『渋谷いきもの会議』あとがきレポート
2018年6月13日(水)、第一回『渋谷いきもの会議』なるものを渋谷のロフト9で開催しました。ご来場いただいた全ての皆さまに感謝いたします。満員&大盛況、御礼!
感想ツイートなどはこちらにまとめてみました→第一回『渋谷いきもの会議』感想まとめ
当日の様子をちょっとだけあとがきしますね。
開催にあたって
前々から思っていたのだが、「生き物の世界」には打ち上げというものが存在していない。長距離を大移動したり(ヌー)、豪華なドレスを着飾り求愛ダンスをしたり(ゴクラクチョウ)、樹皮に化けて擬態をしたり(キノハダカマキリ)と、ダイナミックなライブを日々敢行しているというのに、彼らは打ち上げをしないのである。
よし、こうなったら私が「生き物たちの打ち上げパーティー」の幹事として名乗りを上げよう。そんなコンセプトで(誰にも頼まれてないのに)企画したのが、今回の『渋谷いきもの会議』だ。副幹事として、いつもお茶を飲みながら私の生き物の話に付き合ってくれる友人、作家の品田遊氏と芸人の平井まさあき氏にも参加していただいた。
乾杯
「これはすべての生き物のための打ち上げである」という説明をしたのち、『渋谷いきもの会議』スタート。「生きとし~?」という乾杯のコールに「生ける者~!」というレスポンスを大声で返してくれる、百人を越える会場のお客さんたち。壇上には、仮面の男(品田氏)。何も知らない人が見たら、渋谷に新たに誕生したカルト教団の集いである。
この動物園がヤバい2018
私が愛してやまない多摩動物公園とベトナムのマンゴーパーク動物園を、無駄に擬人化してパワポで紹介させていただいた。
マンゴーパーク動物園ではダチョウに乗ることができる。
この写真を見た品田氏が「ドンキーコングじゃないですか」と指摘。「ダチョウに乗る=ドンキーコング」の方程式を即座に導き出すことのできる品田氏のゲーム脳、凄まじい。以降、この写真に写りこんでいるベトナム人飼育員たちのことも、Tシャツの色合いからマリオとルイージにしか見えなくなる事態が発生。いま最も任天堂っぽい動物園、マンゴーパークにみんな行きましょう。
品田遊プレゼン「コアラ」
品田氏がパワポを使ってコアラの可愛さを讃える。と思いきや、途中よりコアラに対しての痛烈なダメ出しが展開され、最終的には「コアラに騙されるな」という結論に落ち着いた。相手を褒めつつ、徐々にダメ出しへとスライドする。打ち上げでよく見られる光景ですね。
パンダをねぎらう
打ち上げの席において、キャストをねぎらうことは重要だ。日々、愛らしいライブを自然界という舞台の上で敢行しているパンダの、人知れずの苦労をねぎらった。パンダって、本当は好きで笹を食べているわけではないそうです。
このパートで味覚の話になって、「最近発見された基本五味以外の新しい味覚はなんでしょうか?(答えは炭酸を飲んだ時のシュワッとする感覚)」というクイズを会場に出題したら、その答えをすでに知っていた平井氏がヒントを出すためにカンパリソーダを注文、それをグイッと飲み、「これでお分かりになったんじゃないですか?」と客席に英国紳士のような笑顔を届けていた。「なんてシャーロックホームズみたいなヒントの出し方なんだ…!」と会場は騒然となった。
平井まさあきプレゼン「ダイオウホウズキイカ」
そんな英国紳士、平井氏のスケッチブックを使ったプレゼンは、ダイオウイカよりも巨大で謎に満ちているとされるダイオウホウズキイカの魅力に迫ったもの。「イカは遠視」というパワーワードが飛び出す。
泣ける鳥
あまり知られていないスーパーバード、「ヨウムのアレックス」の紹介。アレックスに関して書かれた書籍としては『鳥を識る(細川博昭・著)』がとても面白いので、興味持たれた方は是非。
秘密コーナー「生き物の○○」
(このコーナー企画はいつか書籍化しようと思っているので、詳細は省略しますね)
ホヤの話をこのコーナーでしたら、品田氏が「ホヤって『火の鳥』の猿田彦の鼻みたいですよね」と言い出した。そこから、ホヤって幼生の頃はオタマジャクシみたいに海を泳ぎまわっているんだけど成体になると固着性に変態してじっと岩場から動けなくなるんだよねー、なんかそのライフスタイルもちょっと『火の鳥』みたいだよねー、『火の鳥~ホヤ編~』とかあったら読んでみたいよねー、などといったトークで盛り上がった。どういう水曜日の夜だ、といまになって思う。
関わり合いになりたくない生き物ランキング
みんなで「あいつだけはこのパーティーに呼ばなくて正解だったよね~」と言い合うコーナー。打ち上げで一番盛り上がるのって、席にいない人のゴシップを囁き合う時間だったりしますよね。
三人、それぞれの「できれば関わりたくない生き物」は以下の通り。
平井
五 位 ゾリラ
四 位 シャチ
三 位 ハリガネムシ
二 位 パク―
一 位 バレットアント
ワクサカ
五 位 オオカワウソ
四 位 ドバト
三 位 アカカンガルー
二 位 マキガイ
一位 タチヨタカ
品田
五 位 ブチクスクス
四 位 シアマン
三 位 ハゲウアカリ
二 位 ヨウスコウカワイルカ
一 位 オオマリコケムシ
平井氏が一位にあげたのは、激痛をもたらすことで有名なバレットアント(別名:弾丸アリ)。その痛みをずっと研究し続けているアメリカのシュミット昆虫博士なる人物のエピソードがとても面白かった。次回の『渋谷いきもの会議』では、ゲストにシュミット昆虫博士を呼びたい。そして、楽屋で気まずくなったりしたい。
私が一位にタチヨタカをあげたら、「なんでですか!ヨタカは最後、星になるんですよ!」と品田氏がなぜかイーハートーブ目線で抗議してきた。
平井まさあきプレゼン「カンブリア紀」
夜も深まり、パーティーもどんどんディープな方向へ。平井氏がカンブリア紀の生き物たちに向けての愛をスケッチブックで熱弁。素晴らしいラブレターだった。おそらく歴史上、渋谷で最も「ハルキゲニア」という単語が連呼された時間だったように思う。
品田遊による「世界ネコ歩き」
そしてついに、『渋谷いきもの会議』の根幹を揺るがす問題作が、品田氏より披露される。そのうちネットにアップしてくれると思う。個人的には『なくもんか』のくだりがたまらなく好きでした。
人間という生き物
少女漫画誌の編集長・畑中雅美さんをゲストにお招きしての、「人間の求愛行動」についてのクロストーク。「ミッションガール」「概念ブス」などの忘れ得ぬワードが飛び出す。最後はみんなで某漫画家先生の幻の原稿を眺め、人間という生き物の神秘に思いを馳せて、パーティー終了。
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以上、第一回『渋谷いきもの会議』のざっくりとしたあとがきでした。
この他にもタマムシやニホンザルにまつわるプレゼンをしたり、喫煙所内でお客さんたちとタコの話をしたり、品田氏のデスクトップ画像が物議を醸したり、お客さんからカンブリア紀についての捕捉コメントが入ったり、藤原紀香のブログをみんなで読んだり、ここには書ききれないことがたくさんありました。本当にパーティー感があって、楽しかったなー。
あと、たくさんの差し入れ、ありがとうございました!いただいた図鑑や生き物グッズ、大事にします。
必ずまたやります。第二回『渋谷いきもの会議』でお会いできる日を、楽しみにしています!