一緒に空を飛びたいと願った松田好花と、知らないうちに愛し愛されていた富田鈴花
日向坂46の7thシングルに関して、遅ればせながらちょっと思ったところを書いてみたいと思います。
小坂菜緒の復帰シングルでもあり、渡邉美穂の卒業シングルでもあるこの『僕なんか』に関して、主に「渡邉美穂の卒業シングル」という観点で触れていこうかと。だって推しだからね。
といってもセンター曲の『恋する魚は空を飛ぶ』ではないです。
この曲はそんなに語りたくなるポイントがない…ダンスカッコいいよね、くらい。
ここでは全体曲である『飛行機雲ができる理由』と『知らないうちに愛されていた』の2曲に絞って書きたいと思います。
完全に個人的な解釈ですが、飛行機雲は松田好花、知らないうちに~は富田鈴花を連想してしまうので、その辺を深堀りしていきたいな、と。
一緒に空を飛びたいと願った松田好花
まずは共通カップリング曲の『飛行機雲ができる理由』から。
先ほども書いた通り、この曲は個人的にはどうしても松田好花を連想してしまう曲です。
僕:松田好花
君:渡邉美穂
のイメージです。
松田好花にとって、渡邉美穂がどういった存在だったのか。
それは卒業発表を受けて書き綴られたブログがすべてですよね。
これを比喩表現で置き換えたらもう「僕は君と一緒にこの空を飛びたいと願う」のまんまだな…と思った時から、この曲の「僕」は松田好花にしか思えなくなりました。
ポイントとしては「それでも」が頭についてること。結局この夢は叶わなかったけど、それでも(まだ)一緒に飛びたいと願ってる、ということだと解釈しました。
ブログの同じ記事にはこうも綴られてます。
それでも一緒に飛びたい好花は、今度はちゃんと美穂にその想いを伝えたうえで、2人で新しい夢を描くのでした。
「まだ言わない」と宣言してる通り、ファンがその内容を知ることは今はできません。でも個人的には「いつか演技の世界でまた共演しよう」とかだったらいいな、と思ってます。
それにしてもこの曲に松田好花を重ね合わせて考えると、その不器用さが本当に切なくて…それだけで泣けてしまうんですよね。
「嫌な予感」がしたのは2021年。5th制作時期とあるので、復帰した直後くらいのことだと思います。
「君は何となく胸のざわめきを感じたんだと思う」頃ですね。
ずっとその気持ちを抱えながら、同時に2人でフロントに立つ夢も持ちながら、どちらも美穂本人にはそれを伝えることができていません。
心境的にはまさにこのフレーズのような感じだったのかな、と。
直接的に言葉にはしていないものの、「休業がなければ」という気持ちはこの卒業に対する想いからもヒシヒシと伝わってきます。
こまめに連絡をとっているつもりではいたけれど、思っていたよりもその間に開いた距離は大きくて。同じ気持ちで未来を見ていたと思っていた美穂がふと気づいたら違うところを見ていて。
それに対して気づいていながらも何も言ってあげることが出来なかった、という悔しさはあるのではないかと思ってます。
直接気持ちを伝えることができないなりに、ささやかな祈りのような発言もしています。
2021年12月号のB.L.Tのインタビューでは
「誰にも卒業してほしくない。バラバラといなくなるのは切ないから、みんなで一緒に卒業!みたいにしたい」
と言った気持ちも吐露しています。
キャプテンも割と最近これに近いことをBRODYで話してますが、それよりはだいぶ切実な願いのように聞こえました。
そして年が明けた2022年1月。美穂から電話で卒業を伝えられて…という流れなんだろうな、と。完全に想像のストーリーですが。
実際に卒業を告げられたとき、「受け入れられなかった」とブログにもある通り、引き止めたい気持ちは当然あったはずです。
ただそれでも引き止めなかったのは、例えばグループへの愛とかそういうものがないわけない事を、多分誰よりも理解してたからなのではないかと思います。
鈴花も含めた3人で重ねてきた真面目な話。いつだってグループの未来を真剣に考えてきた3人だからこそ、生半可な気持ちで卒業を口にするわけがない、それが多分嫌というほど分かってしまう。
だからこそ「グループへの愛は?」なんて聞いたって答えられないことも分かってる。答えられないというか、その答えに意味がないことに気づいてしまってる、という点も切ないです。
せめてもの救いは、新しい夢をまた2人で描けていること。ブログで綴られた「叶わなかった夢」に関しても、『私が私であるために」にてアンサーがありました。
きっと今度こそ2人で綺麗な飛行機雲を描く時が来てくれるはず、そう信じています。
知らないうちに愛し愛されていた富田鈴花
さて、一方『知らないうちに愛されていた』です。こちらは通常盤カップリングの全体曲です。
これは歌詞全体というわけではないんですが、タイトルが鈴花と美穂だなぁ…と思うんですよね。
