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DAY3 アラスカで低体温症まっしぐら
朝から雨が降っている。
体を動かしてなんとか暖かく過ごそうとしている。着ているものは全部濡れたけれど、他に着るものもない。吐く息が白く立ち昇る。暖を取る方法はせいぜい、体を動かすかボトルに湯を入れてダウンの下に入れるくらい。それでも奪われる熱の方が圧倒的に多い。靴も靴下も一日中濡れている。
他の人もジャンプしたり走ったりしていた。
頭からつま先まで防寒着を着込んだビルが
「Wako、調子はどう?」と声をかけてきた。
「寒い」
「俺も今、運動して暖まろうとしてる」
ビルは18歳で、男の子って感じ。じっとしていることがないし、楽しそうなことには頭から突っ込んでいくタイプだ。
インストラクターのロジャーの『Poop train』教室があった。
直訳すると『うんこ列車』
穴を掘って用を済ませ、何ごともなかったように土や石を戻す。右手にせっけんをつけて泡立て、口に水を含んでから両手を洗う。口から水を出して両手を流す。
クマへの警戒のため、『列車』には必ず四4人以上で乗ること。
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アンドリューに
「この嵐いつまで続くの?」
と尋ねた。
「分からない。この嵐は、僕が今までインストラクターをやってきた中でも最悪の嵐だよ。でもいつかは晴れる。もう少しの辛抱だよ」
グータッチで励ましてくれた。
今日は二つのチームに分かれて出発した。6kmは歩いた。NOLSのキャンパスから持ってきた精製水がなくなった。