頬に落ちる涙が温もりで乾かされた日 - 2回目のひな誕祭
日向坂46としては実に1年2ヶ月ぶりの有観客ライブ。
幸運にも700人限定の現地チケットに当選したので、これはちゃんと現地レポを書いておこうと思います。
前提として、おそらく「ライブ全体の演出」に関しては配信で見ていた方のほうがちゃんと見れていると思うので、ここではあくまで「現地で感じたこと」をメインに書きます。
衣装、個人的にはあまり好みではなかったのだけど笑
この登場シーンはカッコいい。
テーピングはリアルタイムでも気づいていたけど(ダンストラックで美穂が最前で映ることも多かったのでわかりやすかった)、そこを見せたいわけじゃないと思うので見て見ぬ振りスタンスです。
ライブ開始までの話
もう一部で流出してしまってるっぽいけど、場所に関しては非公開とのことだったのでここでは場所に関しては触れません。
現地ではグッズの販売はなし。
入場前には以前と同じように荷物検査と金属探知機のチェック。
そして今回はそれに加えてCocoaのインストールチェックと検温。改めての確認はないけど、マスク着用も必須。
かつてのライブと比べると随分短い待機列。全員が入場し終わるのもあっという間。
座席は入場時に渡されるチケットに記載されており、これは完全にランダム。自分は「6」ブロックの後ろから4番目、一番内側の通路側。
完全に贅沢な話だけど、どうせなら花道に一番近いところがよかったな…なんて思いもチラッと。ステージも花道も微妙に距離あったのでね。
目の前には大きなモニタが2枚。両サイドには小型のモニタもそれぞれ設置されており、配信で流している映像と基本的には同じ映像が流れていた。なので開演前はMVがずっと流れている状態。
途中でスタッフからの注意事項が流れ、このモニタの向こう側がリモート組の映る巨大モニタであること、声は出すのダメだけど盛り上がってね、みたいな説明が。
JOYFUL LOVEに関しては、これ言っちゃダメって言われてないからいいんだろうけど、「みなさんに合わせます」との宣言が。とはいえ事前にネットで調べたらどこが何色、ってすぐ出てくるんで分かるとは思うけど。
ライブ中の話
ライブが始まってすぐ気づいたのだけど、目の前のモニタは当然ながら多少のラグがあるのだけど、音はリアルタイムに流れてくるので、映像と音声が一致しない状態になってしまう問題が。
さらにスピーカーの設置位置が通常と異なっていたのか、正確な理由は定かではないが、両サイドから時差のある音が聞こえてくるという状態に。
自分は上手側の席だったので、反対の下手側からちょっと遅れた音が聞こえてくる状態。これにかなり苦しめられた。特にドラムやベースといったリズム隊の音が左からもしっかり聞こえてくる。ただでさえ映像とも合ってないのにさらにリズムがとりにくい…
なのでライブ中、結構な時間左耳を塞いだ状態で過ごすことに。なかなかに不安混じりのスタート。
そしてキレキレのダンストラックとアザトカワイイ、ソンナコトナイヨ。
モニタの壁の向こう側でやってることは分かるのに直接見れないもどかしさ。この時点では結構辛かった。
そもそもアザトカワイイは有観客では初披露、ソンナコトナイヨもこさかなセンターでは初披露(DASADAはめいめいが代打)だったので、さすがにこの2曲はどれだけ遠くてもいいから直接見せてくれ…というのが本音。
なぜこのモニタは下がったままなんだ。そんな想いが爆発しそうになりつつあった3曲目のドレミソラシド。
相変わらずモニタでしか見れない状況のままDメロ。せっかくなので以前のライブのように推しメンと同じタイミングでペンラ上げ下げして精一杯楽しむ姿勢は忘れずにいた時。急にモニタが上がり始めた。
ドレミの"ファ"
で急に目の前に現れるメンバー。本当にあのモニタが上がっていく瞬間は、まるでスローモーションのようにゆっくり上がっていくように見えて、なのに気づいたらもう上がりきってたような、そんな印象だった。
