義母と三男
ポケカが流行ってますが。
我が家の子供達が幼かった頃、やはりトレーディングカードにハマった時期がありました。
そんなトレーディングカードにまつわるお話。
これは三男が、小学生低学年だった頃の話です。
🍀 🍀 🍀 🍀 🍀
仕事が終わって家に帰ると、お義母さんが遊びにきていた。
学校が午前中で終わり、暇を持て余している三男につかまってしまった義母はずっと帰れずにいたようだ。
遊んでくれる人を捕まえた三男。
しかも大好きなおばあちゃん。
アッサリ帰すわけがない。
かくれんぼやら鬼ごっこ、お絵描きなど散々遊んだらしいが、今はカードゲームを義母としている。
このカードゲーム、小学生の男の子に絶大な人気の「デュエマ」というカードゲーム。
長男次男は暇があればこのカードで遊んでいる。
最近三男もその仲間に加わり三人で遊んであるのだが、お兄ちゃん達が強すぎていつもコテンパンにやられ惨敗している。
そのカードゲームを今、義母としている。
なのだが・・・・
このカードゲーム、ほんとにわけがわからないのだ。
長男次男がゲームをしながらよく言ってるのは、「マナーチャージ」「ターンエイド」「シールドブレイク」「ダイレクトアタック」「ドロー」・・・・
さっぱり意味がわからない。
この意味不明なカードゲームを三男は今、義母としているのである。
義母は今70歳だ。
カードゲームといえばトランプや花札、七並べ、ババ抜きで心を踊らせた世代である。
それがバリバリ横文字の、なんだかよくわからないキャラクターが書いてあるカードゲームをやらされている。
勿論義母の頭は大パニックだ。
だが愛する孫の為、一生懸命カードゲームにつきあってあげている。
三男のみなぎるやる気が義母を襲う。
「違うよ、おばあちゃん!ここはこのカードでターンエイドだよ!!」
「ここは!!このカードでマナーチャージ!!」
「こっちのがいいよ!このカードでシールドブレイクだよ!!」
三男の知っている知識全てをフル回転させ、義母に教えながらゲームをしている三男。
いつもお兄ちゃんにコテンパンにやられているから、なんだか嬉しそうだ。弟子を育てる喜びに満ち溢れている様にも見える。
三男の献身的な教えがいいのか、義母も少しずつ内容を理解してきたようだ。
義母の口から、ターンエイドやシールドブレイクがサラッと出るまでに成長した頃、義母が言った。
「ジョリーザジョニーで、マスターダブルブレイク」
カタコトではあるが、義母はしっかりこう言った。
ジョリーザジョニーでマスターダブルブレイク。
もう一度言うが、義母は今70歳である。
70歳の義母がジョリーザジョニーなのだ。
マスターダブルブレイクなのだ。
カードを棒読みではあったが、確かに義母は言い放った。
ジョリーザジョニーでマスターダブルブレイク。
義母の華麗なカードさばきにより
このゲームは
まさかの
三男の惨敗で幕を下ろした。
自分の知識を全部教え込んだ三男。
時には自分の手の内も見せながら教え込んだ三男。
その手柄は愛する弟子に全て持っていかれ、この人になら勝てる!!!と思った淡い期待は粉々になって飛び散った。
飼い犬に噛まれた三男。
その後、戦意喪失した三男はアッサリと義母を解放した。
お義母さん。
お疲れ様でした。
そして
ありがとうございました。
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