サツマイモの苗づくりに学ぶ
昨年の秋、畑をやっている知り合いに芋ほりに誘ってもらった。
「子供さん、喜ぶんじゃないかな。」と声をかけてもらったけれど、実際は母(私)が子供達そっちのけで夢中になってしまった芋掘りだった。文字通り、芋づる式にツルを頼りにどんどんお芋を掘っていくのは本当に楽しかった。
私があんまり夢中になったので、ウチの庭にサツマイモを植えてみては?という話になり、約束を覚えていてくれたその人が、3月に種芋をくれた。まだちょっと寒かったので、いま思えば時期としては早かったのだけれど…その時から鉢に植えていた2本のお芋から、最近、にょきにょきと芽が出始めた。
この芽が苗になる位に大きくなったら、採苗して植え付けるのだけれど、聞くところによると摘んですぐには植えてはいけないのだそうだ。なんと、苗をお芋から切り離したら、数時間~数日(4日という記述も見つけた)日陰で水もやらずに放置して、シナシナに枯れそうになったものを植えるのだという。これは通称「親離れ」と呼ばれる工程で、こうすることで植え付けた後の生育が良くなるのだそうだ。
サツマイモの植え付けで調べ回り、詳しく動画で解説されているものも視聴してみたけれど、何とまぁ本当に、可哀想になるほどの枯れ具合だった。ここから復活するサツマイモもすごいけれど、その一度カラカラになる工程があることで生育が良くなるという所に、何だか私たちの人生と通じるところがあるなぁと思った。
欲しいものが簡単に手に入ったり、あまりに大事に育てられすぎると、人間体も心も丈夫に育たたない。色々試練や苦しみを乗り越えてこそ、たくましく自立できるのはサツマイモも同じなんですね。
夢に向かって、たくさん悩んで考えて準備した分だけ、ちゃんと根っこがしっかりしてたら、きっと、ちょっとやそっとで倒れたりしないで自分で何とかやっていく力が付くのかもしれない。
子供達よ、あんまりせっせと水やりをしてやれない母かもしれないけれど、サツマイモのようにしっかりと強くなるのだよ。…違うか。でも何だか、色々と子育ての葛藤を抱える日々にも、ちょっとふわりとした風を送り込んでくれたエピソードだった。