いくらステージ近いとはいえ、自分の席は端っこの方だったので表情までは伺えなかったけど、それでもメンバー側の感情が爆発するのはハッキリ分かった。
そして観客席側も、声は誰1人として出さなかったけど、やっぱりこちらもこみ上げるものが溢れ出したかのような空気。
あんなに心に響いたドレミの落ちサビは今までなかったと思う。ドレミソラシドはいつの間にかいろんなストーリーを背負う曲になってしまったな。もう涙無しに聴けないかもしれない。
そこから先のライブに関しては、やっぱり「配信ライブ」をたまたま同じ会場内で見させてもらってる、という感覚が強かったように思う。
「僕たちは付き合ってる」や「抱きしめてやる」などが披露されたステージは左側の方にあるステージで、こちらに向いてはいないので、一応肉眼でも見えるが基本はモニタで見ることになる。
メインステージとサブステージの間もパフォーマンスに使われていたが、サブステージが壁になって見えない。
サブステージでやってる曲も、こちらに背を向けた状態でパフォーマンスしていることもあった。メンバーみんなの後ろ姿を見るという、ある意味貴重な景色ではある。
それでも「がな恋」で花道に来てくれた時は本当にメンバー1人1人を近くで見ることができたし、みんなとても良い表情をしていた。バラエティ番組で見る笑顔とはまるで違う、ステージにいる時の笑顔だ。
もはやどの曲がこちら側のステージでやった曲なのか、記憶が曖昧なのだけど、NO WARはこっちだったかな…JOYFUL LOVEは花道来てくれたのは間違いなくて、こさかな・美穂・ひなのの3人がわちゃわちゃしてるのを目の前で見ることができたのが強烈に印象に残っている。
そしてこの日の重要なテーマ、「声を出さずに盛り上がる」というところ。
結果的には本当にみんな徹底していたのではないかと思う。
ただこれは結構大変だった。キツネとかNO WARなんて、叫びポイント山ほどあるわけで。心の中ではコンコンコンコンコーンもダスキンもめっちゃ叫んでるんだけど、口からは一切出さない。修行してるみたいだった。
ドラマの話も5thの話も、喜びの感情は全て拍手に変えて放出させていたけど、メンバーからしても拍手でリアクションがくるのは嬉しそうだったので、やっぱり音が伝わるのって大事なんだなと改めて思った。
リモートでも映像を送ることはできるけど、音声までうまく取り入れてる事例はまだおそらく国内にはないはずで、そこまでやれると配信ライブももっと可能性あるとは思うのだけど…今後は有観客をいかに再開させていくか、に振り切るだろうから、配信側の機能強化はそこまで望めないかもしれない。
それ以外に印象に残った曲で言うと、「永遠の白線」でみーぱんが「ひらがな」を「おひさま」に変えた話をしていたけど、あれはDASADAのときにはもう変えてたはず。なのでこちらは余裕で「おひさま」書いてたんだけど、確かに鏡文字だと「おひちま」になってしまうかもね。
あとはMyFansと青春の馬。
MyFansはリアルで見るのは初めてだったので、完全手探り。個人的にこの曲は赤!というイメージだったのでペンラ赤×赤にしてみたけど、見える範囲で同じようにしてる人はいなかったし、演出的にもそこまで赤強調でもなかったので、曲専用カラーにする必要はないかな、と感じた。
青春の馬に関しては、これも有観客では2回目の披露だったので、客席側もまだペンラの動きがいまいち固まってない状態だったけど、これはあれね、振り付けに合わせてやるのが一番楽しい曲だと思った。
「足を止めちゃそこで終わる」のあたりとか、すごく楽しかった。多分一番ペンラぶん回したと思う。ラストの「The easy way has no meaning」終わりで空を指すのも完コピ。とにかく楽しかった記憶しかない。
そして本編ラストのJOYFUL LOVE。
モニタが上がったときにはメンバーがジョイラ衣装になって出てきたけど、あの期間って配信的にはどういう状態だったのだろう。
ファンが送ったメッセージが吹き出しで出てる映像が流れたんだけど、あれが配信でも出てたのかな?ジョイラの曲は流れてたのかな?
