冷静で知的な側面に偏った心の一面性を「補償」する役割、つまりバランスを取ろうとしていると考えられます。

わたしたちの心には、反対の性質がペアのように存在していると考えられます。
・やさしいーきつい
・ストイックー感覚的で快楽を求める
・しっかりしているー天真爛漫で無邪気
・外交的ー内向的
などなど・・・
あなたの中にもそういった側面がありませんか?

例えば、Aさんという人の中に、しっかり者の側面と、天真爛漫で無邪気な側面が両方あったとします。Aさんは、「しっかり者:天真爛漫=7:3」くらいの割合で発揮して、社会の中でうまくやってきました。でも、しっかり者の側面に偏りすぎて、近頃、天真爛漫なAさんの側面は発揮されず、忘れ去られようとしています。こういう時、現実生活がうまくいかなかったり、心にストレスを抱えがちになることがあります。すると、Aさんの天真爛漫さ、無邪気さを思い出させるような夢を見るのです。

「おーい!わたしは、あなたの中の天真爛漫さですよ〜。近頃、わたしの存在、忘れてませんか〜?」
みたいな感じです。(このセリフそのまま夢に見るわけではないと思いますが笑)Aさんの中にもともとあった天真爛漫さを発揮した方が、本来のAさんらしくなるのでしょう。夢は、心の全体性を発揮するように促しているのです。

『マンガ夢分析の世界へ〜不思議なカウンセラーと四つの物語』の中で、4章の主人公ツヨシは、夢のメッセージを受け取る中で、心のバランスを取り戻していきます。

ツヨシは、中年期の会社員で、凝り固まった価値観や現実主義的な価値観を持つ人物として描かれています。
ツヨシは、どんな夢を見るかと聞かれて、「夢なんて見てるいるほど暇じゃないんだよ、こっちは!」と夢カウンセラーに突っかかっています。しかし、「夢なんて」と言いながらも気になって夢日記をつけはじめ、夢カウンセラーに夢を話すようになります。そんな中、4回目に見た夢がこちらです。

第4章 ツヨシ【夢4】
蝶が飛んでいる。後を追うと洞窟にたどり着く。階段を降りて進むと宝箱を見つけ、開けるところで目が覚めた。

『マンガ夢分析の世界へ〜不思議なカウンセラーと四つの物語』森田健一著
✳︎マンガの中の文章を引用

ツヨシは、「洞窟の宝箱」から「子どもの見るアニメのようだな」という連想をします。そこから、「そういえば、子どもの頃はそういうの好きだった」ことを思い出し、昔好きだったギターを引っ張り出してきて弾いてみます。そうしているうちに、ツヨシは内面に眠っていた少年の心を見つけ出すのです。夢を日記に書き、それについてカウンセラーと話すことを通して、現実生活の中で置き去りにされていた「生き生きとした感覚」を取り戻します。(おもしろくて分かりやすいので、ぜひマンガで読んでみてくださいね)

夢を見る

夢を話したり、夢について連想する
↓ 
自分の状況や、自分にとって大切なものがわかる

現実の行動が変わる
↓ 
夢を見る

というサイクルの中で、
あれだけ冷めていたツヨシが、最後は、誘われた親父バンドでギターを弾き、生き生きとした輝きを取り戻すまでになります。

夢は、人生を豊かにするメッセージを、いつも送ってくれています。
今夜も良い夢を!

✳︎長野県松本市で「ドリーム・ワーク」を行なっています。
夢の意味を一方的に解釈するのではなく、一緒に意味を見出そうとするワークショップです。詳しくはこちら


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