富田鈴花と渡邉美穂は、思っている以上に「当たり前のように2人でいる」という関係性です。ブログだけ見てると分からないくらい。メッセ見てると割とお互いが出てくるんですけどね。
その距離感に関しては、やはりこちらも卒業発表を受けたブログで綴られています。
先日の日向ひでも「いつの間にか仲良くなってたよね」という話もしてましたし、渡邉美穂卒業記念書籍である『私が私であるために』でも、それに近いニュアンスのことが書かれています。
実際振り返ってみても、この2人が仲良くなったきっかけってこれだよね、みたいな出来事が思いつかないんですよね。
「3rdでシンメになったのが大きかった」みたいに具体的な出来事があげられる好花とは異なり、鈴花と美穂はこれといったものがありません。
表題でシンメになったことは無いし、番組企画で何かを一緒にやったこともほぼありません。パッと思いつくのは尻相撲と、第一回ぶりっ子選手権ぐらい。
ユニット曲は『ノックをするな!』がギリギリありますが、そこで仲を深められるほどこのユニットで何かをやった、ということもないと思います。
ドキュメンタリーなどで補完できる情報を繋ぎ合わせた限りでは、ライブパフォーマンスについて2期生で話す時、議論の中心にいたのは鈴花と美穂というパターンが多かったのではないか、と感じます。
そこでぶつかり合ううちに、少しずつお互いを理解して仲良くなっていった、そんなところなのかな、と。
そう考えていくと、この2人はお互いに「知らないうちに愛されていた」んだなぁ…と思うのです。
お互いにさりげなくいろんなことをやってあげるタイプだとも思うんですよね。卒業してもプライベートの関係性は変わらないかもしれないけど、少なくとも隣にいなくなったことを仕事面で強く感じるのは、この2人なのかもしれないな…と思ったりします。
さりげなくやってたこと、やってもらってたことって、無くなってみないと本当に気付けないですしね。
インタビューでもこのように語ってるあたり、なんとなく本人も自分たちに重ね合わせる部分があったのではないか、と思います。
鈴花は特に「言われる前からなんとなく感じ取っていた」という旨の発言をあまりしていないんですよね。隣の好花がそう語ることが多いのでバランスを取っているのかもしれませんが…
その辺が「泣いていたその理由さえも聞かずにごめん」に繋がってくるのかな、と思ってます。
ただ鈴花に関しては、美穂卒業後にもう少し感想が変わってくるかもな、と思ってます。
あまり自分の気持ちを語りたがらない性格な上に、「卒セレまで美穂のことで泣かない」という決意を固めているせいか、あまり深い話をしない傾向にあるんですよね。
もしかすると卒セレや卒業後に、その辺りの本音が聞けるかもしれません。
しかし鈴花もこうして見ると好花に負けず劣らずの不器用ぶりですよね…寂しいなら寂しいって言葉にすればいいじゃないか…と何度思ったことか。
それでも泣かないと決めたからには、それを貫こうと考えているのだと思います。
こうなると「寂しいよーやめないでー」と遠慮なくいえる先輩が近くにいてくれるのは、代弁してくれてるようでちょっと救われる部分もあるのかもしれませんね。
卒セレ後の追記
どう解釈したらいいか、イマイチ比喩としてもうまくハマらないと思って特に触れなかったピアノの要素。
これを見事に回収してくれた鈴花。本当に素敵なシーンでした。
卒業発表を受けて更新されたブログに綴られていたこの言葉。
鈴花にとっては思い出の1曲だったんですよね。
どうしても何か思い出に残る贈り物をしたい。その想いがあのサプライズ披露に繋がったわけですが…
今にして思えば、5月のSHOWROOMで急にピアノ弾き語りしてましたが、あの時にはきっとこれを決めていたんだろうな、と思います。
誰のためにそのピアノを弾いているのか…
生演奏でやることを自ら提案することで、自分は歌えないし美穂の近くにいることもできなくなってしまうわけです。
それでもこの曲をこういう形で美穂に贈りたかった鈴花の気持ち。終わった後の号泣に全て現れてたな、と思います。
他メンバーが美穂に集まる中で、1人鈴花を迎えに行った好花もさすがでした。
今後『君のため何ができるだろう』を聴くと、この日の鈴花と美穂を思い出してしまうだろうな、と思います。
ピアノを弾いている鈴花と、それを受け止める美穂を…
おわりに
当たり前ながら、この内容は歌詞の内容を勝手に深読みして、自分が好きなごりごりドーナッツの3人に重ね合わせてるだけです。
なのでこんな風に考えるやつもいるんだな、くらいの気持ちで読んでいただけてれば幸いです。
本当はメンバー1人1人と渡邉美穂、みたいに掘り下げたいくらいなんですけどね。
もしかすると卒業そのものに関する記事はそうなってしまうのかもしれない…関係性が好きな組み合わせをあげだしたらキリがないですしね。
ひとまず今の時点ではいつの日か、また3人が揃った姿を表舞台で見れる日が来ることと、プライベートの関係性は変わらないことを願って…