会場側のモニタには「このあとジョイラやるから準備ヨロ」的なメッセージが表示されていて、曲も流れていたので、じっくり準備することができた。
客席の色が変わるのに合わせて、座席に設置されてた遠隔操作ペンラもカラーチェンジ。
ひなくり2019で作った虹に比べたらずいぶん小さな虹になってしまったけど、ここからまた新しい歴史を刻んでいけたらいいな、と思う。
アンコールはおそらく配信と同じく過去のアンコール映像を見ながらペンラを振っていた。これに関しては事前に「そういう映像を流します」と言う説明もあった。
アフター配信前にはメンバーがまたサブステージにきてくれて、最後に簡単なご挨拶を。アフター配信開始前のカウントダウンを聞けるなど、嬉しいのかどうか微妙なオプションもあった(ちなみに10秒前からスタート)
日向坂が終わってバスが出ていくところは直接見ることができたけど、カメラはメインステージ側にあったので、みんな背を向けていた。最後まで後ろ姿を見て終わるという不思議なライブだった。
ちなみにバスが掃けていくとき、誰かが謎の奇声を発していて(かとし?)、あまりに不意打ちすぎて客席から一瞬笑い声が漏れた。これがこの日観客側から唯一聞いた声だった。
諸々感じたことなど
客席が「JOYFULシート」と名付けられたくらいに、「JOYFUL LOVE」と言う曲は日向坂46に取って特別な曲になった。
作曲を担当した前迫さんもこれに反応してくださっていた。
同じく振り付け担当のCRE8BOYも「お客さんと一緒に作品を作れるってめちゃくちゃ幸せ」という発言をしている。そんな素晴らしい楽曲に育った。
この動画の中で秋元さん(真ん中の人)が語っているのだけど
頬に落ちる涙は
温もりに乾かされるのだろう
というところ、「おひさまの温もりが涙を乾かしてくれる」という風に捉えているらしい。
これは逆だと思ってて、実際ドレミのDメロでモニタが上がって、その瞬間メンバーも客席も多分みんな涙して、ドレミの歌声なんて涙声になるレベルだったのに、次のがな恋では最高の笑顔でこっちの涙が乾いたから、やっぱり涙を乾かす温もりをくれるのはメンバーの方なんだよね。
そしてこれも凄いなと思うのが、この曲って「けやき坂46」のときに作られてるので、その後「日向坂46」になることもまだ決まってないし、イメージカラーが空色になることも決まってない。当然ファンを「おひさま」と呼ぶことなんて誰も思ってない。
それなのにたまたま衣装が虹色で、それを見たファンが「客席を虹色にしよう!」って集まり始めて、まるで空に虹を掛けているかのような演出になって今に至るという。よくできたストーリーだな、と思う。逆にこれを見て空色にしたのか?と思うくらい。
まぁ大半はこじつけに近い話でもあるのだけど、どうせなら素敵な偶然がいくつも重なって今がある、って思えた方が幸せだなと思うので、自分は結構ポジティブに捉えている。
「ひらがなけやき」の「青空が生まれる」も素敵な偶然だと思ってる。狙って作ってはいない、というのは断言できる。
とにかくそんなJOYFULシートのお話でしたが、改めて言うまでもなくやっぱり現場は良い。
何が違うのだろうと考えてみたけど、非日常の体験とか同じ空間にいることとか、その辺は当然あるとしても、日向坂46の場合「メンバーから溢れる多幸感は画面に納まってない」からかもしれない。
現場で見るメンバーは本当に楽しそうで幸せそうなのだ。前日にあったユニット祭りと比べてみても、体感的にかなり差があるように思う。
結局のところまたJOYFUL LOVEの話になってしまうのだけど、「君が幸せならばそう僕も幸せな気がする」なので、メンバーがより幸せそうなら、こっちもさらに幸せな気がするのだ。それが一番の違いなのかもしれない。
あとはこれ表現難しいんだけど、対面した瞬間に涙流してしまうくらいにこの時を待ちわびていてくれてた、という事実はなんか震えるくらい嬉しかったな、と今振り返って思う。
「おひさま」というものがメンバーの中でどういう位置付けなのか、それが見えた瞬間でもあった。ライブ中は早くモニタ上げろと思ってたけど、緊張と緩和でギリギリのタイミングまで引っ張ってくれた演出に、今となっては感謝しかない。
そして少なくとも今後有観客でライブをやるにあたって、ガイドラインを守って参加することができる、というのを示すことはできたと思うので、運営には東京ドームまでの間に是非どこかで再度有観客ライブにチャレンジして欲しい。
今回周りを見ていて思ったのだけど、多分初参戦の方もかなりいたはずで、ペンライト持ってなかったり持ってても定番の動きはしていなかったりしている方を結構見た。改めてファンが増えたことを実感して勝手に嬉しくなったと同時に、おそらくまだまだ現場未体験の人も多いはずだ。
今後さらにグループが成長していくためにも、熱量を持ったファンはもっと増やしていく必要があるだろうけど、やはり配信だけでは限界がある。「配信でも見ることができる」はあっても良いと思うが(地理的に参加できない、があるので)、「配信限定」のみを繰り返すだけでは、東京ドームに万全の態勢でたどり着くのは不可能だろう。
もちろんメンバー側をみても、未来虹・まりもと・ぱるの3人はまだまだ参加曲も少なかったし、場数をもっと踏みたいだろうし、体調不良で欠席となってしまったすーじーだって、まだ久々のご対面を果たしていない。東京ドームまでにやることはまだまだあるのだ。
DASADA以来1年2ヶ月ぶりのライブは、振り返ってみればただただ楽しい時間だったな、と改めて思う。
実現まで尽力してくれた運営・スタッフ、そして当日完璧なステージを見せてくれたメンバーには本当に感謝しかない。
必ずまた会いましょう、次のライブも楽しみにしてます。