【土と戯れる】
初夏の日差しが降り注ぎ始めるころ、ネギの植え付けが始まります。ネギ植えは天気が肝心です。土が湿りすぎていても、乾きすぎていてもいけません。適当に乾いた状態を見計らって、ネギ苗を用意します。ですから、天気、天候が需要なのです。週間天気予報を見て予定を立てますが、予報が変更になると、植え付けの予定も変更になります。
今年になって、ネギ農家である両親から、植え付け、収穫・出荷などの繁忙期に農作業の応援を頼まれるようになりました。以前は体力も要領も悪い私の手伝いなどいらないと言っていた両親ですが、父母とも70歳を過ぎ、さすがに体力が落ちてきたようで、私の微力でも少しは頼りたいと思い始めたそうです。
ところが、このお手伝い、天気や気候、土の状態を見ながら予定を立てるため、前日に突然依頼されたり、手伝う予定だったのに、雨が降ったから取りやめ、などということもよくあります。お手伝いの身である自分は無理な時は断れるので気が楽ですが、仕事としてやるのは大変なのだと思っていました。
ですが、父はそれも楽しいのだそうです。天気予報を見ながら作付けの予定を考えたり、スケジュールを練り直す作業は苦ではないと言っていました。衰えたとはいえ、若いはずの私よりも動きが機敏で体力もある両親の農作業は土と戯れているようにも見えます。一緒に作業をしながら、大地に根を張る、という生き方を見せてもらっている気がするのです。(20190602筆)