【会いたくて仕方なかった、、、】


会ってみたい。ふと見た水中写真集の中の1枚に目が留まりました。スクーバダイビングを始めてしばらくたったころのことです。そこには大きな体でのんびりと泳ぐジンベイザメがいました。

明るい海の中、エサを食べようと水面近くを泳ぐ彼は、慌てるダイバーをしり目にゆったりと大好物を食べていました。その優雅な姿に惹かれたのです。

ジンベイザメは体調10m以上、体重10トン以上になる、最大のサメです。そんなに大きいのに食べるのはプランクトン。平たい大きな口を開け、水とエサを同時に吸い込み、エサだけこしとる方法で食べています。歯はありません。くりくりとした可愛らしい小さな目が、大きな顔の両端についていて、ユーモラスでとても癒されます。

私は10年間ダイビングを続け、合計で300本潜りましたが、結局野生のジンベイザメには一度も遭遇することはできませんでした。ほとんどの魚は、どこに行けば見ることができるのかだいたい分かっているのですが、ジンベイザメに関しては、一か所にとどまるということをしないので、会えるかどうかは運に任せることになります。

20年来会いたくて仕方のなかった彼に、やっと会うことができたのは沖縄本島の北部に位置する「美ら海水族館」にて。

巨大な水槽を泳ぐ彼らは他の魚の中をやはり優雅に泳いでいました。その姿は美しくて、格好良くて、私はうっとりと見惚れ、しばし目を離すことができずにいたのでした。


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